創設者の女性を保護者が怒りの告発!西麻布「高級インターナショナルスクール閉鎖で」大トラブルの中身
「前払いした学費500万円を返してほしい!」
銀座の街を見下ろす眺望バツグンの会場に純白のドレスに身を包んだスタッフが集い、ハープの生演奏が響く――。
「昨年6月、シャネル銀座ビル最上階のレストランを借り切って卒業パーティーが開催されました。参加費は保護者が一人2万8000円、生徒も一人1万4000円。スクール創立者のリナ・ローズ氏も真っ白なドレスをまとって参加していました。キラキラ輝く、幸せな時間でした。あれから1年でこんなことになるとは、誰が想像できたでしょう……」(保護者のAさん)
六本木ヒルズ(港区)から徒歩10分、都内有数の高級住宅街・西麻布のド真ん中に地上2階・地下1建ての校舎を構えるインターナショナルスクール「X」。
生後3ヵ月から6歳までの子供およそ100名が通うプレスクールながら、学費は前払いで約500万円! 送迎車はベンツのワゴン、流行りのモンテッソーリ教育を取り入れ、プレ段階から語学に注力するスタイルと相まって、西麻布に進出した’15年当時は多くのメディアに取り上げられた。
「子供を『外交官』、先生を『大使』と呼び、『外交官』が様々な国の『大使』と国際交流をしながら学ぶというコンセプトも斬新でした。何より魅力的だったのが、創立者のローズさんです。シングルマザーとして子育てをしながら、プラダなど高級アパレルブランドでキャリアを積んだ彼女の経歴に共感して、子供を預けることを決めた保護者は少なくなかった」(保護者のBさん)
最先端の教育、ゴージャスな環境、国際感覚――希望に満ちた将来への投資として大金を払い、子弟を「X」に通わせたセレブたちは今年3月20日、突如、”夢”から醒まされた。
キラキラと輝いて見えた学び舎はもぬけの殻。「民事執行法に基づいて、明け渡しの強制執行が実施されました」と書かれた紙きれが一枚、エントランス付近に貼られていた。
保護者のCさんが憤る。
「強制執行について、事前に何の説明も連絡もありませんでした。その後、スクール側からメールが来て、仮校舎でXが再開することになったのですが、3階建ての民家で広さは以前の5分の1ほどになってしまった。
そのうち、仮校舎も使えなくなり、5月24日以降、Xは休止しています。『スクールの再開を延期する』という連絡がメールで届くのみで、前払いした学費500万円の返還交渉にも応じてもらえていない」
ほどなくして、保護者たちは衝撃の事実を知ることになる。
「弁護士を入れて調査してもらったところ、Xは家賃滞納で’17年にすでに校舎の明け渡しが決まっていたことがわかったのです。強制執行が今年3月になったのは、大家が『コロナ禍で生徒たちを追い出すのは忍びない』と善意で待っていてくれたから。スクールは窮状を保護者に隠していたばかりか、生徒の募集をやめず、高額の授業料を前払いで払わせ続けていたのです」
こうして、学校側と保護者との間で大トラブルが勃発した。
強制執行以降、姿を消しているというリナ氏の携帯へ本誌が電話するも応答なし。スクールのHPに残されていた問い合わせ用アドレスに質問文をメール送信したところ、以下のような回答があった。
「(質問状は)見ていないし、今後も確認することはありません。何か(記事)を出された場合、(記者たち)個人に対して必ず損害賠償請求する意向です」
リナ氏の代理人弁護士に電話するも、「すでに代理人を辞しています」とニベもなかった……。
生徒たちはいまも、宙ぶらりんとなったまま。Aさんら保護者は「リナ氏のような誠意のない人には、子供の教育にかかわってほしくない」と詐欺罪による刑事告訴を検討中だという。
子供たちのためにも、一刻も早い解決が望まれる。



『FRIDAY』2023年6月30日号より
PHOTO:濱﨑慎治(保護者集合写真) スクールのInstagramより(スクール外観)