まさに「妖怪」…!自民党・二階俊博議員が衆院和歌山1区補選で「不気味な沈黙」を貫いたワケ | FRIDAYデジタル

まさに「妖怪」…!自民党・二階俊博議員が衆院和歌山1区補選で「不気味な沈黙」を貫いたワケ

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衆院和歌山1区補選において、二階議員に積極的な動きは見られなかった
衆院和歌山1区補選において、二階議員に積極的な動きは見られなかった

「今回の敗戦を受け、県内では支持者の自民党離れが顕在化しています」(自民党和歌山県連関係者)

自民党にとって5つの衆参補選で唯一の敗北となった、衆院和歌山1区補選から約2週間が過ぎた。門博文元衆議院議員を擁立した自民党は、4月11日の公示前、「負けるはずがない。維新の風は和歌山には届かない」という声が各所から聞こえるほど緩みがあった。ところが、蓋を開けてみると、各事前調査で劣勢、岸田文雄首相や小池百合子都知事まで応援に駆けつけ巻き返しを図ったが、6000票近い差をつけられ日本維新の会の新人、林佑美氏に敗れた。

まさかの敗戦を受け、地元・和歌山の自民党関係者からは「支持者離れ」を懸念する声が聞こえてくる。それと同時に注目を集めているのが、“二人の大物政治家”の勢力争いの行方だ。前出・自民党和歌山県連関係者が言う。

「二階俊博衆議院議員と世耕弘成参議院議員ですよ。実は今回の補選は、二階さんではなく、世耕さんが実質的な指揮をとっていたんです。世耕さんの熱量は並々ならぬもので、支援者や企業社長などに『今回は絶対に負けられないんです。門をどうぞお願いします』と、自ら電話をして挨拶に回っていた。正直、自身の選挙でもここまで動いているのは見たことがありません(笑)」

当初、和歌山1区補選には鶴保庸介参議院議員の鞍替え出馬が有力視されていた。しかし、すったもんだの末に門氏に決定。その裏には、世耕議員の意向があったと見られている。

「世耕さんのほうが年上ですが、議員になったのは鶴保さんが先。そのため、鶴保さんは世耕さんに対して先輩面をずっと続けているんです。世耕さんはそんな鶴保さんの態度に我慢ならず、昔から犬猿の仲。衆議院への鞍替えが悲願である世耕さんにとって、鶴保さんが先に鞍替えするのは、許し難かった。門氏のためというより、自分のメンツのために躍起になっていた節があります」

一方、勝利した維新にとって、そもそも和歌山1区は関心が強い地域だったわけではなかった。日本維新の会の所属議員が、今回の選挙についてこう説明する。

「統一地方選挙で600議席を獲得するために、『とにかく候補を立てまくれ』という党の方針があり、正直その対応で精一杯だった。和歌山に関しては、維新と関係が近い鶴保さんが出るなら候補者を出さない予定でした。それが一転、門氏の出馬が決まり、『門氏なら充分に戦える』と急遽方向転換したんです。突貫工事での選挙となりましたが、ほぼ政党の力だけで勝てた」

この言葉の通り、投票の内訳を県連が分析したところ、公明党支持者の8割近くが門氏を支持したのに対し、自民党支持層では約3割を取りこぼしていた。中でも鶴保氏を支持していた4割程度が維新・林氏の支持に回り、無党派層からの投票も3割程度に留まったとみられる。つまり、県連や後援者の一部でも門氏を支持しない動きがあり、それが結果として現れたということだ。

こうなってくると、“和歌山のドン”こと二階氏の動向も気になるところ。意外にも、二階氏は今回の補選に関して静観を貫いていたという。自民党・二階派議員が言う。

「二階さんは今回の補選では主要団体への挨拶程度で、ほとんど動かなかった。候補者選定の際も『俺はどっちでもいいから、県連が決めたらいい』とし、世耕さんのひと押しで門さんに決まった。ただし、権謀術数に長けた二階さんですから、敗戦を見越して、“あえて”動かなかったようにも思います。将来的な息子の国政進出を見据え、『世耕じゃまだまだダメだ』という印象を和歌山でつける狙いがあったんでしょう」

実際、今回の敗戦に関しては、すでに多方面から不満が出ているという。前出の自民党和歌山県連関係者は、選挙の事後処理について頭を抱えている。

「自民党にとって痛いのは、支持者が今回の選挙のやり方に不満を持ってしまったこと。実際、昔からの自民党支持者からは『なんで門なんか出した! 世耕は何をやっているんだ!』という意見がかなり出てきている。世耕さんのキャリアにとって大きな汚点となってしまったことは間違いないです」

門氏で勝てればそれで良し、負けても「やっぱり二階さんじゃなきゃ」と地元に印象付けることができる。それこそが、二階議員が“不気味な沈黙”を貫いた理由だったのかもしれない。

街頭演説をする門元衆議院議員。足を止める人は少なかった
街頭演説をする門元衆議院議員。足を止める人は少なかった
  • 写真(1枚目)鬼怒川毅

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