最後の牙城が…大阪ミナミの中心部にある暴力団「宅見組」事務所売却で”これから起こること” | FRIDAYデジタル

最後の牙城が…大阪ミナミの中心部にある暴力団「宅見組」事務所売却で”これから起こること”

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大阪にある宅見組本部(PHOTO:共同通信社)
大阪にある宅見組本部(PHOTO:共同通信社)

「大阪屈指の繁華街・ミナミの中心部にある二代目宅見組(入江禎組長)の本部事務所が売却され、近く解体されることになりました。近隣住民らの委託を受けた大阪府暴力追放推進センターによる申し立てをきっかけに、’21年2月に大阪地裁が事務所使用差し止め仮処分を決定していました」(事情に詳しいジャーナリスト)

建物は民間企業が約3億円で買い取る。抗争事件に巻き込まれる可能性もあるため、建物の解体も決まっている。

’20年1月、神戸山口組は六代目山口組と共に特定抗争指定暴力団に指定された。警戒区域に指定された大阪市内にある二代目宅見組事務所はその時点で使用が禁じられたが、’21年の大阪地裁の決定で、指定が解除された後も使用が禁じられることになっていた。

「特定抗争指定されると組事務所への立ち入りはもちろん、5人以上で集まる行為も身柄拘束の対象となります。使えないのに所有権を持つ暴力団側が固定資産税を負担せざるを得ず、当局による兵糧攻めの一つというわけです。それでも組事務所はヤクザにとって最後の牙城で、たとえ使えなくても維持するのがプライドの見せ所と言われてきました。たとえばトップが第一審で死刑判決を受けて組織の解体が進行中の工藤会は、本部事務所を売却しています」(同前)

二代目宅見組の組事務所をめぐっては使用差し止めの仮処分が決まってから、売却交渉が水面下で進行していたとされる。

「一旦契約が固まったという情報が流れたかと思えば、やはり破談になったなど、紆余曲折を経たという印象がありますね。そんな中で、二代目宅見組は神戸山口組を去年10月に脱退しました。そのあたり、売却交渉が加速したポイントかもしれませんね」(同前)

このジャーナリストの言う通り、「組事務所はヤクザにとって最後の牙城」なら、それを失った二代目宅見組は今後どうなるのだろうか。

「組織の解散と入江組長の引退が近づいたと見る向きも多いです。一方で、六代目山口組の司忍組長は入江組長のことを気にかけてきたとされています。六代目体制となって入江組長はナンバー3を務めていたこともありますしね。司組長は自身の代で山口組の分裂を招いた責任を取ることを主眼に置いているとされます」(同前)

とはいえ、神戸山口組の井上邦雄組長は最後まで白旗をあげないと言われる。

「司組長は喜寿を超え、後継者を考えなければならない時期に差し掛かっています。神戸山口組を降伏させることは無理でも、気にかけてきた二代目宅見組のことが片づけば七代目体制に移行しても良いとの考えも見え隠れしているようです」(同前)

気になる七代目は誰になるのか。

「もちろん高山清司若頭です。その場合、司組長は引退せず総裁的な立場で君臨する可能性がありますね」(同前)

しかし折りも折、4月22日に三代目弘道会の直系組織の組長が銃殺される事件が発生した。新たな抗争の可能性も否定できない中で、事態は風雲急を告げている。

  • PHOTO共同通信社

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