「打たれるべくして打たれて」7失点KO…楽天・田中将大「それでもローテを外れない」特殊事情 | FRIDAYデジタル

「打たれるべくして打たれて」7失点KO…楽天・田中将大「それでもローテを外れない」特殊事情

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今季はグラウンドでたびたび納得がいかなそうな表情をみせる田中(PHOTO:時事通信社)
今季はグラウンドでたびたび納得がいかなそうな表情をみせる田中(PHOTO:時事通信社)

5月31日にDeNAを7回1失点に抑え、田中が今季ようやく3勝目をあげた。3日前に1軍選手全員で宮城県仙台市内の焼肉店で決起集会が開かれチームの結束力が高まったためか、追いつかれた直後の7回に打線が勝ち越し。田中は低めへの丁寧な投球で、4月14日のソフトバンク戦以来の勝利を得た。試合後のお立ち台では、これまでの苦悩をにじませる。

「ふがいない投球が続いていたので、何としても勝つという気持ちだった。しんどかったですよ。しんどかったですね」

本人の言葉とおり、今季の田中は苦しいピッチングの連続。以下は、交流戦が始まるまでの田中の苦闘だ(成績も交流戦前のもの)ーー。

昨季までは勝ち星が少なくても充実した内容

5月12日の西武戦で5回を投げ4失点で降板。満を持して中10日空けた23日のオリックス戦でも、今季ワーストタイの被安打10、失点7で5回にKO。試合後、田中は「打たれるべくして打たれている」と反省の弁を語った。

「メジャーで活躍した田中は、’21年のシーズンから日本球界に復帰しましたが、ふくらはぎ奥の筋肉のケガなどで思うような成績を残せていません。昨年までの2年間は、いずれも2ケタ勝利をあげられませんでした。それでも田中の評価が高かったのは、投球内容が良かったからです。

’21年でいえば、先発として6回を3失点以内に抑えるクオリティスタートが23試合中17試合。チームトップの成績で、打線の援護に恵まれませんでしたが試合を作っていたんです。1イニングに何人出塁させたかを表すWHIPは1.03でした。これは最優秀防御率、最多勝、最多奪三振など投手部門のタイトルを総ナメにした、オリックスのエース山本由伸に次ぐリーグ2位の成績。防御率も同5位の3.01でした」(球団関係者)

ところが、今季は内容も良くない。

「クオリティスタートは、先発した8試合中わずか3試合。WHIPは1.37まで下がっています。1.20がエースの条件といわれるので、急落といってよい数字でしょう。防御率も4.37まで悪化しています」(同前)

24勝無敗だった全盛期(’13年)の成績を考えると、物足りなさを感じざるをえない。以前はメジャーの名門ヤンキースで6年連続2ケタ勝利をあげたという「偉大さ」で、打者を圧倒していたが威光にも陰りが……。それでも田中は、よっぽどのケガがない限りローテーションを外れることはないとみられる。

「理由は3つ考えられます。1つは当時ゼネラルマネージャー兼任だった石井一久監督が、〈東北でプレーしていただきたい〉と熱烈なラブコールを送り田中を獲得したことです。みずから動いた手前、なかなかローテから外しづらいでしょう。

2つ目が昨年までに日米通算190勝をあげている田中に、名球会入りの目安となる通算200勝が目前に迫っていること。3つ目は営業面のメリットです。楽天の中で田中は、岸孝之についでお客さんを呼べる投手ですから」(スポーツ紙担当記者)

交流戦での勝利でトンネルを抜けられるのかーー。田中の復活が本物かどうかは、これからの投球で決まる。

  • PHOTO時事通信社

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