「特別編」も放送される木村拓哉主演の月9ドラマ『風間公親-教場0-』 劇場版に期待が集まるワケ | FRIDAYデジタル

「特別編」も放送される木村拓哉主演の月9ドラマ『風間公親-教場0-』 劇場版に期待が集まるワケ

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月9ドラマ『教場』で好演を見せる主演の木村拓哉。映画化にも期待がかかるが……
月9ドラマ『教場』で好演を見せる主演の木村拓哉。映画化にも期待がかかるが……

木村拓哉が主演する開局65周年特別企画『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)の最終回が6月19日に放送され、世帯平均視聴率10.6%。26日には『特別編』の放送も決定。映画化を期待する声も高まっている。

今作は、ミステリー界を席巻した警察学校を舞台にした長岡弘樹氏の同名小説が原作。’20年の正月、二夜連続で放送され平均視聴率15%台。翌年の正月には『教場II』も放送され世帯平均視聴率13%台を記録。白髪頭に義眼の冷酷な教官・風間公親を木村拓哉が演じ、新境地を切り開いている。

「『教場』『教場II』の頃から、『木村さんと一度、共演したい』と希望する若手俳優が数多く出演していましたが、今回の連ドラにも赤楚衛二、新垣結衣、北村匠海、白石麻衣、染谷将太といった主役クラスの若手俳優が集結。さながら『木村教場』の感すらありました」(ワイドショー関係者)

そんな中、今回注目を集めていたのが『教場II』のエンドロール後に突然現れた〝5分間の惨劇〟の伏線回収。ネオン管の怪しい光の中で繰り広げられる暗闘によって右目だけでなく心も失う惨劇の顛末が第6話で明らかになると、意識不明に陥っていた遠野刑事(北村匠海)の安否を心配する声が寄せられた。

しかし第10話で遠野の容態が急変。中込(染谷)の指導を終え、病院に駆けつけるも時すでに遅し。息を引き取った遠野に別れを告げると、風間は剣道着に着替え、狂ったように木刀を振り下ろしへし折るも、なお暗闇の中に立ち尽くし失った右目から涙を流す。この〝無言劇〟には、風間公親を演じる木村拓哉の覚悟を見た。

しかし今回の『風間公親-教場0-』。「連続ドラマで、風間公親をやることは不可能だ」と考えていた木村が、なぜ「連ドラ」、しかも『月9』枠で放送することにゴーサインを出したのか。

そこには、今作でプロデュース・演出を務める中江功との30年に及ぶ、〝師弟関係〟にも似た太い絆があった。

「木村は’94年『若者のすべて』で初めて中江監督作品に出演すると、その後も’97年『ギフト』、’98年『眠れる森』、’02年『空から降る一億の星』、’04年『プライド』に主演。中江監督と数々の伝説を打ち立ててきました。

今作の連ドラ化にあたり『僕は中江教場で育ってきた人間ですから、中江さん本人から説明と熱意を受けて〝お願いします〟という形になりました』『高いクオリティを求める監督ですから、そこに対する緊張感は毎日あります。その気持ちの良い緊張感の中でワンカットワンカット進んでいるので、非常に充実しています』と話していました」(前出・ワイドショー関係者)

中江は、倉本聰脚本のドラマ『北の国から ’89帰郷』で助監督を務め、演出家としてのキャリアをスタートさせた。中でも昨年映画化された、吉岡秀隆主演『Dr.コトー診療所』は代表作のひとつ。特に、’03年に放送された連続ドラマ『Dr.コトー診療所』における過酷な撮影ぶりは、今や伝説として語り継がれている。

「与那国島での最初の撮影は二月にも及び、『この島に来て、変なものは撮って帰れない』と心に期するものがある中江監督は〝欲しいところに雲がない〟〝風が強い〟といった理由で撮影をしばしば止め、中々OKを出しません。そのためスケジュールは押しに押し、しまいには小林薫さんに呼び出され『雲と役者とどっちが大事なんだ』『黒澤明じゃないんだから』と詰め寄られる始末。

それでも『とにかく1話が出来上がるまで、待ってください』と言って粘りに粘った。そのせいで泣いて帰ったスタッフは1人や2人ではありません。しかしそんな執念が実り、第1話の出来上がりが素晴らしかった。それ以来、スタッフや俳優陣は納得して、撮影に参加するようになりました」(制作会社プロデューサー)

撮影に対する中江監督の直向きな姿勢が、木村拓哉の役者魂を揺さぶったのか。〝ダークヒーロー〟を演じる今作は、50歳を迎えた木村にとっても新たな挑戦の幕開けとなった。

そして迎えた最終回。エンドロール終わりのラストシーンで、『教場II』の〝5分間の惨劇〟に勝るとも劣らない衝撃が待ち構えていた。

「警察学校にやって来た風間が花壇の前に佇んでいると、ただならぬ気配を感じて振り返る。するとそこに、かつて風間に逮捕された連続殺人犯の十崎(森山未來)が千枚通しを持って立ち、『妹はどこだ?』と問いかける。この背筋も凍るような結末にネット民も騒然となりました」(制作会社ディレクター)

最終回の一週間後に放送される「特別編」は、これまでに起こった事件や風間と5人の新人刑事たちのエピソードを振り返るのがメイン。衝撃のラストシーンの伏線回収劇が劇場版で描かれる可能性は十分にある。その根拠となるのが、ラスボスとも言える十崎波琉を演じる俳優でダンサーの森山未來の存在にある。

「’10年に放送されたドラマ『モテキ』(テレビ東京系)は各賞を受賞、映画も大ヒット。’19年の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』では、古今亭志ん生の若かりし頃を演じて絶賛されました。

日本アカデミー賞だけをみても新人俳優賞を皮切りに優秀主演男優賞、さらに三度優秀助演男優賞を受賞。その森山が見せ場もないまま終わるなら、〝森山未來の無駄遣い〟と言われても仕方がない。是非、風間公親と十崎波琉の対決を大きなスクリーンで観てみたいものです」(前出・プロデューサー)

’21年の東京オリンピックの開会式で、圧巻のパフォーマンスを披露して魅せた森山。木村拓哉にとっても相手に不足はあるまい――。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版中

  • PHOTO原 一平

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