<p>アスレチックス・藤浪晋太郎（29）のコントロールの悪さは相変わらずだ。</p>
<p>６月12日（日本時間）のブルワーズ戦で、藤浪は４番手として登板した。先頭打者を打ちとったものの、次のバッターへの４球目はインハイに抜ける暴投。２者連続で四球を与え、１アウトをとっただけで降板となった。14球中ストライクは５球という制球難で、防御率は11点台に落ち込んでいる（成績は６月13日時点）。</p>
<figure id="attachment_316831" aria-describedby="caption-attachment-316831" style="width: 1334px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9f983466"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/16c21f92dc3b095df0937ab94403b43b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316831" class="wp-caption-text">写真① 左腕が下がり過ぎ。腕を上げるまでの動作が大きくなりムダが出やすい。</figcaption></figure>
<p>藤浪がノーコンな原因はどこにあるのだろう。動作解析の専門家で筑波大学・体育専門学群准教授の川村卓（たかし）氏が語る。</p>
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<p><span class="strongInContent">「藤浪も制球の悪さを自覚していると思います。いろいろな人から、さまざまなアドバイスを受けたのでしょう。その影響で身体の動きに一貫性がなくバラバラになり、ボールを制御できていません」</span></p>
<p>藤浪のフォームを具体的にみていきたい。まず写真①。川村氏は、左腕が下がり過ぎているのが気になるという。</p>
<p><span class="strongInContent">「腕が下がっていれば、当然上げるまでの動作が大きくなります。動作が大きくなればムダも出てくる。藤浪と同じ長身のサイドスロー気味の右腕として参考になるのが、アスレチックスの守護神だったエカーズリーです。彼は腕の動きをコンパクトにしてムダを省き、左腕を早く上げていました。写真②の時点で、藤浪の左腕はもっと上にあるべきなんです」</span></p>
<p>藤浪の課題が多くみられるのが、写真③だという。川村氏が続ける。</p>
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<p><span class="strongInContent">「左肩が内側に入り過ぎています。その分、腕の回転が大きくなり身体から遠いところを回る。ボールは身体から離れるほど、コントロールしづらくなります」</span></p>
<p>写真④も不自然さが目立つ。</p>
<p><span class="strongInContent">「③まではサイドスローの動きなのですが、④では右ヒジが肩より上の位置にありオーバースローの動きになっている。動きがバラバラです。腰にしっかり体重が乗っていないので、上半身が突っ込み気味になっています」</span></p>
<p>フィニッシュの写真⑤について。</p>
<p><span class="strongInContent">「上半身の力で強引にボールを制御しようとしているため、身体が前方に流れています。上半身と下半身の動きに一貫性がなく、身体がスムーズに移動していないからです。このフォームを続けていると、故障のリスクもあるでしょう」</span></p>
<p>ドラフト１位で阪神に入団した藤浪は、プロ１年目から３年連続で２ケタ勝利をあげている。復活はできるのだろうか。</p>
<p><span class="strongInContent">「手足の長い藤浪は、160㎞を超える速球に角度をつけて投げられます。投手としての素質は大谷翔平以上でしょう。まずは、どんなタイプの投手になりたいかスタイルを確立するべきです。サイドスローでも良し、オーバースローでも良し。フォームに一貫性を持たせれば、メジャーでも２ケタ勝利をあげられるはずです」</span></p>
<p>制球難に苦しむ藤浪。復活のヒントは人からのアドバイスではなく、自身がなりたい投手の理想像にあるようだ。</p>
<h3>② グローブの位置がもっと上にあるべき。</h3>
<figure id="attachment_316832" aria-describedby="caption-attachment-316832" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7b887897"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/f699f0812eb0eb8b6489664cd5bc35e9.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316832" class="wp-caption-text">写真②　グローブの位置がもっと上にあるべき。</figcaption></figure>
<h3>③ グローブがもっとホーム側に出るのが理想</h3>
<figure id="attachment_316833" aria-describedby="caption-attachment-316833" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2b77eaab"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/eac8624da93aa35071d178879c611492.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316833" class="wp-caption-text">写真③　グローブがもっとホーム側に出るのが理想</figcaption></figure>
<h3>④ それまでサイドスローの動きだったのに、④ではオーバースローの形に。不自然な身体の移動で上半身と下半身がバラバラ。</h3>
<figure id="attachment_316834" aria-describedby="caption-attachment-316834" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="09de097a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/9da9636d685bb8860b5169ea85f985cd.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316834" class="wp-caption-text">写真④　それまでサイドスローの動きだったのに、オーバースローの形に。不自然な身体の移動で上半身と下半身がバラバラ。</figcaption></figure>
<h3>⑤ 上半身の力に頼り、⑤では身体が前に突っ込み気味に</h3>
<figure id="attachment_316835" aria-describedby="caption-attachment-316835" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="afcfc9a3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/198fded2368f8ede8670b24f7249bb52.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-316835" class="wp-caption-text">写真⑤　上半身の力に頼り、身体が前に突っ込み気味に</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2023年6月30日号より</p>


田口有史

アスレチックス・藤浪晋太郎のコントロールの悪さは相変わらずだ。制球難に苦しむ藤浪。ノーコンの原因はどこに……？原因はズバリこれです！フォームを専門家が徹底分析。

四球に暴投と大荒れ投球が続く…藤浪晋太郎のノーコン原因を「フォーム解析の専門家がズバリ指摘！」

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