元金融庁長官が「ソニーFGの社長」に!前代未聞の天下りで問われる企業体質 | FRIDAYデジタル

元金融庁長官が「ソニーFGの社長」に!前代未聞の天下りで問われる企業体質

ガバナンスは維持できるのか

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金融庁長官時代、遠藤氏は生保業界を目の敵にしていたが……/photo by pixta
金融庁長官時代、遠藤氏は生保業界を目の敵にしていたが……/photo by pixta

「民間企業の顧問を歴任していたのは把握していますが、まさか社長にまでなるとは……。寝耳に水です」(メガバンク幹部)

4月28日、「ソニー銀行」などソニーグループの金融事業を統括する「ソニーフィナンシャルグループ(FG)」の社長兼CEOに、元金融庁長官の遠藤俊英氏(64)を起用する人事が発表された。金融機関の「お目付役」である元トップが社長の座に就くとあって、業界内に動揺が広がっている。

「遠藤氏は’82年に旧大蔵省に入省。金融庁監督局長などを歴任し、’18年に金融庁長官に就任しました。’20年7月に長官を退任後、同年11月に富国生命の顧問に就くなど、確認できるだけで10社以上の企業に『天下り』しています。そして、同年11月には、ソニーグループのシニアアドバイザーにも就任しています。関係者からは、『退庁したとたんに天下り先を漁るのはいかがなものか』と冷ややかな声も多かった」(全国紙経済部デスク)

監督局長、長官時代は金融機関に対してガバナンス強化を口酸っぱく要請していた張本人が遠藤氏である。特に目の敵(かたき)にしていたのが、ソニーFGの主力商品のひとつである生命保険。保険で節税できることを謳った「節税保険」の販売競争が当時過熱していたことも問題視していた。

ソニーFGは’20年9月に親会社ソニーの完全子会社となり、金融事業はゲームや音楽・エンタメ事業に並ぶ重要なセグメントになっている。

「ソニーFGは個人のネットバンキング、保険や損保が軸になっており、法人取引が強いメガバンクとは少し違う組織構造です」(前出・メガバンク幹部)

いくつもの顧問を掛け持ちしていた遠藤氏だが、退庁後の「本命」はソニーだったようだ。

「個室や秘書、車つきのソニーを『本業』、他社はあくまで小遣い稼ぎくらいに考えていたようです。官庁とのパイプ役になれることから、ソニー本体の取締役になる可能性は十分ありえましたが、まさか『実働部隊』の社長に就くとは衝撃でした。

そもそも、歴代の金融庁長官経験者で有力金融機関のトップに指名されるケースはほとんどありません。強いて言えば、’22年に新生銀行取締役会長に就任した五味廣文氏(73、’72年旧大蔵省入省)以来。ただ、遠藤氏の野心は強い。ソニーの顧問に就任して以来、フィンテックやソニーグループ全体の経営について研究を重ね、来る日に備えていたようです」(前出・全国紙デスク)

ソニーFGといえば、傘下のソニー生命社員が’21年に海外子会社の資金170億円を不正送金し、騙し取るという大きな不祥事を起こしている。新たに不祥事が発覚した時、金融庁は「元トップ」のいる企業に厳しい処分を下せるのかーー。ソニーグループ全体のガバナンスが問われる。

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