<figure id="attachment_318980" aria-describedby="caption-attachment-318980" style="width: 4437px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ad52128e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/836ce4cb53a7f7d89a235eba7ad61aaa.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318980" class="wp-caption-text">ワグネル創設者のプリゴジン氏</figcaption></figure>
<p>はたして狙いは何だったのか――。</p>
<p>6月24日、ウクライナ戦線の前線にいたはずの民間軍事会社「ワグネル」の創立者・プリゴジン氏が突如兵士らと反転。ロシア南部ロストフナドヌーの軍事拠点を占拠し、一時首都モスクワまで200㎞のところまで兵を進めながらもベラルーシへと逃亡している。</p>
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<p>また、ロシアの有力紙「モスクワ・タイムズ」は28日、ロシア軍で副司令官を務めているスロビキン大将がこの反乱に関与したとして逮捕している。事態は混迷を極めている状態だ。</p>
<figure id="attachment_318981" aria-describedby="caption-attachment-318981" style="width: 6000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="59a56306"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/85aacb79b410c2e82a231ce2ce139f3a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318981" class="wp-caption-text">反乱に関与したとして拘束されているスロビキン副司令官</figcaption></figure>
<p>多くの謎を呼んだ「プリゴジンの乱」であるが、国際ジャーナリストの山田敏弘氏は、この一連の流れはプーチン大統領の自作自演である可能性も捨てきれないと語る。</p>
<p><span class="strongInContent">「ロシアほどの国であれば、『プリゴジンの乱』は、本来、速やかに止められたのにそれをしなかったように映ります。プリゴジン氏が反乱の前から国防省に噛み付いていたのも、プーチン大統領の意思だと考えられます。</span></p>
<p><span class="strongInContent">軍部が力を持つと、クーデターのリスクも高まります。そうなる前に、軍部の権力を削いでおきたい。ワグネルはモスクワまで200キロの地点まで悠々と進軍しています。これを許した軍部は、何をしていたのかという話になります。当然国内外からのイメージが悪くなり、発言力は弱まります」</span></p>
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<p>プリゴジン氏は5月の時点から、ショイグ国防相、ゲラシモフ総司令官ら、ロシア軍の上層部を痛烈に批判していた。この状況下でプリゴジン氏を泳がせていたのも、あえて軍部を混乱させたいというプーチン氏の思惑が働いていた可能性もある。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="「袋小路に追い詰められた」も同然"></div>
<p>だが、盟友に裏切られ、軍部も機能していないとなれば、プーチン大統領自身の影響力も低下するのではないか。反転攻勢を強めるウクライナにとって追い風になるだけでなく、自身の権力基盤も危うくなるはずだ。そこで考えられるのは、プーチン大統領自身が現在の立場への執着がないのではということだ。山田氏が続ける。</p>
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<figure id="attachment_318983" aria-describedby="caption-attachment-318983" style="width: 6000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e1cec656"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/e28f3e87d2e4991c8a53765052ceb02d.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318983" class="wp-caption-text">飼い犬に手を噛まれたのではなく、噛ませた可能性もある</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「私は、プーチン大統領は表舞台からの退場をしたいのでは、と見ています。つまり、引き際の準備です。2024年には、ロシアで大統領選挙が行われます。ここで後継者を指名し、一線を退きたいのではないでしょうか。ウクライナとの戦争が仮に失敗に終わっても、途中で『プリゴジンの乱』があったからだ、とプリゴジン氏に責任を追わせられます」</span></p>
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<p>プーチン大統領を悩ませているのは、単にウクライナ戦線の状況だけではない。ロシアを取り巻く外交と経済の状況も一変しているのだ。</p>
<figure id="attachment_318985" aria-describedby="caption-attachment-318985" style="width: 6000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8bd599b9"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/9e461a4480e01b5ff089682b595fbe15.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-318985" class="wp-caption-text">プリゴジン氏はかつてから軍部への批判を強めていた</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「フィンランドがNATOに加盟し、スウェーデンのNATO加盟の協議も始まりました。NATOが北欧にまで拡大してしまったのは、外交としては大失態です。加えて経済政策もより厳しくなり、西側から物資が入ってこない。インフレにもなって、国内の優秀な人材も海外へと流失していきます。</span></p>
<p><span class="strongInContent">ロシアが国力を落としていく中、プーチン大統領もスムーズに身を引くためのプランを用意していてもおかしくない。今回の反乱もその一端であり、自作自演である可能性も捨てきれない」</span></p>
<p>戦争が長期化していく中で、事態の幕引きはより困難化している。大統領がすべてを投げ出し退場、というシナリオもあり得るのか――。</p>


アフロ

多くの謎を残した「プリゴジンの乱」。国際ジャーナリストの山田敏弘氏は、一連の流れはすべてプーチン大統領の「自作自演」である可能性が高いと語る。その狙いとは、いったい何なのか――。

プーチンは「退場」を望んでいる…！大規模反乱「プリゴジンの乱」自作自演説を検証する

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