<figure id="attachment_312631" aria-describedby="caption-attachment-312631" style="width: 2592px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f79aef6d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/PXL_20230519_024727725.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-312631" class="wp-caption-text">利根書店の買取センターには約40万本のDVDが山積みにされている</figcaption></figure>
<p>例えばあなたが亡くなってしまったとする。哀しみの中、力を振り絞って葬儀を乗り越えたあなたの妻や息子、娘たちがあなたの遺品を整理するために部屋を隅々まで調べる。すると…押し入れの奥から現れた段ボール箱。中には大量のいかがわしいDVDや雑誌が…。良き夫、良い父親だったはずのあなたの特殊な性癖にまみれた〝裏の顔〟に、遺族たちは悲しみもどこへやら、愕然とするばかり……。</p>
<p>そんな悲劇がおきないようにと、現在「男の終活」が叫ばれている。</p>
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<p>今さら説明する必要はないかもしれないが、終活とは人生の終わりのための活動だ。イメージしやすいのが「もしも」のときのために、葬儀やお墓のこと、遺産相続について決めておくことなど。だが、一部の男性にとってはそれらと同じぐらい大事で、潜在的な社会問題にもなっているのが、これまで溜めに溜めてこよなく愛したアダルト関連の”お宝”を処分する「男の終活」なのだ。</p>
<p>北関東を中心に29店舗を展開するセルビデオチェーン『利根書店』では今春から「男の終活」を積極的に呼びかけている。広報の亀井彬氏は次のように語る。</p>
<p><span class="strongInContent">「社内で情報を集めていたときに、『故人の遺品に大量のアダルトDVDがあったのだが、どうしたらいいか』という相談が月に４〜５件あるということがわかったんです。遺族としては簡単にゴミに出すわけにもいかないし、既存のリユース店でも引き取ってくれない店は多い。どう処分したらいいかわからないということでした。そこで死後に遺族が困らないよう、生前に自身でアダルトグッズを整理する『男の終活』をすることを呼びかけています」</span></p>
<p>亀井氏によれば、相談には以下のようなものがあったという。</p>
<p><span class="strongInContent">・「認知症のため施設に入る前に処分したい」（便利屋さんを通して相談）</span></p>
<p><span class="strongInContent">・「亡くなった父の遺品を整理していたら大量のアダルトDVDをみつけ、処分に困ってネットで見て電話しました」</span></p>
<p><span class="strongInContent">・「亡くなった兄弟のアパートに遺品整理でいったら大量のアダルトDVDがあった。処分したいのでどうすればいいか？」</span></p>
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<p>同店では持ち込みとネットでDVDなどの買い取りを行っている。買い取りには個人情報が必要となるため、個人情報を明かしたくない人は「処分」という形で引き取ってもらうことも可能だ。亀井氏によると、現時点で「男の終活」がどの程度行われているかはわからないという。持ち主が自身で買い取りや処分を依頼する場合、わざわざ終活だと断って持ち込む人はほとんどいないからだ。だが、暑中見舞いなどもくれる86歳の男性はおそらく手持ちを最小限にするために定期的にネット買い取りに出しているものと思われるし、「子供夫婦と同居するので処分したい」という60代男性もいたそうだ。さらにこんな例もある。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="〝店を開けるほど〟大量のDVDを持ち込む客も…"></div>
<p><span class="strongInContent">「ネット買い取りなので、ご本人が終活のつもりで処分したのかは不明ですが、約1万4000枚のDVDを買い取りに出した60代のお客様がいました。小さな店を開ける枚数ですよ（笑） 。もちろん当店での過去最高買い取り枚数です。量としては新品を仕入れるときの段ボールが１箱200枚入りですから、それが70箱ぶん。トラックをチャーターしないと運べません。買い取り額は公表できませんが、それこそ〝ひと財産〟ありました」（前出・亀井氏）</span></p>
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<p>DVD以外にも雑誌や書籍はもちろん、付録のDVDや同人誌なども買い取っている。訪れた深谷店の店内を見せてもらうと往年のレジェンド女優の写真集や『マドンナメイト写真集』など、80年代に流行った文庫判の写真集シリーズなど、「風俗遺産」と言っても差し支えのないお宝が並ぶ。DVDに関しては新品・中古合わせて10万本が並ぶが、数が多すぎて何が何やらという感想しかない。だが、そこがマニアにとっては大事なポイントでもある。</p>
<p>同店ではDVDの買い取り額は基本的に新しいほど高値がつき、さらに売れ筋女優やメーカーの商品にはさらに値段がつくというシステムとなっている。つまり個々の作品のレア度や実際の人気度に応じて値段付けされているわけではないので、まだ掘り出されていない状態の〝掘り出し物〟が多数眠っているともいえるのだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「実はAV業界も自主規制なのかもしれませんが、コンプラが厳しくなっています。東京オリンピックのあたりから、野外露出ものやバスツアーものなど、作られなくなったジャンルのものも多いんです。また、AV新法などの影響もあって業界自体が先細りしているため、昔の作品のほうが過激だったりします」（同前）</span></p>
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<p>またDVDというメディアそのものも、どんどん衰退しつつあるという。利根書店の客層も40代から60代が70％を占める。「若い人はDVDを見ない。だから当店もアダルトグッズなどの販売を増やしている」（亀井氏）のだそうだ。</p>
<p>VHSに関しては、もはや同店でも扱うことができないという。需要が少なすぎる上にゴミに出すにもお金がかかるので在庫がリスクになるからだ。いずれはDVDもそうなってしまうのかもしれない。</p>
<p>死後に家族をがっかりさせないために、そしてお宝がゴミになってしまう前に、一度〝男の終活〟を検討してみるべきかもしれない。</p>
<figure id="attachment_312632" aria-describedby="caption-attachment-312632" style="width: 2592px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c1846d47"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/PXL_20230519_012057380.MP_.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-312632" class="wp-caption-text">販売されるDVDの中にはパッケージを外して陳列されるものも。この中から目当ての１枚を探すのはまさに〝宝探し〟</figcaption></figure>
<figure id="attachment_312633" aria-describedby="caption-attachment-312633" style="width: 2592px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a96421c0"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/PXL_20230519_010337033.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-312633" class="wp-caption-text">DVD自体が売れなくなってきているため、店内には各種ラブグッズも</figcaption></figure>
<figure id="attachment_312635" aria-describedby="caption-attachment-312635" style="width: 2592px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2a5bf073"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/05/PXL_20230519_024733611.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-312635" class="wp-caption-text">買い取りで送られてくるDVDは土日明けの週初めがピークだという</figcaption></figure>


利根書店の買取センターには約40万本のDVDが山積みにされている 例えばあなたが亡くなってしまったとする。哀しみの中、力を振り絞って葬儀を乗り越えたあなたの妻や息子、娘たちがあなたの遺品を整理するため

家族を不快にさせない＆意外なお宝も…自分の死後に大量のアダルトDVDを残さない「男の終活」が話題

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