<figure id="attachment_316690" aria-describedby="caption-attachment-316690" style="width: 764px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="be92f327"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/6d2943d8a068509a5888bc54b2ef4310.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316690" class="wp-caption-text">3月の世界選手権では圧巻の演技を見せた</figcaption></figure>
<p>今年3月にさいたまスーパーアリーナで開催された世界選手権で、日本の男子選手として史上初の2連覇を果たした宇野昌磨（25歳・トヨタ自動車所属）。</p>
<p>はやくも「宇野が来シーズン、どんなプログラムを見せてくれるのか」に注目が集まっている。キッカケとなったのは世界選手権後に彼が語ったこの言葉だ。</p>
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<p><span class="strongInContent">「自分のやりたいことが一つ成し遂げられたからこそ、過去に僕がもう一つ成し遂げたかったこと『表現者として自分の魅力は何か』を、自信を持って言えるスケーターになりたい」</span></p>
<p>2006年、トリノ五輪女王に輝いた荒川静香の「トゥーランドット」、2014年ソチ五輪で浅田真央が「奇跡の4分間」を演じたラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」、そして2018年平昌五輪で2連覇を達成した羽生結弦の「SEIMEI」。</p>
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<p>日本のスケート史を彩ってきた名スケーターたちには、老若男女に認知された代表的な演目がある。確固たる「実績」を残したいま、宇野もまた自身の代名詞となるプログラムをつくり上げようと模索しているのだ。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="夏にも新プログラムが"></div>
<figure id="attachment_316692" aria-describedby="caption-attachment-316692" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e93243a2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/483c745d2b1316c9c8a987b16578d4f2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316692" class="wp-caption-text">グランプリシリーズでも圧倒的な強さを見せた</figcaption></figure>
<p>5月19日、京都府宇治市で元世界王者ステファン・ランビエル・コーチが主宰する「チーム・シャンペリー」が、世界ジュニア選手権女王の島田麻央（14）ら若手有望株がそろう「木下アカデミー」との合同合宿を公開した。</p>
<p>宇野もこの合宿に参加していたが、陸上トレーニングでのオーバーワークのために公開日は練習を中止し、休養日に充てていた。メディアは貴重な取材機会を失う格好となったが、ランビエルコーチは<span class="strongInContent">「次のシーズンへの準備は始めている。新しい動きにチャレンジする中で身体が”びっくりした”状態となった。そのため、休みをとっている」</span>と説明した。</p>
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<p>宇野の新プログラムについて、ランビエルコーチは<span class="strongInContent">「夏には皆さんに新しい音楽を発表できると思う。新しい演目はまた違った昌磨の魅力が詰まっている。もう少し待っていてほしい」</span>と自信ありげに語った。</p>
<p>羽生のプロ転向、北京五輪王者のネーサン・チェン（24・米国）の休養を受けて、昨季の宇野は初めて、追う立場から追われる立場となった。</p>
<p><span class="strongInContent">「結果を出してトップで戦いたい。競技スポーツをやっている以上、より点数をもらえることを優先させるのは必要なこと」</span></p>
<p>昨季の宇野はフリーに4種類計5度の4回転ジャンプを組み込んだ高難度だが点が取れる構成を演じ抜いた。クワッドアクセル（4回転半ジャンプ）を武器に、シニア転向してきた18歳の新鋭、イリア・マリニン（米国）の挑戦を受けながら、グランプリ・ファイナル初優勝を含め、シーズンでは全勝。世界王者としての矜持を示した形だ。</p>
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<p><span class="strongInContent">「難しい年ではあったと思うんですけれども、その中でも自分がやるべきことを正確に見極めてしっかりできたかなと思います。やることを全てやれたな、というシーズンでした」（宇野）</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="あまりに厳しい「自己評価」"></div>
<figure id="attachment_316704" aria-describedby="caption-attachment-316704" style="width: 4589px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="906c877c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/7759119379576fb574b81e09a703b0f4.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316704" class="wp-caption-text">北京五輪後に鍵山優真（右）と</figcaption></figure>
<p>「やることはやれた」シーズンではあったが、自身の滑りには思うところもあった。その気持ちが世界選手権優勝直後の囲み取材で溢れた。</p>
<p><span class="strongInContent">「僕がスケートをやってきた上で求めているのは、結果以上に自分の演技を見返した時にいいなって思えること。この2年間、ジャンプは本当に上手くなりましたけど、スケーターとしてどうかと言えば、あまりいいとは思えない」</span></p>
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<p>優勝の喜びを聞こうと構えていたメディア側にとって、唐突感は否めなかったが、翌日の一夜明け取材で語った内容を聞いて、ようやく合点がいった。世界選手権前に見返した「ある映像」がこの発言の背景にあったのだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「GPファイナルの映像を見た時に、本当に『ジャンプだけだな』と思ってしまった。プログラムとして最低限やってるし、より効率的に体力を消耗しないように滑っているっていうのは、すごくいいことだとは思う。</span></p>
<p><span class="strongInContent">でも、『僕はこれがやりたかったのかな』っていうのも正直、見ながら感じるものがあった。（自分が）『もう1回見たい』とは思わない演技だった」</span></p>
<p>厳しい自己評価にも聞こえるが、それが宇野の偽らざる本音なのだろう。『トゥーランドット』『月光』『冬』『ボレロ』そして、今季の『Ｇ線上のアリア』。フィギュアの王道とも言える演目を見事に演じてきた宇野だが、こう断言している。</p>
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<p><span class="strongInContent">「自分が好きだと思えるプログラムにまだ出会えていない。プログラム自体が悪いのではなくて、僕にとって好きか好きじゃないかは、自分で『見たい』と思えるプログラムに完成させられたか。過去のプログラムで、それはまだ1度もない」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="「変わっていく」年に"></div>
<figure id="attachment_316712" aria-describedby="caption-attachment-316712" style="width: 3000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="edea09c4"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/c64ac33eeca582eedc9b64ca39376555.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316712" class="wp-caption-text">平昌五輪後の初々しい姿</figcaption></figure>
<p>宇野の理想像は、幼少期から憧れ続けてきた高橋大輔（37）だ。2010年のバンクーバー五輪では道化師を演じたフリー『道』で日本男子初の五輪銅メダリストに輝いている。</p>
<p>ファンのみならず自身の心も揺さぶられるような滑りを求め、宇野はこう決意をにじませる。</p>
<p><span class="strongInContent">「『表現』をずっとジャンプの二の次にしてきた。ジャンプのつなぎとして。ジャンプはこれからも頑張りたいと思ってますけど、表現というものもいい加減、ちょっと手を加えたい」</span></p>
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<p>既にアイスショーでは新たなエキシビション曲の『Come Together』を披露。男性の力強いボーカルに乗せたナンバーに、</p>
<p><span class="strongInContent">「僕はダンスものをあまりやってこなかったが、すごく踊るプログラムになっていて、過去に作ってきたプログラムの中でも結構好きな方かなと思っている。すごく手応えがある。これにより（難しい）ジャンプを入れてどうなっていくか」</span></p>
<p>と心を躍らせている。</p>
<p>5月に行われた名古屋市でのイベントでは、来季の抱負を込めた漢字に「新」を記した。</p>
<p><span class="strongInContent">「いろんな面で新たな挑戦をして、いろんなことが変わっていく年になるんじゃないかな。皆さんも変化を楽しんでいただければなと思います」</span></p>
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<p>8月から開幕する、人気漫画を題材としたアイスショー「ワンピース・オン・アイス」で主人公・ルフィ役を演じることも発表された。競技プログラム以外の面でも、どんな演技を見せてくれるのか――。シン・宇野昌磨の幕開けを待ちたい。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="すでに「王者の風格」も…！宇野昌磨の画像集"></div>
<figure id="attachment_316690" aria-describedby="caption-attachment-316690" style="width: 764px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="be92f327"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/6d2943d8a068509a5888bc54b2ef4310.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316690" class="wp-caption-text">3月の世界選手権では圧巻の演技を見せた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_316692" aria-describedby="caption-attachment-316692" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e93243a2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/483c745d2b1316c9c8a987b16578d4f2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316692" class="wp-caption-text">グランプリシリーズでも圧倒的な強さを見せた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_316704" aria-describedby="caption-attachment-316704" style="width: 4589px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="906c877c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/7759119379576fb574b81e09a703b0f4.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316704" class="wp-caption-text">北京五輪後に鍵山優真（右）と</figcaption></figure>
<figure id="attachment_316712" aria-describedby="caption-attachment-316712" style="width: 3000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="edea09c4"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/c64ac33eeca582eedc9b64ca39376555.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316712" class="wp-caption-text">平昌五輪後の初々しい姿</figcaption></figure>


共同通信（1・2枚目）アフロ（3・4枚目）

名実ともに日本スケート界をトップ選手として牽引する宇野昌磨（25）。彼の来シーズンのスローガンはずばり「新」。自分が心から好きになれるプログラムを目指し、歩み続ける。

「自分が好きだと思えるプログラムには、まだ出会えてない…」”シン・宇野昌磨”が語った「現在地」

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