<figure id="attachment_311517" aria-describedby="caption-attachment-311517" style="width: 1333px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d2789159"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/pl-2013177568781.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-311517" class="wp-caption-text">問題発覚のきっかけはスポンサーとのやりとりだったという</figcaption></figure>
今月上旬、TBSラジオが公式サイトで謝罪するという出来事があった。氣志團の綾小路翔がパーソナリティをつとめる『俺達には土曜日しかない』の番組内で紹介したメールがスタッフの自作自演であったことが判明したというのだ。
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「問題になったのは4月22日に紹介されたラジオネーム『サキピさん(16)』からのメール。その内容に綾小路も大ウケしてその日の『ベストアンサー』になりました。ところがその賞品がスポンサーであるサントリーのアルコール飲料だったんです。スポンサーが『サキピさん』が未成年だったことで気を回し、番組に問い合わせたことから、自作メールだったことが発覚したんです」(制作会社スタッフ)
さらに内部調査をしたところ、同様のケースが13件あったことが発覚した。TBSラジオは日刊スポーツの取材に対して「本件につきましては番組スタッフが行った行為であり、パーソナリティの綾小路翔さんは一切関与するものではありません」と回答している。
Yahoo！に掲載されたこのニュースに対して「かつてのラジオ番組において、いわゆる〝仕込みハガキ〟というものが存在していなかった局はなかったと記憶しています」というコメントをしたのはコラムニストで同志社女子大教授の影山貴彦氏だ。影山氏はかつてMBSでテレビ、ラジオの制作に携わりラジオでは『MBSヤングタウン』も担当している。〝仕込みハガキ〟が当たり前、とはどういうことなのだろうか。影山氏に話を聞いた。
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「まず今回のTBSラジオの件ですが『架空のリスナーにプレゼントする』という行為は、業界的には昔からご法度です。無論、僕は一度もやったことはありません。今回の件はそれで発覚したのでしょう。
Yahoo！のコメントはあくまで過去形ということでさせていただきましたが、本当です。でも、それは番組のため、リスナーのためを考えてやってきたことです。そして、同じ〝仕込みハガキ〟の中にも罪が重いものと軽いものがあるんです。僕の中でやってはいけないものとしては、例えば『辛いです。明日にでも死にたい』といった深刻な悩みのハガキ。そういうハガキに対してパーソナリティは10分、20分と時間をかけて励ますわけです。リスナーも一緒になって励ます。なんやったら、次の週もそのハガキが来たりとか。それが実は仕込みでした、嘘でしたっていうのは、僕は絶対にやっちゃいけないと思うし、やったこともありません。僕の中での〝仕込みハガキ〟はもっと別のものです」
それでは影山氏はどういったものが正しい〝仕込みハガキ〟だったと考えるのだろうか。
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「僕の例じゃないですけど、中にはハガキが来ない時に、『○○さん応援してますよ～』というような、呼び水的に構成作家が書いた〝仕込みハガキ〟を紹介して、電話、FAXをくれるように呼び掛けることはあります。また、パーソナリティが今日は絶対にこういう話を喋りたいっていう時に、そのきっかけ作りとして、仕込みハガキを渡すこともあります。例えば『いつも遊ぶ○○くんがなんか塾に行き始めてて、最近付き合い悪くなりました』とか、いわゆる日常的なことをサラっと書いた〝仕込みハガキ〟を渡して、パーソナリティはそのハガキ読んだ流れで塾の話題を喋るとか」
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ラジオ番組が盛り上がるためのキーマンとなるのがリスナーの代表的な存在である「ハガキ職人」たちだ。そんな彼らの交通整理に使う場合もあるという。
「例えば、あるネタが面白いという風になってくると、同じような傾向のネタばかりになる。そういう時に、作家がちょっと違うアレンジのネタを軽く〝仕込む〟と、リスナーたちがそっちへ膨らましてくれる。そういうきっかけ作りです。僕が大いに作家と相談してやったっていうのはこれです。どうやっておもろいもん作ろうかっていうのは毎日必死で考えていましたね。それはラジオの時もテレビでやってた時も一緒ですよ」
〝仕込みハガキ〟のことはパーソナリティには知らせていなかった。それは知ることで番組の「空気感」が下がることを恐れたためだという。パーソナリティに〝仕込み〟だと気づかせないようにするため、その陰にはスタッフの知られざる努力もあったそうだ。
「〝仕込みハガキ〟はスタッフが自作しました。以前にお蔵入りになったボツハガキ、その中で鉛筆で書いてあるハガキを消しゴムで裏まで消して、新たに書くんです。すると消印もちゃんとあるので本当のハガキのようになる。FAXだって、場合によっては局内の別のところから送らせてました。ちっちゃいとこまで見たら、これ局内の番号やなってわかっちゃうけど」
〝仕込みハガキ〟一つにもそれなりに労力がかかっていたのだ。
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影山氏によると、今回のニュースに対する昔のスタッフたちのリアクションは「もうこんなんありえへんわ」というような声が多かったそうだ。しかし、あくまで〝仕込みハガキ〟で番組を作っていたことは、過去の話にしなければいけないと語る。
「リスナーの方はご存じないけれども、演出の範疇でやっていることは、結構ありますよね。だけど、コンプライアンスの時代になったからには、仕込みハガキはどこまで許されるのかっていうことも、考えなきゃいけない。全部ダメだって言われたら、従うしかないんです。やっぱり主役はリスナーですからね」
それでも、ラジオの歴史とともに〝仕込みハガキ〟が大事な役割を果たしていたことは確かなことなのだ。

問題発覚のきっかけはスポンサーとのやりとりだったという 今月上旬、TBSラジオが公式サイトで謝罪するという出来事があった。氣志團の綾小路翔がパーソナリティをつとめる『俺達には土曜日しかない』の番組内で

”ボツハガキ”を再利用し…TBSラジオ「ヤラセ発覚」で露呈した〝仕込みハガキ〟は当たり前の裏事情

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