トラブル続出も「言葉が通じないし謝罪もない」…中国系「金属スクラップ施設」法律無視の「全貌写真」 | FRIDAYデジタル

トラブル続出も「言葉が通じないし謝罪もない」…中国系「金属スクラップ施設」法律無視の「全貌写真」

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
トラブル続出の中国系ヤード。近くには住宅が広がる
トラブル続出の中国系ヤード。近くには住宅が広がる

千葉市の農地と住宅が広がる一角に、金属スクラップを高く積み上げた「ヤード」と呼ばれる野外解体・保管施設がある。鉄のフェンスで囲まれた中では、重機が轟音を響かせながら鉄の破砕処理をしていた。

「解体作業時に発生する『ガーン! ガーン!』という金属音が響きわたり、毎日うるさいんです。数年前には夜中にスクラップから火が出て2日間燃え続け、ヘリコプターが空中消火をするほどの騒ぎになりました。

リチウムイオン電池から発火したのではないかと言われていますが、この時はいつこちらに燃え盛る炎が来ないかと心配で夜も眠れませんでした。ヤードを経営するのは中国系企業で言葉も通じない。周りにどんなに迷惑をかけても、近所に謝罪もしないんです。周辺は静かな場所でしたが、ヤードのせいで一変してしまいました」(近隣住民)

ヤードはここ数年で急増し、全国で800ヵ所以上が確認されている。そのうち4割が千葉県に集中。県の調査では約3分の1で騒音、油汚染、火災などのトラブルが発生し社会問題化している。多くが中国系企業だという。

「千葉にヤードが多いのは郊外の土地が安いうえ、首都圏の解体工事で発生した金属スクラップを千葉港から中国に輸出できるなど立地の良さのためです。中国政府は’19年に金属スクラップの輸入を禁止したため、原料に加工しないと国内へ持ち込めなくなりました。そのため、中国系企業が日本で金属加工のヤードを作るケースが増えているのです」(全国紙経済部記者)

許可を取っているのは89ヵ所中3ヵ所

トラブル続出の中国系ヤード
トラブル続出の中国系ヤード

問題は騒音や火災だけではない。日本の法律や規制を無視して、操業を続ける業者も多いのだ。

千葉市では’21年11月に「千葉市再生資源物の野外保管に関する条例」(ヤード条例)を制定。100㎡以上のヤードを新規に設置する場合、「市長の許可」、「住宅から100m以内の設置を禁止」、「スクラップの高さも5mを超えないこと」などを規定した。だが、効果は限定的だという。

千葉市の担当者が現状を説明する。

「事業者に行政指導をすると騒音、振動、悪臭などは一時的になくなりますが、すぐに再発することが多いのです。その上、許可なしで建物の建築ができない市街化調整区域にヤードを立てているケースも目立ちます。

市内の市街化調整区域にあるヤード89ヵ所中、許可を取っているのはわずか3ヵ所しかありません。無許可ヤードには繰り返し是正指導をしていますが、改善しない悪質な業者には監督処分を出し、それでも建築物を取り壊すなどしない場合は刑事告発も検討しています」

冒頭で紹介したヤードも、立ち入り調査や4度の是正勧告書送付など、ここ5年間で14回にのぼる指導を受けたが改善しなかった。市は今年3月29日付で都市計画法に基づく監督処分を発出した。

再生資源物の需要がアジア各国で急速に増える中、今後ヤードは全国各地に増えるとみられる。現在、千葉市以外でヤード条例があるのは、袖ヶ浦市、茨城県境町、神奈川県綾瀬市など少数の自治体のみ。千葉県も条例制定作業を進めているが、ヤードの増加には追いついていない。早急な対策が必要とされるのだ。

トラブル続出の中国系ヤード
トラブル続出の中国系ヤード
トラブル続出の中国系ヤード
トラブル続出の中国系ヤード
トラブル続出の中国系ヤード
トラブル続出の中国系ヤード
フェンスの外側に溢れるゴミ
フェンスの外側に溢れるゴミ
フェンスの外側に溢れるゴミ
フェンスの外側に溢れるゴミ
監督処分の命令書が貼られたヤードの外壁(写真は一部加工しています)
監督処分の命令書が貼られたヤードの外壁(写真は一部加工しています)
  • 取材・文・撮影形山昌由

    ジャーナリスト

Photo Gallery8

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事