バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』（竹書房新書）を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版

島 右近

<figure id="attachment_322133" aria-describedby="caption-attachment-322133" style="width: 612px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c5a2f8d4"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/95d98f9b1d5ccd179960a44d629b3e60.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-322133" class="wp-caption-text">NHK大河ドラマ『どうする家康』では、英雄・武田信玄の跡取り息子である勝頼を演じた眞栄田郷敦</figcaption></figure>
松本潤主演の大河ドラマ『どうする家康』（NHK）の第26話が放送され、眞栄田郷敦演じる武田勝頼の最後に、いずれは〝大河の主役〟を期待する声が寄せられている。
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今回の大河ドラマは、小国に生まれた徳川家康が〝死ぬか生きるか〟のピンチを乗り越え江戸幕府を開く波乱万丈のエンターテインメント。眞栄田演じる勝頼は、幼い頃から父・信玄（阿部寛）に厳しく育てられた強靭な肉体と精神の持ち主。父の知略・軍略の才能も受け継ぎ、武田家の領地を最大にまで広げることに成功している。
しかし家臣の裏切りに遭い、１人の武将として命を散らす雄々しい勝頼の最後には賞賛するコメントが躍っている。
「眞栄田自身も、『自分がやるべきことは、家康にとって大きな敵として存在することだと思っていたので、とにかくそこを意識してきました』『今の自分にできる精一杯の勝頼を演じられたかなと思っている』と話しています」（ワイドショー関係者）
眞栄田演じる勝頼のハイライトは、何と言っても徳川・織田の連合軍と雌雄を決する第22話「設楽原の戦い」ではないか。
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「兵力に勝る連合軍。戦を避けるよう進言する重臣たちを前に『手堅い勝利を100重ねようが１の神業には及ばぬ』と語りかけると、空に架かった虹を指して『目の前に信長と家康が首を並べておる。このような舞台はもう二度とないぞ』。
さらに『我が父がもうしておる。信玄を超えてみせよ!!』と言い放ち決起を促す姿こそ、眞栄田勝頼最大の見せ場となりました」（前出・ワイドショー関係者）
眞栄田にとっては、初めての大河であり時代劇。勝頼役を演じるにあたり
「偉大な父を超えるため、まわりの誰よりも努力を重ねてきた人物」
「僕も同じ俳優の仕事をしている偉大な父がいたので、気持ちの面で理解できる部分もありました」
と思いを口にしている。
<div data-friday-nextpage-lead="番組『ファミリーヒストリー』では親子の絆が…"></div>
眞栄田の父はご存知、日本を代表する映画俳優・千葉真一。新型コロナウイルス感染症のために’21年、82歳で他界した。それだけに病に倒れた信玄が、勝頼に未来を託す場面は胸に迫るものがある。
信玄「ここまでか」 
勝頼「父上の残された思い。四郎勝頼がこの身に負うて成し遂げてみせまする」 
信玄「そなたは、わしのすべてを注ぎ込んだ至高の逸材じゃ。黄泉にて見守る」
6月30日に放送された番組『ファミリーヒストリー』（NHK）では、このシーンを観た眞栄田の母・玉美が、
「千葉さんが、郷敦に言っているみたい」
と呟く。勝頼役を眞栄田郷敦に演じさせた、NHKの神キャスティングにも拍手を送りたい。
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「父の千葉真一さんは、ハリウッド進出をきっかけに渡米。しかし仕事に行き詰まり、母は２人の子供を連れて帰国。それ以来、女手ひとつで兄・新田真剣佑と弟・郷敦を育ててきました。
音楽に目覚めた郷敦は、サックス奏者を目指して岡山の吹奏楽強豪校に進学。やがて芸大を受験するも不合格となり、兄の勧めもあり俳優の道へ。千葉さんはそんな郷敦を手元に置き『俺も真剣佑も超える覚悟でやれないなら、すぐに芸能界をやめろ！』と叱咤激励していました」（制作会社プロデューサー）
’19年、眞栄田は映画『小さな恋のうた』でデビュー。日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』に出演して注目を集めている。
その後もドラマ『私の家政夫ナギサさん』（共にTBS系）やドラマ『教場II』（フジテレビ系）など話題作に出演。しかし、ドラマ『プロミス・シンデレラ』（TBS系）で、ヒロイン二階堂ふみの相手役を演じる最中に父が急死。だが俳優・眞栄田郷敦は、そこからギアを一段上げる。
特に去年大きな注目を集めた連続ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』（フジテレビ系）で演じた新人ディレクター岸本拓朗役では、俳優として大きな爪痕を残している。
「実は、岸本役を巡りキャスティングは難航。たまたま番組『A Studio +』（TBS系）に出演している眞栄田郷敦を観て、ピンと来た演出の大根仁が脚本家・渡辺あやさんに連絡。
急転直下、岸本役に起用されました。決め手は、何と言ってもあの尋常ではない”目力”だと言われています」（前出・プロデューサー）
番組『ファミリーヒストリー』では生前、父・千葉真一が息子の郷敦に当てて書き残した書が、この日初めて公開された。そこに記されていた言葉が、
「魂の 真底深く 噛み砕け」
番組の最後で父の言葉を噛みしめるように呟くと、眞栄田は不敵な笑みを浮かべる。志半ばで亡くなった偉大な俳優・千葉真一を超えるため、〝魂の真底深く噛み砕け〟眞栄田郷敦……。

バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』（竹書房新書）を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版中

島右近（放送作家・映像プロデューサー）

昨年の『エルピス』に続き、大河ドラマ『どうする家康』でも、圧倒的な存在感を見せた眞栄田郷敦。そんな彼が役柄同様、〝偉大な父〟から受けた影響とは……

私生活もドラマも「偉大な父」の存在が…眞栄田郷敦〝いずれは大河主役〟を期待する声にみせた「覚悟」

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