<figure id="attachment_322130" aria-describedby="caption-attachment-322130" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="dac43a53"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/6f893ca288452888a920d96747ae559e.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-322130" class="wp-caption-text">大阪天満宮は大阪市北区に所在しており、地元住民からは「天神さん」の呼び名で親しまれている</figcaption></figure>
「それはおかしいでしょ！」
「言うことが聞けへんのんかい!?」
日本三大祭りの一つである大阪「天神祭」を間近に控えた６月、祭りを主催する大阪天満宮の境内に響き渡ったのは、怒号の応酬だった――。
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大阪の夏の風物詩である天神祭が７月24・25日に開催された。１０００年以上の歴史を誇り、約３０００発の大花火を見に例年130万人以上が訪れる一大イベントも、コロナの影響で通常開催は実に４年ぶり。ところが、コロナ以上の危機が天神祭に迫っている。有志による祭りの運営組織「太鼓中（たいこなか）」が空中分解の危機にあるのだ。
「発端は太鼓中の前幹事長・Ｘ氏による組織の私物化とパワハラです。太鼓中は約800人を抱える組織で、14人の役員がいます。幹事長は総代に次ぐ太鼓中のナンバー２なのですが、実はＸ氏は元暴力団幹部で、太鼓中の気に入らないメンバーを『潰したろうか』などと恫喝していたのです。
’19年の天神祭ではＸ氏とその取り巻きが中堅メンバーを『沈めたる！』と恫喝する事件が起きて天満署に被害届が出され、傷害事件として受理されています」（太鼓中のひとり）
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’20年に太鼓中の前総代が亡くなると、Ｘ氏は前総代の甥であるＡ氏を「総代に推薦する」と人事にまで口を出し始めたという。地元の有力者が打ち明ける。
「Ｘ氏は『Ａ氏の就任は天満宮からの要望で、前総代の遺言書でも後継指名されている』とＡ氏の新総代就任を押し切り、返す刀でこの人事に反発した役員２名に５年間の謹慎処分を言い渡しました。ところが、天満宮からの要望も、遺言書の存在も真っ赤な嘘だったことが後に発覚。
事態を重く見た天満宮は今年３月、『Ｘ氏の幹事長解任』『役員選任手続を定めた会則の制定』『会計の明瞭化』を太鼓中に突き付け、Ｘ氏を退任させました。Ｘ氏の追放を受けて６月４日の11時から、天満宮トップである寺井種治宮司と太鼓中による、内紛解決に向けての話し合いの場が設けられました」
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<h2>ナンバー２が更迭</h2>
昨年７月、本誌はＸ氏によるパワハラ疑惑について追及、記事を読んだ天満宮が、初めて話し合いの場に宮司を参加させたのだった。これにて一件落着かと思われたが――宮司と太鼓中の話し合いのわずか２時間後に行われた太鼓中の役員会で、衝撃が走った。
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「追放されたはずのＸ氏が参加していたのです。実は役員会が始まる15分ほど前に、太鼓中の執行部らの集まりがあり、そこでＸ氏が総代にネジ込んだＡ氏が『Ｘ氏を太鼓中の顧問に推薦したい』と言って決議を取り、電撃的に太鼓中に復帰させたんです。
Ｘ氏は太鼓中を恐怖で支配していたため、執行部の多くは表立って反対はできません。しかし一部の役員たちが『それはおかしい』と猛反発。役員会は大紛糾しました。以来、天満宮側と太鼓中は正式な話し合いの場を持っていません」（別の太鼓中）
冒頭の怒号はまさにその会議での一幕である。
問題は思わぬところへも波及した。天神祭を主催する、大阪天満宮のナンバー２のＢ氏が更迭されたのだ。
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「実は、Ｂ氏は一昨年、Ｘ氏がウソの遺言を持ち出してＡ氏を総代に据えようとした際の協力者だったと見られています。当時、ある太鼓中の役員が天満宮へ遺言が実際にあったのか確認に行ったんです。そこで対応したのが、天満宮の実質ナンバー２だった禰宜（ねぎ）（宮司の補佐役）で総務部長のＢ氏でした。
彼は確認に来た役員に対し、自身の手帳を取り出し、前総代の遺言書があるかのような素振りを見せた。そのＢ氏が今年に入って総務部長を解任され、減給処分を受けています。Ｂ氏はＸ氏と食事するなど懇意にしていたそうです」（大阪天満宮関係者）
Ｂ氏を更迭した理由とＸ氏の太鼓中復帰への見解を聞くため、天満宮の寺井宮司を直撃したが「ここでは答えられません。公式にご連絡頂けたらお答えします」との返答があった。後日、質問書に対し次のような回答があった。
「Ｂ氏は就業規則に違反する事実が判明したため『降格降給』の懲戒処分を行いました。Ｘ氏の太鼓中への復帰は認識しておりますが、認められません」
太鼓中の総代であるＡ氏にも事実確認を求めたが、代理人弁護士に相談して連絡すると言われたきり、期日までに回答は得られなかった。
日本有数の祭りの内部では、思いもよらない紛争が続いている。果たして、天神祭は来年、無事に開催されるのだろうか――。
<figure id="attachment_322128" aria-describedby="caption-attachment-322128" style="width: 1843px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7469f14f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/954fe8544790757df22247d639778d63.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-322128" class="wp-caption-text">７月７日、自宅付近をランニングをしていた寺井宮司を直撃したところ、その場での明言は避けたが、後日、広報を通して回答があった</figcaption></figure>
<figure id="attachment_322129" aria-describedby="caption-attachment-322129" style="width: 1870px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9cc0dcb3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/9f5422e8c4c455f66174e79854ac1eec-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-322129" class="wp-caption-text">祭の最終日に行われる天神祭奉納花火の様子</figcaption></figure>
『FRIDAY』2023年7月28日号より

加藤 慶（宮司）　共同通信社（花火）

日本三大祭りの一つである大阪「天神祭」で大トラブル発生！？関係者が語る"内紛騒動"では何があったのか。コロナの影響で通常開催は実に４年ぶりだが、無事開催できるのか…

「潰したろうか」「沈めたる！」大阪・天神祭内紛騒動で有志の運営組織が「空中分解」寸前の異常事態

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