〈虫けらのように潰される〉…プリゴジンは消息不明「『ワグネル』解体が招く」ロシアの悲劇的な末路 | FRIDAYデジタル

〈虫けらのように潰される〉…プリゴジンは消息不明「『ワグネル』解体が招く」ロシアの悲劇的な末路

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たびたびロシア軍上層部を痛烈に非難してきたプリゴジン氏
たびたびロシア軍上層部を痛烈に非難してきたプリゴジン氏

〈(ロシアの民間軍事会社)『ワグネル』の戦闘員はウクライナ戦線へ送らない方針だ〉

6月30日、ロシア紙『ベドモスチ』は同国の国防委員長がこう声明したと報じた。ロシア大統領府は「ワグネル」を解体するとも表明。〈ロシアはすべての問題を克服し、ますます強くなっている〉と胸をはった。

ロシアが克服したとされる〈問題〉ーー。

6月23日に「ワグネル」創設者プリゴジン氏が突然SNSに〈悪事を止めなければならない〉と投稿し、ロシア軍へ起こした反乱に起因する一連の騒動だ。不意打ちを食らったロシア軍は兵士へ呼応しないよう呼びかけるが、「ワグネル」との衝突で軍用機7機が撃墜され10人以上が戦死したといわれる。「ワグネル」は首都モスクワの南約200kmまで進撃。だが、反乱は突然頓挫する。

プーチン大統領の顔に泥を塗った

「沈黙を守っていたプーチン大統領が『裏切りだ』と痛烈に非難し、鎮圧に乗り出す構えを見せたからです。同盟国ベラルーシのルカシェンコ大統領は、プリゴジン氏を電話で忠告。〈虫けらのように潰されるぞ。よく考えろ〉と翻意を促したといわれます。

ルカシェンコ大統領の説得を受け入れたプリゴジン氏は、決起翌日の24日には撤収を発表。ベラルーシへ事実上『亡命』したと思われますが、消息は不明で正確な所在はわかっていません。突然の武装蜂起でプーチン大統領の顔に泥を塗ったのですから、ただでは済まないでしょう」(全国紙国際部記者)

なんとかプリゴジン氏の反乱を抑え、当局が誇示するように〈すべての問題を克服〉したかにみえるプーチン大統領。しかし「ワグネル」を解体しウクライナ戦線に送らないと決めた方針が、ロシア軍を壊滅的な末路に導くという。ロシア情勢に詳しい、筑波大学名誉教授の中村逸郎氏が解説する。

「ウクライナとの戦闘で、最も戦果をあげていたのは『ワグネル』です。理由の一つが、彼らが持っていた最新鋭の武器にあります。『ワグネル』は正規軍ではありません。ロシア当局も、存在を正式には認めていない。そのため殺人や強姦など、重犯罪を犯した受刑者を登用するなどやりたい放題なんです。

武器に関しても同様のことがいえます。プリゴジン氏が公言しているように、『ワグネル』はウクライナで米国製の最新兵器を買いあさっていました。敵国から武器を購入するなど正規軍では考えられないことですが、民間の『ワグネル』はできた。『ワグネル』の解体は、最新武器を備えた精鋭部隊を失うことにもなります。旧式の装備が多いロシアの正規軍は、今後ウクライナ軍に撃破され悲劇的な結果を招くことになるかもしれません」

「ワグネル」を存続させれば威信に手痛い傷がつき、解体すればウクライナ戦線での壊滅につながるーー。プーチン大統領は「プリゴジンの反乱」で、大きなジレンマを抱えることとなったのだ。

  • PHOTOELEGRAM/ @concordgroup_officialクレジット:AFP=時事

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