<h3><span class="strongInContent">ミニマムながら「地域密着度」は抜群の広告媒体</span></h3>
<p>テレビ、新聞・雑誌、インターネット・SNS&#8230;。広告の種類はたくさんあるが、最近ジワジワときているのが電柱広告だ。製作費は別途だが、都内なら月額3000円（税抜き）から利用できるという。</p>
<p>街中に当たり前のようにある電柱広告。その存在は毎日目にしているが、実態はよくわからない。電柱広告はいつからあるのか？ 金額は？ 大きさは？　関東近郊の電柱広告を取り扱う代理店の株式会社東広・副長の八木毅さんにうかがった。</p>
<figure id="attachment_310855" aria-describedby="caption-attachment-310855" style="width: 4498px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0cae5631"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/1_2F3A7793.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-310855" class="wp-caption-text">店名の力強い筆文字がインパクト抜群の和菓子店の電柱広告。裏路地の電柱に掲げることで、迷わずにたどり着けるようになっている</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">2枚1セットで月額約3000円～！</span></h3>
<p>まずは、電柱広告の起源について。八木さんによると、「明治23年（1890年）に東京電力の前身となる東京電燈という会社が、警視庁から電柱を媒体とする広告掲出の許可を得た」と書かれている文献があるそうだ。当時は、中に電球が入っていたガラスの行灯型だったが、130年あまりの間に変化して、現在の姿になったという。</p>
<p><span class="strongInContent">「現在は、各自治体の条例で電柱広告に関する基準を定めており、私どももそれに従って営業しています。また、一言で“電柱”と言っていますが、ああいった柱には</span><span class="strongInContent">電力を供給する『電柱』と、電話や光回線などの専用ケーブルを配する『電信柱』の2種類があります。電力系と通信系の会社が、それぞれ管理しています」</span></p>
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<p>電柱広告の種類は2パターン。東京都の場合、歩道から3.5m以上の高い位置にあり、電柱から突出しているタイプの「掛広告」と、地表から160cmと一般的な大人の目線と同様の高さにあり、電柱に巻きつけるタイプの「巻広告」がある。</p>
<figure id="attachment_310856" aria-describedby="caption-attachment-310856" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="40f46501"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/e164ab827042f87b0a5a7105fe70e227.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-310856" class="wp-caption-text">こちらが「掛広告」タイプ（株式会社東広提供）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_310857" aria-describedby="caption-attachment-310857" style="width: 4498px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="59f315a5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/2-2_2F3A7786.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-310857" class="wp-caption-text">「巻広告」タイプ。標準的なサイズは、掛広告は高さ110cm×幅45cm、巻広告は高さ150 cm×幅33cm</figcaption></figure>
<p>料金はエリアによって決まっていて、掛広告は１枚（両面に広告表記）、巻広告は２枚が1セットで、ともに東京都内なら月額3000円～6000円、神奈川県は2400円～3000円（どちらも税抜）。単純計算して、都内の一番安いエリアなら、1日の使用料は97円程度となる。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="QRコードにリラックマ…"></div>
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<p><span class="strongInContent">「そこに看板の製作費16000円（税抜）が加わります。初回の契約期間は1年間で、1年ごとの更新です。更新料はかかりません。看板の帰属先は媒体管理会社となっていて、レンタルと同様の扱いになるので、契約を解除した時は看板を撤去いたします」（株式会社東広 八木毅さん・以下同）</span></p>
<figure id="attachment_310858" aria-describedby="caption-attachment-310858" style="width: 4498px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="403c78aa"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/3_2F3A7521.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-310858" class="wp-caption-text">株式会社東広 副長の八木毅さん。「今回お答えしている内容は関東圏の電力会社が管理されている電柱の場合です」（PHOTO：川戸健治）</figcaption></figure>
<p>想像以上の安さに言葉を失った人も多いだろう。しかし、この安さが130年以上もの歴史を紡いできた大きなポイントであり、最大のメリットなのだ。また、中には70年以上も利用しているお店もあるそう。</p>
<p><span class="strongInContent">「そうやって長く掲出することで、エリアでの認知度アップにつながりますし、</span><span class="strongInContent">商売の下支えになっているのだと思います」</span></p>
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<h3><span class="strongInContent">QRコードにリラックマ…新しいスタイルの電柱広告が続々</span></h3>
<p>QRコード付きの電柱広告を目にする機会が増えたように感じるが…。</p>
<p><span class="strongInContent">「電柱広告には、</span><span class="strongInContent">営業内容や誘導案内といった基本的な情報以外に、店舗に関する宣伝等を加える方もいらっしゃいますし、最近は、QRコードの表示を要望するお客様が増えてきています。</span></p>
<p><span class="strongInContent">そのほかに、弊社が</span><span class="strongInContent">ライセンス契約している人気キャラクターの使用（すみっコぐらし、リラックマ、ガチャピン・ムックなど）、地域のスポーツチーム（ＦＣ町田ゼルビアなど）のキャラクターやロゴなどを使用した電柱広告もあります。また、自治体と協定を締結し、避難場所の案内など公共情報をお客様の広告面の一部に掲載いただく電柱広告もあります」</span></p>
<figure id="attachment_310859" aria-describedby="caption-attachment-310859" style="width: 3023px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a58f65d7"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/0a752a5c27e2d25cd77f511ca58dbb90.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-310859" class="wp-caption-text">QRコードの遷移先は公式サイトやSNSへの誘導が多い。こちらは公式サイトとインスタへ誘導している（株式会社東広提供）</figcaption></figure>
<p>繁華街なら「タバコのポイ捨て禁止」、海が近いエリアなら「海抜●●ｍ」といった自治体が必要とする地域情報を追加することで、地域との一体感などにもつながるそうだ。</p>
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<h3><span class="strongInContent">300ヵ所以上の大胆な「看板広告」作戦で、街の顔になった歯科も…</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p>電柱広告の規定は、取り付け高さ以外にもいろいろとあるという。</p>
<p><span class="strongInContent">「デザインについても、エリアによって規定に違いがあります。東京都の場合は、背景に黒色・赤色・黄色が使用できないほか色数は４色までとなっています。</span><span class="strongInContent">ただし、他地域では写真データが利用できる場合もあります」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<figure id="attachment_310860" aria-describedby="caption-attachment-310860" style="width: 4498px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9edc6610"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/3ac80433cc58bfa5b3c183dcb5ed9b60.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-310860" class="wp-caption-text">水素吸入専門サロン「水素座」の電柱広告。歌舞伎座横の通りに2本連続掲出している</figcaption></figure>
<div data-friday-nextpage-lead="再開発で無電柱化エリアが増えて…"></div>
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<p>細かいルールはあるが、その中でもいろいろなデザインの広告が生まれているのも事実。デメリットといえば、無電柱化エリアには電柱がないため、電柱広告が掲出できないことくらいだという。</p>
<p>しかし、八木さんによると、無電柱化エリアの増加は、それほど大きな問題ではないようだ。<span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">「再開発で</span><span class="strongInContent">無電柱化エリアが増えてきていますが、主な対象エリアは駅前や繫華街、新興住宅地などです。電柱はこうしたエリア以外にたくさん残っていますし、</span><span class="strongInContent">地元に根付いたご商売をされているお店のターゲットは一般の方なので、住宅街に掲出する方が認識される可能性が高くなります」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
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<p>住宅街の奥まった場所でコインパーキングを運営している利用者からは、「電柱広告を付けてから売り上げが3割上がった」という報告もあったという。生活範囲内に電柱広告があり、それを毎日のように頻繁に目にしていると、自然と脳に記憶されて、必要となった際に頼ろうと思うのだろう。</p>
<figure id="attachment_310861" aria-describedby="caption-attachment-310861" style="width: 4498px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="b1951316"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/6_2F3A7739.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-310861" class="wp-caption-text">「お店の近くに表札代わりとして電柱広告を付けたことで、近所の方から問い合わせや注文が入ったというお話もよく聞きます」</figcaption></figure>
<p>また、マーケティング・ブランディング戦略として電柱広告を使う企業もあるという。</p>
<p><span class="strongInContent">「”ジャック感”を出すために数本まとめて掲出されるお客様もいます」</span></p>
<figure id="attachment_310862" aria-describedby="caption-attachment-310862" style="width: 2000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5a3a3166"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/6394dbcee4a4debc0586499b2615e17c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-310862" class="wp-caption-text">大胆な看板広告戦略で八王子エリアの街の顔となったきぬた歯科。電柱広告以外の広告看板も多数掲出し、総数は300ヵ所以上にのぼるとか（株式会社東広提供）</figcaption></figure>
<p>こうしたケースで有名なのが、三重県伊勢市の赤福で、そのエリアをジャックするように電柱広告がズラリと並んでいる。単純接触効果で見る人に親近感を沸かせ、購買意欲を刺激する。まさに、広告のメリットを存分に発揮していると言えるだろう。</p>
<p>昔から代々続いているお店や業種によっては、<wbr></wbr>その地域に電柱広告を出すことが至極当たり前になっている。<wbr></wbr>しかし、そうではない業種の人にとっては、屋外の広告物にはいま<wbr></wbr>だ高価なイメージがあり、これをなかなか払拭できないのが目下の<wbr></wbr>課題だとか。</p>
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<p><span class="strongInContent">「電柱広告は、手軽に利用できる広告媒体なのですが、それがあまり知られていません。なので、少しでも多くの方に知っていただき、すでにご商売をされている方にも、これからお店を開く方にも、広告の入り口として使っていただきたいですね」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
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<p><a href="https://toko-ad.co.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><span class="strongInContent">■「株式会社　東広」</span>のHPはコチラ</a></p>
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WEBを中心にフリーライターとして活動。また、書籍や企業PR誌の制作にも携わっている。専門分野は持たずに、歴史・お笑い・健康・美容・旅行・グルメ・介護など、興味のそそられるものを幅広く手掛ける。

安倍川モチ子

川戸健治

街中に当たり前のようにある電柱広告。その存在は毎日目にしているが、実態はよくわからない。電柱広告はいつからあるのか？ 金額は？ 大きさは？　関東近郊の電柱広告を取り扱う代理店にうかがった。

「売り上げが3割アップ」するケースも…地味に130年の歴史！「電柱広告」が注目を集めているワケ

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