<figure id="attachment_317177" aria-describedby="caption-attachment-317177" style="width: 2278px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3c768dc5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/052a308c07cae250f109f27e5f52f7e0.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-317177" class="wp-caption-text">オフに訪れたバリ島のホテルで。「インドネシアは経済成長が凄く、活躍次第で給料がハネ上がるから夢がある」</figcaption></figure>
<p>国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）のランキングは日本の20位に対し、インドネシアは149位と低迷。だが、そんな東南アジアの”弱小国”で、一人の日本人サッカー選手がスターになっている。</p>
<p>丸川太誠（たいせい）（26）――。広島県出身の丸川は、サッカーの強豪・広島皆実（みなみ）高から中央大へ進学した。大学では２つ先輩にスコットランドのセルティックで活躍する日本代表ＦＷ古橋亨梧（きょうご）（28）がおり、同期も上島拓巳（26、横浜Ｆ・マリノス）ら５人がＪリーグ入りした。対して、丸川は４年間で公式戦出場は１試合だけ。</p>
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<p>就職活動を経て野村證券の内々定を得たが、プロサッカー選手の夢を諦めることができず、’19年にヨーロッパの小国マルタ１部リーグでプロキャリアをスタート。’21年２月にラトビアに新天地を求めたが、チームのゴタゴタで１ヵ月で契約解除。直後にＳＮＳでコンタクトしてきたインドネシアの代理人を頼って現地に乗り込むと、人生が一変した。</p>
<p><span class="strongInContent">「マルタ時代は生活するのでギリギリのサラリーでした。アマチュア気分のままインドネシアの空港に着いたら、すぐに記者に囲まれて、写真を撮られて……。″６大会連続でＷ杯に出場しているサッカー先進国の日本から助っ人が来る″ってって、現地で話題になっていたんです」</span></p>
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<p>鳴り物入りで入団した<span class="strongInContent">″</span>日本人助っ人<span class="strongInContent">″</span>は、’21～’22年シーズンにインドネシア１部リーグのペルセバヤ・スラバヤで32試合17ゴール10アシストの大活躍。リーグの年間最優秀選手にも選出され、移籍前は１０００人ほどだったインスタグラムのフォロワーは一気に40万人を超えた。</p>
<p><span class="strongInContent">「もともと僕はドリブルが好きで点取り屋タイプではないのですが、海外では点を取らないと評価されないし、良いパスを出しても味方が決めてくれず何度もアシストを逃していたので、それなら自分で決めちゃえと思ってシュートを打っていたら17点も取れた」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="ＰＳＩＳスマランへ移籍"></div>
<p>昨年、ＭＶＰという実績を引っ提げてＰＳＩＳスマランへ移籍。サラリーは倍以上になり、Ｊ１の強豪クラブのレギュラー並みの年俸を得るまでになった。</p>
<p><span class="strongInContent">「自宅は外国人などが住むエリアにある一軒家で、玄関までにセキュリティが２ヵ所あります。部屋は寝室が３つ、トイレが２つ。休みが２日以上あれば、バリ島などのリゾート地に行ってのんびりしています。日本にいたらこんな生活は絶対に無理でした。おかげでこのオフ、付き合っていた彼女と結婚できました」</span></p>
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<p>丸川の活躍で、ブラジル人などに比して年俸の安い<span class="strongInContent">″</span>高コスパ<span class="strongInContent">″</span>日本人助っ人に注目が集まり、昨季終了時にはインドネシア１部リーグに７人の日本人選手が所属していた。</p>
<p>ただ、インドネシアに行けば誰でも活躍できるかといえば、そう単純ではない。スタジアムや練習場のピッチは芝がボコボコ。気温は一年中高く、何より「サポーターがアツすぎて、メンタル的にも相当タフじゃないと続かない」と丸川は言う。最大６万人超が集まるスタジアムでは常に怒号が響き、発煙筒が焚かれ、サポーター同士の争いも絶えない。</p>
<p><span class="strongInContent">「ダービーマッチなど重要な試合では投石で窓が割れると危ないので、護送車のような窓のないバスでスタジアム入りすることもあります。試合に負けたら基本的に外出は自粛です。活躍できないとヤバい（笑）。現地の人の多くはイスラム教徒で、アルコールが飲めないはず。つまり、酒に酔って暴れているわけではなく、サポーターは大マジメで勝負にアツくなっているんですよ……」</span></p>
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<p>インドネシアでスターとなった丸川のもとには、非公式ながらＪリーグのクラブから獲得の打診があったが、「インドネシアのほうが条件が良かったから、断りました」と丸川は笑う。</p>
<p><span class="strongInContent">「Ｊリーグに行くのは昔から夢だったので、どこかでそういうタイミングがあったらうれしいですけどね。東南アジアのほかの国に行くのもいい。ＡＦＣチャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）に出て、Ｊリーグに行けなかった僕がＪリーグのクラブを倒したら面白いですね」</span></p>
<p>丸川の「逆転人生」、もうすでに劇的ゴールの予感しかない！</p>
<figure id="attachment_317178" aria-describedby="caption-attachment-317178" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="49846929"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/68a8444eebb62ec0ec755e5f9cfdd633.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-317178" class="wp-caption-text">インドネシアのプロリーグ発足は’94年。国技のバドミントンを上回る人気で、盛り上がりはアジアトップ</figcaption></figure>
<figure id="attachment_317176" aria-describedby="caption-attachment-317176" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="fe62c640"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/06/85f161354bd2026a98a1fc9482961f1c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-317176" class="wp-caption-text">’23～’24シーズンは７月開幕予定。インドネシア３年目となる丸川は今季も得意のドリブルで活躍できるか</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2023年6月30日号より</p>


栗原正夫

丸川太誠氏提供

ＦＩＦＡランキングで東南アジア"弱小国"のインドネシアで、日本人サッカー選手"丸川 太誠"が大活躍！夢を諦めなった彼は、逆転人生でスターへ。

《日本人助っ人》丸川太誠Ｊリーガーになれなかった男がインドネシアでMVPを獲るまで

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