プーチンの逆鱗に触れ暗殺の噂も…ロシア軍に反乱プリゴジン「国民人気の上昇で抱く」戦慄の野望 | FRIDAYデジタル

プーチンの逆鱗に触れ暗殺の噂も…ロシア軍に反乱プリゴジン「国民人気の上昇で抱く」戦慄の野望

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モスクワ南部約200kmの地点まで「ワグネル」を進撃させたプリゴジン氏(PHOTO:ロイター/アフロ)
モスクワ南部約200kmの地点まで「ワグネル」を進撃させたプリゴジン氏(PHOTO:ロイター/アフロ)

〈過失を犯した者たちの責任を問うための行動だった〉

2日近くも消息を絶っていた民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏(62)が、通信アプリ「テレグラム」で突然約11分間の声明を公開したのは6月26日のことだ。声明でプリゴジン氏は、23日にロシア軍への反乱を宣言し首都モスクワ南部約200kmの地点まで迫った理由をこう説明した。

〈クーデターではない。過ちを犯した者を裁くためだ〉

しかしプリゴジン氏は、たった1日でモスクワへの進軍を停止。消息を絶ち、隣国ベラルーシへ出国したと思われる。

「『ワグネル』は中東やアフリカにも転戦し、集団処刑や児童誘拐などロシア正規軍ができない『汚れ役』を担ってきました。ウクライナ戦線でも一定の戦果をあげています。一方で殺害や強姦など重大事件を犯した受刑者を登用し、暴走するような一面もあった。

ロシア国防省は今年6月、すべての志願兵に同省と契約するよう命じます。プリゴジン氏は〈軍を適切に管理できない〉と激しく反発。〈過ちを犯した者〉とする同省による制御と自身の影響力低下を嫌い、反乱に打って出たのでしょう。しかしロシア軍内に共鳴する動きが想定したより小さかったため、矛を収めたと思われます。目測を誤ったんです」(全国紙国際部記者)

〈国を裏切った裏切り者〉

突然の武装蜂起は、プーチン大統領としては顔に泥を塗られたようなものだ。6月26日にテレビ演説を行い、プリゴジン氏を名指しこそしなかったものの、「ワグネル」の行動を〈首謀者は国や国民を裏切った。分裂を企てた犯罪行為〉と怒りをあらわにした。

「プーチン大統領は、自身の無力ぶりを国内外に晒されてしまいました。かつては盟友だったプリゴジン氏へは、はらわたが煮えくりかえる思いでしょう。『ワグネル』は7月1日に解体されることが決まっていますが、創設者であるプリゴジン氏は暗殺など粛清の憂き目にあうかもしれません」(同前)

一方でプリゴジン氏が暗殺される可能性は低いとみるのは、ロシア情勢に詳しい筑波大学名誉教授の中村逸郎氏だ。

「ベラルーシへ亡命した時点で、プーチン大統領はプリゴジン氏へ手出しできる可能性が低くなりました。(ベラルーシの)ルカシェンコ大統領が、全力でプリゴジン氏を守ると思われるからです。これまで両者は、プーチン大統領にいいように使われてきました。お互いが協力することで利害関係が一致。今後はプーチン大統領の支配下から脱しようとするでしょう」

ロシア当局の腐敗を暴くプリゴジン氏は、国民からの人気が高まっている。中村氏は26日のプリゴジン氏の声明から、彼が抱く野望がうかがえると語る。

「声明の中で、プリゴジン氏は〈たくさんの人に知ってもらいたい〉と話しています。つまり『目立ちたい』ということです。軍人が目立つ手段は戦果をあげることでしょう。しかし『ワグネル』が解体することで、プリゴジン氏は軍人として役割を転換させたのだと思われます。

次に彼が目指すのは政治家として『目立つ』ことです。今回の事件で国内外へ自身の存在感をみせつけました。ロシアでは今年9月に統一地方選挙、来年3月には大統領選があります。国民からの圧倒的な支持を後ろ盾に、影響力の低下したプーチン大統領に代わり自身がロシアの『皇帝』になろうとしているんです」

プーチン大統領に反発し、あからさまにキバをむいたプリゴジン氏。今回の武装蜂起は、野望実現への第1歩なのかもしれない。

  • PHOTOロイター/アフロ

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