〈各国の思惑がうごめいている〉…日本人48人が退避「内戦続くスーダン」ロシア軍事会社の疑惑利権 | FRIDAYデジタル

〈各国の思惑がうごめいている〉…日本人48人が退避「内戦続くスーダン」ロシア軍事会社の疑惑利権

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
内戦に利権を狙う海外の国々のためにスーダンの人々は苦しめられ続けている(PHOTO:ロイター/アフロ)
内戦に利権を狙う海外の国々のためにスーダンの人々は苦しめられ続けている(PHOTO:ロイター/アフロ)

〈戦闘が続くスーダンで各国の思惑がうごめいている〉

米紙『ニューヨーク・タイムズ』は4月22日、国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の内戦が起きているアフリカ北東部スーダンで外国の利権争いが起きていると報じた。

政情不安により、現地にいた日本人48人も退避。4月29日に政府チャーター機で成田空港に到着したNPO法人「ロシナンテス」の川原尚行理事長は、報道陣へ「飛行機から富士山がきれいに見え涙がこぼれそうになった」と語っている。その日本人を含む多くの外国人が脱出したスーダンが、各国の思惑がうごめく場となっているという。

「スーダンは、アフリカでは3番目の広さで人口は約4700万人です。ナイル川流域にあるため土壌が豊かで、石油やレアアース、金などの地下資源が豊富にある。政情の不安定さにつけこみ、各国がこうした資源の権利を得ようとしているのです」(全国紙国際部記者)

約束された採掘利権

利権を虎視眈々と狙っている国の一つがロシアだ。

「米国の放送局『CNN』は、ロシアが隣国リビアを通じて『RSF』へ対地空ミサイルなどの武器を供与していると報じています。『RSF』のタガロ司令官は、ロシアのウクライナ侵攻直後にモスクワを訪問。同国高官に対し、武器を供与し軍事訓練をしてくれれば見返りに金採掘などの権利を渡すと約束したといわれます」(同前)

「RSF」が頼ったとされるのが、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」だ。「ワグネル」はもともと、リビアやモザンビークなどのアフリカ諸国に展開。政府と反政府軍の対立などへ軍事的関与しているといわれる。同社はアフリカとのパイプが太いのだ。

「『CNN』によると、『ワグネル』の関連会社が昨年夏にスーダンで採掘される金の精製権を独占したと報じています。ロシアがスーダンから金を密輸していると。スーダンの金を強奪し、ウクライナ紛争の戦費にあてている可能性があるんです。さらにロシアはスーダンに対し、紅海の要港である海軍基地を提供するよう求めているといわれます」(同前)

「ワグネル」の創設者プリゴジン氏は、スーダンへの軍事的関与を否定している。〈2年ほど前から『ワグネル』の戦闘員は一人もスーダンに入っていない〉と表明したのだ。

「プリゴジン氏はこうもコメントしています。〈国連や西側諸国はスーダン人の血を求めているが、我々は平和を望んでいる〉と。しかし、スーダン国内には多数のロシア製兵器があるという情報があります。ラブロフ外相も今年2月に、わざわざスーダンを訪問しています」(同前)

ロシア外務省は4月15日、悪化するスーダンの政情に「深刻な懸念」を示した。その一方で武器供与し利権を独占。情勢を複雑にしている可能性があるのだ。

  • PHOTOロイター/アフロ

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事