<figure id="attachment_308346" aria-describedby="caption-attachment-308346" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="29f1c526"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/04/pixta_82135496_M.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-308346" class="wp-caption-text">さまざまな大麻由来の成分を含むベイプが販売されている（画像はイメージ、提供：pixta）</figcaption></figure>
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「合法大麻あります。ぜひ一度お試しください」
TwitterなどのSNSで、大麻由来成分を含む液体を使用するベイプ(VAPE、電子タバコ)を宣伝する投稿を目にするようになって久しい。この類のツイートには、商品画像とともに自社ECサイトに誘導するリンクが貼られており、商品を簡単に入手できるよう動線が引かれている。
著名人が逮捕されるたび話題になる大麻だが、大麻草の茎や種子から抽出された天然成分「CBD」（カンナビジオール）の製品市場は急速に拡大している。集中力が高まったり、反対にリラックス効果も得られたりするなどして、しかも合法と謳われている。そのため、若者を中心に抵抗感なくCBD製品を使用する人が増えた。
アマゾンでも「大麻 リキッド」「合法大麻」などと検索すると、ベイプに使うリキッドカートリッジが無数にヒットする。ただ、一部怪しげな商品もある。
商品説明欄に成分が記載されていないものや、販売元が「合法で安全性が確認できるもののみの取り扱いになりますが、摂取は自己責任でお願い致します」と注意書きしているものが散見されるのだ。
違法行為対策のためか、アマゾンが「正しい商品情報をお届けするようつとめておりますが、メーカーが告知なしに（含有）成分を変更することがごくまれにあります。したがって実際お届けの商品とサイト上の表記が異なる場合がありますので、ご使用前には必ずお届けの商品のラベルや注意書きをご確認ください」と注意喚起している商品もある。現在、販売が停止されている商品も多々ある。
<div data-friday-nextpage-lead="規制のいたちごっこ"></div>
「合法大麻」と謳うものの、製造元はさまざまで、実際どのようなプロセスで製造されているかは定かではない。事情をよく知るA氏が、匿名を条件に解説する。
「&#8217;23年3月に、大麻と似た「ハイになる」効果を持つ『THCO』と『HHCO』という成分が規制されました。この2つの成分は、違法の大麻由来成分『THC』（テトラヒドロカンナビノール）を化学合成し、似たような作用を得られるよう生成されたものです。THCに酢酸を加えたのがTHCO、THCを水素化して酢酸を加えたのがHHCOだと言われています。いずれにせよTHCOもHHCOも、規制される前まで『合法大麻』として流通していましたが、依存性や危険性を含むため禁止されたようです。
ただ、規制されたからといって、危険ドラッグが一掃されたかというとそうではない。THCOなどに代わり、『THCH』『THCB』といった代替成分のリキッドがすでに出回っています。新しい代替成分は次々に発見され、開発される。販売元と行政のいたちごっこが続いているのです」
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各ECサイトをチェックしてみると、規制が施行された直後、合法大麻を謳っていたベイプのリキッドが大量に出品停止されていた。出品停止された商品に該当の成分が含まれていたかどうかは不明だが、販売元が勝手に成分表記を変えて再出品する可能性は否定できない。
「ぶっちゃけ、リキッドにどんな成分が入っているかなんて、素人目にはわからないんですよ。色が違うわけでも、匂いが違うわけでもない。売り手からしたら、カネになればいい訳です。規制がかかるまでにTHCOやHHCOを捌き切れなかった業者がTHCHと称して販売していてもおかしくない」(A氏）
<div data-friday-nextpage-lead="安易に入手すると……"></div>
規制が繰り返されることで、かえってブラックボックス化が進む危険ドラッグ。「合法」という言葉につられて、違法な成分が混入した商品を購入してしまう危険性もある。アマゾンはどう対応しているのか。日本法人に質すと、以下のような回答があった。
「Amazonの販売事業者様は独立した事業者であり、販売の際は、すべての関連法規やAmazonのガイドラインを遵守していただくよう求めております。Amazonは、関連法規やガイドラインに違反する商品の出品を事前に阻止する対策を講じているだけでなく、サイト上を継続的にチェックし、違反商品が確認された場合は、商品（ページ）の削除や販売アカウントの停止など適切な対処を行います。もし違反商品を確認された場合は、（当該サイトの）URLをお送りいただけますと幸いです。確認のうえ速やかに対応させていただきます」
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弁護士法人・東町法律事務所に所属する村尾卓哉氏は、このように注意喚起する。
「そもそも危険ドラッグは、基本的に薬機法（医薬医療機器等法）で規制されています。薬機法において指定された違法薬物を医療等の用途以外で製造、輸入、販売、所持、購入などすると、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(または併科)、業として（反復継続）行った場合は5年以下の懲役または500万円以下の罰金(または併科)が科されます。
大麻の営利目的以外での単純所持の場合は懲役5年以下なので、刑罰が軽い危険ドラッグのほうが身体にとって危険度が低いと思われがちですが、それは思い違いです。危険ドラッグは正確なデータや危険性がよくわからないから、暫定的に薬機法の指定薬物として処罰しているため刑が軽いのです。
いま流通している危険ドラッグは、いずれ規制の対象になる可能性が高いでしょう。規制薬物の指定は厚生労働大臣の決裁に依るので、国会の承認が必要ないぶん、スピーディに行われます。危険ドラッグを買った当時は規制対象でなくとも、知らぬ間に指定薬物になっていて、違法だったというケースも十分ありえます」
君子危うきに近寄らず。合法と謳っているから、大手サイトで売っているから安心、というわけではなさそうだ。

林英雄

さまざまな大麻由来の成分を含むベイプが販売されている（画像はイメージ、提供：pixta） 「合法大麻あります。ぜひ一度お試しください」 TwitterなどのSNSで、大麻由来成分を含む液体を使用するベ

大手ECサイトで販売中のものも…SNSで出回る「合法大麻」のヤバい実態

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