宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。最近は、コメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中

佐々木 博之

<figure id="attachment_315375" aria-describedby="caption-attachment-315375" style="width: 2069px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f2993098"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/c444019f6943f981c8ccddcda7a328f1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-315375" class="wp-caption-text">動画で釈明した藤島ジュリー景子氏。ジャニーズ事務所とテレビ局の関係が問題視され……（オフィシャルHPより）</figcaption></figure>
時間が経ち、それより大きなニュースが報じられると、興味も薄れ、やがて忘れ去られる……。
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「そういえばアレどうなったんだっけ」
となるのが芸能ニュースの常だが、この問題はそう簡単に風化させてはならないだろう。ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏の『性加害問題』だ。
それほど時間が経ったわけでもないのに今ではかろうじてネットニュースニュースや一部週刊誌で報じられているだけで、この問題がテレビで取り上げられることはほとんどなくなっている。
そんな中で6月5日に、『ｎｅｗｓ　ｚｅｒｏ』（日本テレビ系）で月曜キャスターを務める『嵐』の櫻井翔が、初めてジャニー喜多川氏の問題について言及。涙を浮かべながら、
「ジャニーズ事務所は、話したくない人の口を無理やり開くことなく、しっかりとプライバシーを保護した上で、どのようなことが起こっていたか調査してほしい」
と話した。櫻井はこの問題に関して長らく沈黙を貫いてきた。
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葛藤があったのだろうと想像がつくが、彼にはもう一つ報道番組のキャスターという立場もある。だからこそ、その言動が注視されていたわけで、番組サイドが彼に発言を促さなかったことにも疑問が残る。事務所に対して忖度があったと見られても仕方ない。
記者会見で元ジャニーズJr．の岡本カウアン氏が語っていたように、ジャニーズ事務所と『週刊文春』の間で起きていた裁判についてテレビが報じていたら被害者は少なくて済んだかもしれない。やはりテレビの責任は大きいだろう。
<div data-friday-nextpage-lead="テレビ業界で進む〝世代交代〟が……"></div>
問題が表面化したことで、各テレビ局は、自局で放送しているワイドショーなどの番組内でMCやコメンテーターに発言させたり、特集番組を放送したり、社長定例会見でコメントを出すなど、様々な形でこの問題について言及したが、今のところ聞こえてくるのは反省の弁だけ。この問題をさらに追及する姿勢が見られない。
テレビ局が非難されたのはジャニーズ事務所への忖度が見てとれたからだが、では今後ジャニーズ事務所を含め芸能事務所との関係をどう改善していくのか、業界も世間もそこに注目している。
キー局で長年ジャニーズタレントを起用した番組制作に携わってきた元プロデューサーはこう語る。
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「テレビ局の忖度や事務所の圧力が問題視される前に、プロデューサークラスと事務所の癒着というのは当たり前のようにありました。そのうち事務所サイドもプロデューサーを抱き込むより、もっと上の人と仲良くなった方がいいと気づいて、編成局に食い込んだんです。
編成に言われたら現場は逆らうことができませんから……。その先鞭をつけたのがジャニーズ事務所だったと記憶しています。それでも当初はテレビの方が上だったかな」
それがいつの間にか芸能事務所の立場が上になっていったという。
「うちのタレントと競合するタレントは出演させるな」
「そのタレントを出すならうちは引き上げる」
「うちのタレントのスキャンダルを報じるなら、考えさせてもらいます」
などなど、事務所サイドからテレビ局に圧力が加えられているという話はもう何年も前から聞かれた鉄板話で、一般人の間でも普通に話題に上がっていたものだ。
「恥ずかしい話ですよ。でも今回、ジャニーさんの話が出たことはいい機会だと思います。これを機にジャニーズ事務所だけでなく芸能事務所との付き合い方を元に戻した方がいい。昔、日本テレビが渡辺プロダクション（以下、ナベプロ）と決裂した時のように、対等の立場で付き合えるようにね」
と元プロデューサーは続けた。
日テレとナベプロの間で起きた『戦争』とはーー。
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今はあいまいになってしまったが、テレビ界には、タレントは同時間帯に放送される裏番組には出演しないという漠然としたルールが昔からあった。タレントだけではない。同じ事務所のタレントが裏表に出るのもタブーとされていた。
‘73年、そのルールがきっかけとなり日テレが.ナベプロが激突したのだ。詳細は省くが、ナベプロの理不尽な要求を日テレは断固拒否して決裂。現在は関係修復しているが、テレビマンの間で語り継がれているエピソードだ。
今回の問題でテレビ局が非難の嵐に晒されてもそう簡単に変わることができるとは思えないが、テレビ局内部では若手を中心に、芸能事務所との関係を見直そうという動きがあるという。
「一例ですが昨年のことです。大手事務所所属のタレントがMCを務めるラジオ番組が急遽打ち切りになりました。原因はタレントのパワハラに耐えられなくなった制作スタッフの〝クーデター〟。パワハラはずっと前からあったようなのですが、前プロデューサーはタレントに遠慮して聞く耳を持たなかった。
ところが新しく担当になったプロデューサーはしっかり現場の声を聞いてくれて、これ以上番組を継続させることはできないと上に申し入れたそうです。上層部もこれまでなら事務所に忖度して、逆にスタッフを入れ替えたと思うのですが、それをしなかった。事務所に媚びる古い人達はまだいますが、〝事務所に忖度しない〟という若い世代への交代が確実に進んでいます」（キー局プロデューサー）
変わらなければならないのは対芸能事務所だけではない。対政治家、対スポンサーも同様だ。 
今がそのチャンスなのではーー。
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佐々木博之（芸能ジャーナリスト）

いまだ収まることを知らない、ジャニー喜多川氏の「性加害」問題。そんな中、ニュース番組に出演する『嵐』の櫻井翔は、今回の問題について初めて言及したが……

ついに『嵐』櫻井翔もコメント…ジャニー喜多川氏問題でテレビ局に迫られる芸能プロへの「忖度離れ」

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