「危機管理の本質をまるで理解していない」…公邸忘年会問題であらわになった「岸田首相」の気の緩み | FRIDAYデジタル

「危機管理の本質をまるで理解していない」…公邸忘年会問題であらわになった「岸田首相」の気の緩み

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訪韓、G7サミットを終えて勢いづいていた岸田首相だが……(写真:鬼怒川毅)
訪韓、G7サミットを終えて勢いづいていた岸田首相だが……(写真:鬼怒川毅)

先日発売された『FRIDAY 6月16日・23日合併号』にて、首相公邸で開催された親族との「忘年会」に参加していた写真が掲載された岸田文雄首相(65)。

6月2日の朝には集まった記者団に対して

「公的なスペースで不適切な行為はなかった」

と答え、SNS上では、「聞かない力」「公私混同」と批判が集まった。

「G7広島サミットでは、ゼレンスキー大統領を招くなど外交手腕が評価された岸田首相だったが、今回の一件ですべて吹き飛んだ。何が起こるのかわからないのが、永田町だが、岸田政権では良くも悪くも想定外のことがよく起きる。今回の忘年会の報道をきっかけにサミットを花道とする退陣論に舵を大きく切るかもしれない」

自民党清和会のベテラン参議院議員はそう警戒する。

’22年には支持率が『危険水域』とされる30%を下回ったこともある岸田政権。広島G7サミットでの成功や日韓関係での一定の関係改善を受け、5月の世論調査の内閣支持率は上昇していた。

だが、『週刊文春』で、長男で首相秘書官だった翔太郎氏(32)ら親族が、公邸内の階段で「組閣ごっこ」をする様子や寝そべる姿などが報じられ、支持率が急落。28日発表のテレビ東京・日経新聞による世論調査では「支持する」が47%と5ポイントも落ちている。

当初は庇っていたものの、5月30日、翔太郎氏を首相秘書官から事実上更迭し、期末・勤勉手当(ボーナス)や退職手当を受け取らないと表明したが、その場限りの対応だとさらに批判を集める形になった。

「岸田首相は会見や答弁でよく『私的な居住スペース』と話していますが、公邸なので、自宅ではない。首相公邸は、有事の際にすぐ駆けつけられるように、官邸の隣に立地している。平時には親族を呼んでも問題はないが、あくまでも公的なスペース。総理の発言を振り返っても、ハシャギ過ぎたが、親族でご飯を食べただけなのにーー、という思いが透けてみえ、危機管理の本質をまるで理解していないのでは」

参院予算員会でこの問題を追及した田名部匡代参議院議員(53)(立憲民主党)はこう苦言を呈した。

このまま支持率が急落すれば「サミット花道論」の声も大きくなるだろう。東京都内の選挙区調整を巡って、公明党との関係は悪化したままで、「デジタル田園都市構想」を掲げる岸田政権の政策のキーであるマイナンバーカードでも、トラブルが続出している。

「今月21日の国会会期末まで野党に追及されることが予想され、支持率の回復は見込めない。自公両党でもめてはいるが、『東京以外に影響させない』と連立維持は合意されている。アキレス腱だった翔太郎氏を切ったことで解散へのフリーハンドを得たとも考えられる。記者団から、解散を尋ねられると即座に否定しているが……」(前述の自民党参議院議員)

日本でサミットが開催されると大きな政変が起こるーー。

永田町ではまことしやかにそう語り継がれている。サミット議長国としての実績で支持率を上げ、いつでも解散に踏み切れる、という考え方がある。

・1993年7月、東京サミット開催。同7月、宮沢喜一首相が退陣表明をすると、8月、細川連立政権が誕生し、政権交代となる。
・2000年7月、沖縄サミット開催。4月に小渕恵三首相が脳梗塞で倒れると帰らぬ人となり、森喜朗内閣が誕生。
・2008年7月、洞爺湖サミット開催。9月に福田康夫首相が突如、退陣し、麻生太郎内閣が誕生。

ただ、政変が起きなかったサミットもある。直近の2016年5月の伊勢志摩サミットでは、政変は起きなかった。安倍政権がサミットの実績を成果として、参院選に圧勝し、自民公明の両党で参院定数の3分の2を超え、政権を盤石なものとしたのだ。

しかし、翌’17年には東京都の小池百合子知事が「希望の党」を立ち上げ、旋風を巻き起こした。「排除発言」がなければ、自公大敗で安倍政権退陣があったかもしれない、と見られている。

日本でサミットが開催されると過去には大きな政局が巻き起こってきた歴史がある。想定外の出来事で政権運営が苦しめられたり、救われたりと千変万化する岸田政権。広島でサミットが開催された2023年はどちらに転ぶのだろうか。

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公邸で開かれた一族の忘年会で、家族ら総勢18名と写真に収まる岸田首相。後列には翔太郎氏の姿も。その全景を6月2日発売『FRIDAY』で詳報する
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岸田首相が政治資金パーティーで後援者に配った「サミットまんじゅう」(田名部匡代事務所提供)
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  • 取材・文岩崎 大輔写真鬼怒川 毅

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