「サイ・ヤング賞」&「シルバースラッガー賞」も…エンゼルス・大谷翔平が大爆発″至高の二冠王″へ | FRIDAYデジタル

「サイ・ヤング賞」&「シルバースラッガー賞」も…エンゼルス・大谷翔平が大爆発″至高の二冠王″へ

まだまだ伸びしろだらけ!

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リリース位置や腕の角度を試行錯誤して、スイーパーを編み出した大谷。「一方で、打ち気のない打者にはポンとカーブを投げるなど、メリハリもついている」(川村氏)と充実!
リリース位置や腕の角度を試行錯誤して、スイーパーを編み出した大谷。「一方で、打ち気のない打者にはポンとカーブを投げるなど、メリハリもついている」(川村氏)と充実!

「途中まで真っ直(す)ぐに見えて、そこから果てしなく逃げていく――」

楽天・浅村栄斗(32)ら、日本で鎬(しのぎ)を削った強打者たちが語る大谷翔平(28)の「最も厄介なボール」は160km超の豪速球でも、高速フォークでもなく、″横滑りするスライダー″だった。いまこの魔球が「スイーパー」と名前を変え、メジャーリーガーをキリキリ舞いさせている。

「被打率はわずか0.063。見逃しや空振り、ファウルなど″前に打球が飛ばない率″が約54%。大谷選手にとって最も扱いやすく、自信の持てるボールとなっています。今季は全投球の約5割、実に2球に1球、スイーパーを投げています」(スポーツデータ解析会社「ネクストベース」のアナリスト・山口敦士氏)

ホームベースを掃く(スイープ)ように横滑りするのが名前の由来だ。山口氏は「平均で44cm。昨季投げていたスライダーと比べて10cm前後も変化量が増えている」と驚愕する。

「スイーパーはメジャー全投球のわずか4%という特殊球で、おそらくほとんどが大谷選手です。だから、意識的に多投しているのでしょう。昨季と比べてスイーパーの比率が10%も増えています」(山口氏)

大谷はスイーパーと逆方向に40㎝近く曲がるツーシームも自在に操る。左右80cmという変化量が登板5試合で3勝、防御率0.64という快投を生んだのだ。

メジャー取材歴30年のライター・友成那智氏は″女房″にも着目している。

「今季から試合時間短縮のためのピッチクロックが導入され、正捕手がルーキーのオホッピー(23)になったことが奏功しました。WBCで球種の擦り合わせをする時間が取れず、女房役がルーキーということで、大谷がサインを出すことになった。昨季は捕手のサインに何度も首を振って仕切り直すシーンが散見されましたが、今季はゼロ。バッテリー間のストレス軽減がテンポのいい投球を生んだ」

すでに無双状態の投手・大谷に対し、打者・大谷は「まだまだ伸びしろがある」と筑波大学准教授の川村卓氏は言う。

「大谷がインコースのボールを強引に引っ張るとあまり打球が上がらない。そこに気づいたメジャーの投手たちが、内角攻めを増やした。いまの大谷は攻め方の変化を感じながら、アジャストしている段階。それで5ホーマーは順調です。豪打のイメージがありますが、コンタクト率を上げて二塁打、三塁打を増やし、結果的に本塁打も増える。それが理想形でしょう。レフト方向に長打が出始めたら、エンジンがかかったと見ていい」

大谷が「46本塁打した’21年より、打球角度が少し小さくなっている」ことに、前出の山口氏は注目している。

「ただ、今季はヒットになりやすい打球角度(8〜32度)の割合が過去最高です。もともと打球速度はメジャートップクラス。角度が上がれば本塁打は増えますが三振も増えてしまう。打率と長打率を上げるバッティングに注力しているのだと思われます」

投打の頂に与えられる「サイ・ヤング賞」と「シルバースラッガー賞」。″至高の二冠王″を大谷は最短距離で目指す。

『FRIDAY』2023年5月12・19日号より

  • PHOTOGetty Images

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