中国人のパワーに圧倒! 池袋・大久保超えの「ガチ中華」…大阪・門真の「中国朝市」完全攻略法 | FRIDAYデジタル

中国人のパワーに圧倒! 池袋・大久保超えの「ガチ中華」…大阪・門真の「中国朝市」完全攻略法

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日曜早朝だけの「中国朝市」!

「中国朝市」ヘビーユーザーの猫田が徹底解説!
「中国朝市」ヘビーユーザーの猫田が徹底解説!

大阪・門真に日曜早朝だけ現れる〝中国朝市〟を知っていますか? 通り沿いの一角に屋台が並び、中国語が飛び交い、中国人が豚の頭や鴨首なんかをビニールに大量に詰めて歩く姿が見られ…。日本とは思えない光景です。これが20年以上毎週続いているんですが、どうも最近雑誌に載ったりウェブで書かれたりして、けっこう有名になってきたよう。日本人の若い女子たちが映え写真撮ったりする姿も見られ、ケッ。と思います。

しかしこの朝市、なんせ店員も客も中国人なので、生半可な日本語なんて通じません。初めて訪れると「これ何?」「どうやって買うの?」「どうやって食うの?」という疑問だらけで、中国人の熱気に気圧されてまともな買い物もできずに惨敗…ってこともよくあります。

そこで、20年前から中国朝市に出向き、中途半端な中国語まで喋れる私・猫田しげるが、どこにも書かれていない中国朝市徹底攻略法をお伝えしようと思います。

「中国朝市」ヘビーユーザーの猫田が徹底解説!

大阪駅発の36番「地下鉄門真南行き」の「安田」で降りれば徒歩4分
大阪駅発の36番「地下鉄門真南行き」の「安田」で降りれば徒歩4分

まずアクセス。どの駅からも遠く、強いて言えば「JR学研都市線鴻池新田」「地下鉄鶴見緑地線門真南」というマニアックな駅から歩いて20分ほど。しかし、まさかのバスが一番便利です。大阪駅発の36番「地下鉄門真南行き」の「安田」で降りれば徒歩4分(しかも210円)。ただし50分ほどバスに乗りますが。

車で行くのはオススメできません。路駐がひどいためパトカーが横付けして見張っており、そっこー捕まります。

おまわりさん、「注意しても注意してもイタチごっこやねん」とぼやいていました
おまわりさん、「注意しても注意してもイタチごっこやねん」とぼやいていました

そして営業時間です。早朝5時〜正午くらいまで店が出ていますが、モノが揃うのは8時頃がピークでしょうか。10時過ぎるといろいろ売り切れ、活気もなくなっています。

中国朝市でまず目指すべきは、屋台の朝ごはん(早餐)。ものすごい行列だし、どれが何なのかいくらなのかも分からないので、きったない手描きの配置図を作りました。

世界初!中国朝市のガイドマップを作ってみた

世界初!中国朝市のガイドマップ
世界初!中国朝市のガイドマップ

中央の屋台の一番左端にあるのは「豆腐脳」。字面だけ見るとゲテモノ系かと思いますが、中国で一般的な朝ごはんで、豆腐入りのスープってとこでしょうか。塩気のある出汁に、ネギと手作りの豆腐がたぷんたぷんに入っていて、優しい味わいです。

豆腐脳はずんどう鍋からドバっとすくって器に入れてくれます
豆腐脳はずんどう鍋からドバっとすくって器に入れてくれます

「辣的吗?(辛くする?)」と聞かれると思いますので、辛いのが好きな人はハイと答えましょう。激辛ラー油がたっぷりトッピングされます。

豆腐脳は1杯200円。安っ!
豆腐脳は1杯200円。安っ!

続いての中国の朝ごはんの定番は、油条と豆乳ですね。豆乳は黙っていると砂糖を入れられますので、入れる瞬間に「不要(ブーヤオ)!」と制止しましょう。油条は揚げたてを食べられるのが嬉しいですね。

油条1本60円。味が付いていないので、豆乳か豆腐脳に浸して食おう
油条1本60円。味が付いていないので、豆乳か豆腐脳に浸して食おう

似た形の「麻花」と間違ってはいけません。麻花は砂糖をまぶした揚げパンで、しかもあんこ入りのカロリーモンスターです。これはこれで美味しいのですがとにかく甘くて脂っこい。豆乳に浸して食べるのは油条のほうが良いです。

麻花はプレーン150円、あんこ入り、ハチミツ入りは220円。硬くねじった餡ドーナツって感じ
麻花はプレーン150円、あんこ入り、ハチミツ入りは220円。硬くねじった餡ドーナツって感じ

あと、豚まんとか焼きまんじゅうとか本当にどれも美味しそうで、片っ端から買ってしまいたくなるんですが、持ち帰りができるものは極力家で食べましょう。出来たてじゃないと旨さ半減する料理もあるんです。

これが旨いんですよ!豚肉や牛肉とネギなど、具パンパンのお焼き
これが旨いんですよ!豚肉や牛肉とネギなど、具パンパンのお焼き

その一つが「中国式クレープ」。目の前で生地を焼き、卵やモヤシを乗っけてぎゅうぎゅうに包んでいます。持つとずっしり重量があり、1個食べたら相当お腹いっぱいに。でもこの焼きたてでシャキシャキした野菜としっとりした皮がたまりません。少し辛いソースもマッチしています。

生地に油条やらキャベツやら魚肉ソーセージやらをのせた中国式クレープ
生地に油条やらキャベツやら魚肉ソーセージやらをのせた中国式クレープ
ものっすごい食べ応えあって500円
ものっすごい食べ応えあって500円
イートインの場合はプラスチックのトレイに入れてくれます
イートインの場合はプラスチックのトレイに入れてくれます

あ。ここで重要なことを一つ。屋台の奥にはイートインスペースがあるので出来たてをその場で食べられます。なので豆腐脳や豆乳は持ち帰りか食べていくかを聞かれますが、持ち帰りにするととりあえずビニール袋に入れられます。食べて帰りたい場合はイートインスペースを指差すか、「今食べる!」とか言えば理解してくれるでしょう。

実は頼れるキーパーソン(日本人)がいます 

ここまで苦労しながら買わせようとしていて、実はこの朝市には押さえておくべきキーパーソンがいることを隠していました。

ちょっと塩気のあるパイみたいなパン(確か250円)。この近くにキーパーソンのお兄さんがいます
ちょっと塩気のあるパイみたいなパン(確か250円)。この近くにキーパーソンのお兄さんがいます

だいたい屋台の右端あたりにいる男性です。このお兄さんこそが中国朝市を仕切る「華龍商事」の息子さんでして、日本人だけど中国語ペラペラ、困ったことがあったら何でも教えてくれるし通訳もしてくれます。

デカくないですか!?トウモロコシのパン(確か200円ぐらい)
デカくないですか!?トウモロコシのパン(確か200円ぐらい)

私が1人でオロオロしていると、何が欲しいのかとか、これ美味しいよとか教えてくれました。しかも豆腐脳と油条と麻花と豚まんを爆食いしていた私に「お腹いっぱいになりましたか」と声がけまでしてくださいました。そりゃなるわ!

華龍商事はもともと中華食材を扱う店でしたが、この辺に多く住む中国人から朝市を開いてほしいと希望があり、20年ほど前から日曜だけ開催するようになったそうです。朝5時のスタートに合わせて前日夜中に準備し、午前2時にはセッティングを完了させるとのこと。しぇ~、中国人は本当に働く!!

羊肉串は仕上げにクミンと唐辛子をふってくれます。1本150円。これ食べながらビール飲んでるのは日本人だけでした…
羊肉串は仕上げにクミンと唐辛子をふってくれます。1本150円。これ食べながらビール飲んでるのは日本人だけでした…

中国人は食に対して世界一ストイックな国だと思うのですが、この朝市でもそのスピリッツは同じで、豆乳・豆腐脳はなんと大豆を煮るところから手作り、油条も麻花も饅頭も全部生地から仕込んでいます。作りたて・焼きたて・揚げたての中国グルメをこんなに安く堪能できるなんて、ヘタな中華街で食べるよりよっぽど価値ありますよね。

華龍商事では朝市がない時でも普通に中国食材を買えます。見たこともない部位の肉や何かを煮た茶色い食べ物なども大量に並び、スリリングな食文化体験ができます。大阪に旅行に来る人にはまず「中国朝市行きなよ!」と提案したいのですが、人を間違うと人格疑われそうなので、まあ鶴橋あたりをオススメしておくんですが。個人的には中国朝市、大阪でぶっちぎり面白いスポットです。

■中国物産 華龍商事 大阪府大東市諸福 8-5-18 (営業時間)8:00 ~ 18:00(朝市は日曜 5:00 ~12:00)、月曜定休

  • 取材・文・写真猫田しげる

    1979年生まれ。タウン誌、旅行本、レシピ本などの編集・ライター業に従事。現在はウェブライターとしてデカ盛りから伝統工芸まで幅広い分野で執筆。弱いのに酒好きで、「酒は歩きながら飲むのが一番旨い」が人生訓。

    猫田しげるの食ブログ 「クセの強い店が好きだ!」https://nekotashigeru.site/

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