「犯罪の温床になっている」急成長中のトレーディングカード業界で脱税や詐欺が頻発する特殊事情 | FRIDAYデジタル

「犯罪の温床になっている」急成長中のトレーディングカード業界で脱税や詐欺が頻発する特殊事情

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急成長を見せるトレーディングカードゲーム業界。それに伴い、犯罪の件数も増加している
急成長を見せるトレーディングカードゲーム業界。それに伴い、犯罪の件数も増加している

コロナ禍の新たな趣味として活況のトレーディングカードゲーム業界で、犯罪が続出している。

4月8日、『遊戯王』や『ポケモン』などのトレーディングカードを転売していた神戸市の男性3人と販売会社1社が、大阪国税局の税務調査を受け、およそ1億円の申告漏れを指摘されていたことがわかった。

「3人は複数のカードを詰め合わせた『オリジナルパック』の販売などで利益を上げていましたが、その利益およそ8000万円を申告していませんでした。さらにそのうちの1人が設立した販売会社では、売り上げ額を操作し、意図的に利益を圧縮するなどして約2000万円の所得隠しを行っていたこともわかっています。大阪国税局は3人と1社に対して、追加徴税として合計して約2500万円の支払いを命じました」(捜査関係者)

トレーディングカードの市場規模は‘18年時点で推定1000億円といわれていたが、’22年には2100億円規模まで急成長している。市場の伸びに合わせて犯罪も増加。昨年末には東京国税局が法人税4500万円を脱税したとして東京の販売会社と同社社長を告発した。

さらに個人間の取引でもトラブルが続出。国民生活センターによると、全国の消費生活センター等に寄せられたトレーディングカードにまつわる相談件数は、’20年度から’21年度にかけて約1.5倍に増加している。犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は「成長が著しい分野だけに、新たな犯罪の温床となるリスクも併せ持つ」と指摘する。

「需要が高い業界だけに、今後も悪徳事業者がつけ込んでくる可能性はあります。昨今はフリマアプリが流行したことで、会社を持たなくても転売で収益を上げることができるようになったことが大きい。バレにくく、しかも数千万円単位の利益を上げることができるとなれば、犯罪のリスクは消えないでしょう」

脱税だけでなく、転売における詐欺被害も増加している。小川氏が続ける。

「ネットオークションやフリマアプリにおいて、購入の申込みが来た時に個別メッセージを送り、サイトやアプリを通さない直接取引を持ちかけるという手法です。先払いを条件に掲載していた値段よりも安い金額を提示されるのですが、送金した途端に連絡が取れなくなるというケースが増えているようです。また、取引に使われた口座は特殊詐欺などに使われている口座が大半なので、捜査が難しく犯人を捕まえることは困難を極めます。現状、個人間売買には特別なルールや規制がありませんが、警察としてもこういった犯罪への取り締まりを強化していく方針ではあると思います。でもまずは、相手が本当に信頼できるかどうかなど、個人で注意することが大事ですね」

新たな犯罪を生まないためにも、取り締まりの強化などの対策が求められている。

  • PHOTOsoraneko

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