〈ショイグ!弾薬はどこだ〉と幹部罵倒も…ロシア民間軍事会社「ウクライナで非人道焦土爆弾」使用疑惑 | FRIDAYデジタル

〈ショイグ!弾薬はどこだ〉と幹部罵倒も…ロシア民間軍事会社「ウクライナで非人道焦土爆弾」使用疑惑

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動画でロシア軍幹部を痛烈に批判したプリゴジン氏(PHOTO:共同通信社)
動画でロシア軍幹部を痛烈に批判したプリゴジン氏(PHOTO:共同通信社)

男はカメラに向かい、憤怒の形相で叫び続けた。

〈オマエらはのんきに高級クラブに座り、YouTubeを見て楽しい生活を送っている。だが、こっちは弾薬が70%不足しているんだ! ショイグ(ロシア国防相)! ゲラシモフ(参謀総長)! 弾薬はどこだ! 弾薬があれば死者は5分の1になったはずだぞ!〉

軍幹部を罵倒した動画声明を5月5日に発表したのは、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏だ。弾薬不足の状況が変わらなければ、ウクライナ東部の要衝バフムトから撤退すると宣言。しかし2日後の7日には〈戦闘続行が可能な弾薬と兵器の供給が約束された〉と、SNSに投稿し撤退宣言を撤回した。

「プーチン大統領は対ドイツ戦勝記念日の5月9日までに、バムフトを制圧するよう『ワグネル』に命じていたとされます。しかしウクライナ軍の激しい抵抗で困難になった。そのためプリゴジン氏は、わざと全世界に公開した動画で軍幹部を非難。弾薬不足を理由に責任回避したといわれるんです」(全国紙国際部記者)

日本への空襲でも使われた焼夷弾を

ウクライナ軍が公開したロシア軍に攻撃されるバフムトの様子。複数の白い光と火柱が確認できる
ウクライナ軍が公開したロシア軍に攻撃されるバフムトの様子。複数の白い光と火柱が確認できる

追いつめられた「ワグネル」は手段を選ばない。バフムトでは、非人道的な焦土作戦が行われているとされるのだ。ウクライナ軍が公開した、ロシア軍からバフムトが攻撃を受けた時に撮影されたとみられる映像では、空から白い光が降り注ぎ街のいたるところから火柱があがっている。

「ウクライナ当局は、ロシア軍が焼夷弾を使用していると主張しています。焼夷弾は内部に発火性の燃料が入った爆弾で、大量に使用することにより大規模な火災を発生させる。着弾付近にいる人々は一酸化炭素中毒になり、皮膚は無残に焼けただれます。第2次世界大戦中に米軍が日本各地への空襲で使い、現在は国際法で人口密集地での使用が規制されているんです」(同前)

「ワグネル」は、系列メディアを通じ〈ロケット砲で焼夷弾を撃ち込んだ〉と表明している。ウクライナが使用を非難しているのは焼夷弾だけではない。

「白リン弾です。白リンは非人道的な化学物資で、広範囲を火の海にします。粘着質が高く、酸素に触れることで発火し燃焼温度は800℃にも達する。人体に付着すると剥がれにくく深刻な被害をもたらし、患部に巻いた包帯を解くと再度発火する可能性があります。

民間人がいる地域での使用は戦争犯罪にあたるとされる、残酷な兵器です。ロシア当局は『国際条例に違反したことはない』と、使用を否定しています」(全国紙欧州在駐記者)

追いつめられた「ワグネル」に使用疑惑が浮上している非人道的兵器の数々。プリゴジン氏は5月8日、SNSでバフムトのウクライナ軍支配地域は「2.37平方キロメートル」を残すのみだと胸を張った。

  • PHOTO共同通信社

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