「原爆を投下すればすぐ終戦」…ロシアが核攻撃「ウクライナだけでない意外な国が標的となる」戦慄背景 | FRIDAYデジタル

「原爆を投下すればすぐ終戦」…ロシアが核攻撃「ウクライナだけでない意外な国が標的となる」戦慄背景

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追い詰められたプーチン大統領が怒りの矛先を向ける国とはーー(PHOTO:ロイター/アフロ)
追い詰められたプーチン大統領が怒りの矛先を向ける国とはーー(PHOTO:ロイター/アフロ)

ロシアのメドベージェフ元大統領の発言が、世界を震撼させている。国営『タス通信』の取材に答え(7月5日配信)、長期化するウクライナ紛争について次のように述べたのだ。

〈どのような戦争でもすぐに終わらせることが可能だ。’45年に米国が広島や長崎に行ったように、原爆を投下すれば良いのだ。核での攻撃は一般市民約30万人の命と引き換えに、当時の戦争を終わらせた〉

核攻撃で戦争を終結ーー。

ウクライナでは、恐ろしい不安が現実になりつつある。6基の原子炉を持つ欧州最大規模の、南部ザポリージャ原発がロシア軍の攻撃に晒されようとしているのだ。ウクライナ国防省情報局は、同原発を占拠するロシア軍が6基の原子炉のうち4基に爆発物を設置したと発表した。ロシア情勢に詳しい、筑波大学名誉教授の中村逸郎氏が語る。

「ロシア軍はウクライナの激しい反転攻勢を受けたうえ、最精鋭部隊だった民間軍事会社『ワグネル』は事実上解体されました。壊滅状態で反撃する手段が、核を利用するぐらいしか残っていないんです。破れかぶれでしょう。

ザポリージャ原発が爆発すれば、欧州中に放射性物質が拡散。ウクライナの主要産業である農業は大打撃を受け、全世界1億人以上の人々が深刻な影響を受けるといわれます。第二のチェルノブイリ事故として、悪夢が再現されることになるんです」

欧州の南北の海を同時に喪失

ロシアにとって看過できない動きは他にもある。

これまで反対の立場をとっていたトルコが一転し賛同したため、スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟がほぼ決まったのだ。前出の中村氏が続ける。

「スウェーデンのNATO加盟は、ロシアにとって致命的です。北欧のバルト海が『NATOの海』となり、欧州への玄関口であるプーチン大統領の出身地サンクトペテルブルクが機能しなくなります。それだけではありません。海軍の要衝でバルト海に面するロシアの飛び地カリーニングラードも封鎖され、バルチック艦隊が無能化されるんです。

ウクライナとの紛争で黒海を失い、スウェーデンのNATO加盟でバルト海を失う……。ロシアにとって、欧州の南北の海を同時に喪失することになります。万事休すです。追い詰められたロシアが、起死回生の手段としてスウェーデンも核攻撃の標的にすることは十分考えられます」

中村氏は、背景にプーチン大統領の恐ろしい考えがあると指摘する。

「プーチン大統領は、ウクライナへの侵攻を『軍事作戦』と表現しています。ウクライナ侵攻はあくまで『序章』に過ぎず、その後に本当の『戦争』が待っていると考えているんです。ロシアにとっての『戦争』とは、アメリカを含む西側諸国、つまりNATOとの戦い。日本も他人事ではありません。西側諸国全体が、ロシアの核の標的になりうるんですから」

もはやウクライナとロシアの2国間の紛争などではない。核兵器の脅威に晒される、第3次世界大戦発生の危機が迫りつつあるのだ。

  • PHOTOロイター/アフロ

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