5000個の駅弁を食べた男が厳選、東京駅で買える駅弁ベスト5! | FRIDAYデジタル

5000個の駅弁を食べた男が厳選、東京駅で買える駅弁ベスト5!

『マツコの知らない世界』でもお馴染みの櫻井寛氏に聞く

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

東海道新幹線をはじめ、各地へ向かう列車に乗るため、日夜多くの人が訪れる東京駅。その中で、特に人を集めているのが、駅中央通路にある駅弁販売施設「駅弁屋 祭」だ。ここでは、毎日200種類以上の駅弁を取り扱い、1日に平日で1万個もの駅弁を売り上げているという

「駅弁は味や中身だけでなく、掛け紙にも注目です。商品名や原材料のほか、その駅弁の由来や地元の観光情報なども記載されています。掛け紙を見てどんな弁当なのか想像しながら買うのも楽しいです。掛け紙は作り手のメッセージが込められているので、ぜひ読んでください」そう語るのは、鉄道写真家・櫻井寛氏。全国各地の駅弁を食べ歩き、駅弁のプロデュースなども手掛ける、「駅弁が主食」というほどの駅弁愛好家だ。

そんな櫻井氏に、「駅弁屋 祭」で販売している駅弁の中から、好きな駅弁トップ5を紹介してもらった。

5位 東京弁当(東京・東京駅) 1680円(税込)

“日本一の駅弁”を目指して2002年10月に誕生。東京の老舗の味を一つの折に詰め合わせた東京駅限定販売の贅沢な駅弁。「お品書き」を見ながらゆっくりと箸を進めてみたい。

「東京駅で限定販売されている東京駅のオリジナル駅弁が、その名も『東京弁当』。1914(大正3)年開業当時の東京駅を描いた掛け紙を外せば、江戸前の幕の内弁当が現れる。内容は、“魚久”のキングサーモンの粕漬け、“浅草今半”の牛肉甘辛煮、築地“すし玉青木”の玉子焼き、“日本ばし大増”の野菜のうま煮など老舗の味が並ぶ。これはまさに究極の幕の内弁当だ」(櫻井氏 以下同)

4位 えび千両ちらし(新潟・新潟駅) 1380円(税込)

ウナギ、コハダ、エビ、イカを敷き詰めて、上から玉子焼きをかぶせた、人気の海鮮系駅弁。「駅弁味の陣2017」で駅弁大将軍に輝いた実績も。

「『祭』で取り扱っている、海鮮系の駅弁の中ではトップの人気です! 玉子焼きをめくると中から豪華な具が姿を見せるという演出も楽しいですね。また、駅弁の掛け紙は取り外せて絵ハガキになるんです! こういったところにも作り手のメッセージが込めらているんですよ」

3位 牛肉どまん中(山形・米沢駅) 1250円(税込)

1992年、山形新幹線開業に合わせて発売された、山形を代表する駅弁。山形県産米「どまんなか」を使用し、特製のタレで味付けした牛肉をトッピング。

「しお味やみそ味、食べ比べができるものなど、いろいろな種類がありますが、私はやっぱり醤油味ですね! 牛そぼろと牛肉煮がのっているのですが、最初は牛肉煮を食べ、次に牛そぼろを食べます。その後にそれぞれを混ぜ合わせて、味の変化を楽しむのが私の食べ方です」

2位 鶏めし弁当(群馬・高崎駅) 980円(税込)

茶めしの上に3種類の鶏料理がのった、1934年発売のロングセラー駅弁。鶏肉のほか、赤こんにゃく、舞茸入り肉団子、栗甘露煮などのおかずも。

「掛け値なしにうまいのがこちら。90年近く愛されている弁当で、掛け紙も当時のデザインのまま。鶏のそぼろ、コールドチキン、照り焼きなどが楽しめます。これは、鉄道員だった私の母親から勧められた駅弁で、母の職場仲間の間でも人気だったとか。九州出身だった作り手の先代が、故郷のかしわ飯の味が忘れられず作ったそうで、甘辛い味付けが特徴です」

1位 海苔のり弁(福島・郡山駅) 980円(税込)

JR東日本が開催した、一般客からの投票で決まる「駅弁味の陣2018」で、最高賞・駅弁大将軍を獲得した駅弁。素朴な味ながら、各メディアや口コミでじわじわと評判が広がり、人気の駅弁に。(※「駅弁屋 祭」での販売は、金・土・日・祝のみ)

「地味なのり弁が最高賞を獲得したことに大きな意義があると思います。三陸海岸の海苔とそばつゆで味付けされたおかかが二段になっていて、さらにだし巻き卵に鮭と、日本人が一番好む味。食べたら絶対に『ウマい!』と言うはずです。この駅弁を作っている福豆屋の女将さんが、ご自身の母親ののり弁の味を再現したんだそうです」

東京駅「駅弁屋 祭」の詳細はコチラ

以上、櫻井氏による東京駅構内「駅弁屋 祭」の駅弁ベスト5、参考になっただろうか。目的地に向かう新幹線の中で、その土地の駅弁を食べながらこれから行く先に思いをはせるのも一興。櫻井氏によると、かつて400社以上あった駅弁マークでお馴染みの「日本鉄道構内営業中央会」のメンバーも、いまでは100社以下になってしまったという寂しい話も。日本の駅弁文化を守るためにも、これからもどんどん駅弁を食べていきたいものだ。 

櫻井寛(さくらい・かん) 1954年生まれ、長野県出身。旧国鉄勤務の両親のもとに生まれ、昭和鉄道高校、日本大学藝術学部写真科を卒業。世界文化社写真部勤務の後、フォトジャーナリストに。「鉄道世界夢紀行」(トラベルジャーナル)で第19回交通図書賞を受賞したほか、鉄道関連の著書多数。また「知識ゼロからの駅弁入門」(幻冬舎)や、漫画「駅弁ひとり旅」(双葉社)では監修を務めるなど、駅弁関連の著作も多い。2月は、東京・大阪のオリンパスギャラリーにて「櫻井 寛 写真展『ザ・カナディアン』」を開催予定。

「櫻井 寛 写真展『ザ・カナディアン』」の詳細はコチラ

  • 写真櫻井寛取材・文高橋ダイスケ

Photo Gallery5

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事