全身にやけどを負いケロイド…京アニ放火の44歳被告「36人が犠牲の凶行」に身勝手すぎる言い分 | FRIDAYデジタル

全身にやけどを負いケロイド…京アニ放火の44歳被告「36人が犠牲の凶行」に身勝手すぎる言い分

日本のアニメ文化を焼き尽くし、35人の人命を奪った男が抱えた“鬱憤”という火種

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事件直後、多くの人々が真っ黒こげとなった事件現場を見上げていた(PHOTO:共同通信社)
事件直後、多くの人々が真っ黒こげとなった事件現場を見上げていた(PHOTO:共同通信社)

凄惨な放火事件から4年――。

ようやく初公判の大まかな日程が決まった。’19年7月に起きた京都市伏見区の「京都アニメーション(以下、京アニ)」放火事件。5月8日に京都地裁で行われた第1回公判前整理手続きで、殺人や殺人未遂など5つの罪で起訴されている無職・青葉真司被告(44)の初公判が9月上旬に行われる見通しとなったのだ。

「事件直後、青葉被告は全身にやけどを負い意識不明の重体に。体調が回復した’20年5月に逮捕され、同年12月に起訴されました。検察は鑑定留置を実施しましたが、刑事責任能力を問えると判断しています。弁護側の請求で2度目の精神鑑定が行われたため、公判では責任能力の有無が争点になるでしょう」(全国紙社会部記者)

『FRIDAY』は’19年8月9日号で、多くの人々の命を奪った悲劇が起きる背景について詳しく報じている。再録して事件の重さと、青葉被告の身勝手すぎる言い分を振り返りたい(内容は一部修正しています)ーー。

「パクりやがって……」

全身にやけどを負った青葉被告が移送された様子。皮膚の移植治療には約2億円もの保護費が使用されたという(PHOTO:時事通信社)
全身にやけどを負った青葉被告が移送された様子。皮膚の移植治療には約2億円もの保護費が使用されたという(PHOTO:時事通信社)

「呼び鈴が鳴り玄関に出ると、仰向けに男性が倒れていました。シャツとジーンズ姿で大柄な体型。髪は焦げていて、火傷で両腕の皮膚がめくれ上がっていた。足の裏は血だらけで、右すねには燃えカスが残っていました。『大丈夫ですか?』と聞いても返事がなく、うちのホースで水を足にかけました。

駆けつけて来た警官が男性に『どうしてこんなことをした?』『どうやったんや?』と聞き始め、放火の犯人だと気づいたんです。犯人は『パクりやがって……』『火をつけた』などと口にしていましたね。顔は土色で緑がかっており、今まで見たことない顔色でした」(京阪電鉄六地蔵駅近くの住民)

’19年7月18日の午前10時30分過ぎ、アニメ制作会社「京アニ」第1スタジオに青葉被告が火を放った。ガソリンもまいたため炎と煙の勢いが強く、死者は36人に及んだ。青葉被告は逃走し、現場から約100m離れた六地蔵駅付近で警察に取り押さえられた。

埼玉県さいたま市に住んでいた青葉被告は、事件数日前から京都市に滞在。近くの公園で寝泊まりしていたという。

「事件前日の夜8時頃、公園のベンチで両膝を立てて寝ている太った男性を見かけたんです。足元には台車があり、荷物が載っていました」(近隣住民)

寝ていた男性が青葉被告だったのだろう。近くのガソリンスタンドで買ったガソリンを台車に載せて運び、凶行に及んだと考えられる。

埼玉県で少年時代を過ごした青葉被告について、中学校の同級生はこう語っていた。

「優しく穏やかな人柄の印象。柔道に熱心で、隣町の柔道教室までバスで通っていました。両親は離婚しており、父と兄と妹の4人暮らし。洗濯機が家の外にあるような木造の古いアパートに住んでいて、裕福という感じではなかったです」

青葉被告の中学校の卒業アルバム写真。中学生のとき自分のことを「ワシ」と呼んでいたという
青葉被告の中学校の卒業アルバム写真。中学生のとき自分のことを「ワシ」と呼んでいたという

中学卒業後、青葉被告は夜に定時制高校に通いながら、昼は埼玉県の文書課で非常勤職員として働き、家計を助ける。

「父親はタクシー運転手をしていました。男手ひとつで苦労もあったのでしょうが、家族仲良く生活しているようでしたよ。父親が勤務終わりに近くの商店で惣菜を買って帰る姿もよく見かけていました」(当時青葉家が住んでいた家の近隣住民)

貧しくも互いに支えあって暮らしていた青葉家。兄も家を出て、青葉被告も一人立ちし、県内の大手新聞社の専売所で働き始めた。しかし、そんな青葉家を悲劇が襲う。

ある日、近所で父親が松葉杖をついて歩いているのを見かけました。タクシーで交通事故を起こして働けなくなったそうです。それで一気に生活が苦しくなったのか、父親と妹の怒声が毎晩のように聞こえました。それからまもなくして父親が首を吊って自殺し、残された妹も蒸発してしまいました」(前出・住民)

それから十数年間、青葉被告は仕事や住居を転々とする。’12年6月には、茨城県坂東市でコンビニ強盗をはたらき逮捕される。

「青葉が逮捕された後、彼の部屋に入るとガラスは割られ、壁はボコボコに壊されていました」(アパートの管理人)

逮捕時に青葉被告は「小説をパクられた」と口走っていた。この妄想が、溜まりに溜まった被告の鬱憤に着火し、悲惨な放火事件に繋がったのだろうか――。

焼け焦げた「京アニ」第1スタジオ1階。らせん階段の近くに放火に使用されたライターが落ちていた
焼け焦げた「京アニ」第1スタジオ1階。らせん階段の近くに放火に使用されたライターが落ちていた
現場近くの防犯カメラに映る青葉被告。台車にはホームセンターで買ったガソリンの携行缶が載せられていた
現場近くの防犯カメラに映る青葉被告。台車にはホームセンターで買ったガソリンの携行缶が載せられていた
「京アニ」第1スタジオが燃える様子。最初は建物右手から火の手が上がり次第に左へと燃え移っていった(ビデオファクトリー京都提供)
「京アニ」第1スタジオが燃える様子。最初は建物右手から火の手が上がり次第に左へと燃え移っていった(ビデオファクトリー京都提供)
  • PHOTO加藤 慶 共同通信社 時事通信社

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