コロナ禍が終息する前に新たな脅威が…最高致死率88%!「マールブルグウイルス」が日本に上陸する日 | FRIDAYデジタル

コロナ禍が終息する前に新たな脅威が…最高致死率88%!「マールブルグウイルス」が日本に上陸する日

今年に入りアフリカ各地で死亡例が続出 WHOも世界的流行を懸念 エボラ出血熱と同レベルの感染力で治療法もナシ

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アフリカを中心に猛威を振るいつつあるマールブルグウイルス。宿主はコウモリだが、ヒトからヒトへの感染例も多数確認されている
アフリカを中心に猛威を振るいつつあるマールブルグウイルス。宿主はコウモリだが、ヒトからヒトへの感染例も多数確認されている

死の病が、またも人類をパンデミックの恐怖に陥(おとしい)れようとしている。今年に入りアフリカで死亡例が続出している、マールブルグ病だ。浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫氏が解説する。

「マールブルグ病は、本当に恐ろしい病気です。マールブルグウイルスによる感染症で、エボラ出血熱に酷似した出血性疾患になる。潜伏期間が数日と非常に短く、最高致死率は88%にのぼります。現時点で、治療薬や有効なワクチンはありません。感染者がすぐに亡くなってしまうので、治験が少な過ぎるんです」

コウモリを宿主とする、この死のウイルスがドイツ中部のマールブルグで発見されたのは1967年だ。感染力が強く、初期症状では発熱や耐え難い頭痛が起き激しい嘔吐が繰り返される。さらに水様性の下痢が続き、黄疸(おうだん)や出血症状などが現れ、大半の感染者が発症から8日ほどで多臓器不全により死亡。極度の倦怠感により、顔から表情が奪われるため「幽霊の病」とも呼ばれる。

「マールブルグ病は、感染者の血液や体液などに直接触れることでヒトの間に広まっていきます。’05年には、アフリカ南部のアンゴラで350人以上が亡くなる惨事が起きました。世界保健機関(WHO)は今年3月に赤道ギニアで27人が、タンザニアでは5人が死亡したと発表しています。再び猛威を振るうことがありうるんです」(全国紙国際部記者)

官房長官が警鐘

アンゴラでマールブルグ病の調査をするWHOの職員。同国では’05年に300人以上の死者が
アンゴラでマールブルグ病の調査をするWHOの職員。同国では’05年に300人以上の死者が

世界的感染拡大についてWHOは「(可能性を)排除できない」と指摘。医療ガバナンス研究所理事長の上(かみ)昌広氏が語る。

「WHOはかなり警戒しています。ウイルスがアフリカから出てはマズいと。感染しても対症療法しかありませんから」

日本もけっして他人事ではない。松野博一官房長官は2月15日の会見で、こう警鐘を鳴らしている。

「(マールブルグ病は)我が国の感染症法で1類感染症に位置付けられています。日本では患者の発生は確認されていませんが、厚生労働省から検疫所や自治体、医療関係団体に対し、発生に関する注意喚起を行っています」

「1類感染症」とは、感染者が入院勧告を受け国民の生命に重大な影響を与える危険な病気だ。神戸大学病院の感染症内科教授・岩田健太郎氏が言う。

「アフリカとの交流が深く、移民も多いヨーロッパの人たちは心配でしょう。日本へもマールブルグウイルスが持ち込まれないという確証はありません。グローバル化が進んでいるのですから」

海外からの渡航者数が急激に回復しつつある今、マールブルグウイルスがいつ日本に上陸してもおかしくない。新型コロナウイルスの終息を前に、人類は新たな感染症の脅威に晒(さら)されようとしている。

マールブルグウイルス
マールブルグウイルス
マールブルグウイルス
マールブルグウイルス
またコロナ禍のような状態に逆戻りしてしまうのか…
またコロナ禍のような状態に逆戻りしてしまうのか…

『FRIDAY』2023年4月21日・28日合併号より

  • PHOTOGetty Images ロイター/アフロ

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