ロバート・デ・ニーロ〝孫〟の薬物死で浮上…米国の若者に流行する「殺人麻薬」怖すぎる実態 | FRIDAYデジタル

ロバート・デ・ニーロ〝孫〟の薬物死で浮上…米国の若者に流行する「殺人麻薬」怖すぎる実態

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19歳の孫が麻薬のため急逝したロバート・デ・ニーロ。アメリカでは〝殺人麻薬〟と呼ばれて……
19歳の孫が麻薬のため急逝したロバート・デ・ニーロ。アメリカでは〝殺人麻薬〟と呼ばれて……

ロバート・デ・ニーロ(79)の孫の俳優レアンドロ・デ・ニーロ・ロドリゲスさん(享年19)が7月2日(現地時間)、〝フェンタニル〟の過剰摂取で急死して波紋を広げている――。

ロドリゲスさんに麻薬を売った「パーコセット・プリンセス」と呼ばれるニューヨークの女密売人ソフィア・ヘイリー・マークス容疑者が14日に逮捕され、2人の生々しいやり取りの詳細や、米国の若者の間で広がっているという〝殺人麻薬〟の実態が浮上。逮捕されたマークス容疑者の供述やフェンタニル入りの偽造オキシコドンなどについて、ニューヨーク・ポスト紙が報じている。

ロドリゲスさんは6月30日、マークスにメールで『サーティーズ』と呼ばれる、番号の〝30〟が刻印された青い錠剤として知られる、偽造オキシコドンを買いたいと頼んだという。マークス容疑者は

「本当に必要なのか? 私はあなたを殺したくない」

と忠告し、

「スクリプト(処方薬)ではないから、あなたに出したくはない」

と付け加えたという。

ロドリゲスさんは、そのオキシコドンの錠剤は「フェントかH 」(フェンタニルかヘロイン)をブレンドしているかどうかを確認し、彼女はフェンタニルを混入した偽造オキシコドン3錠とザナックス(抗不安薬)2錠を105ドル(約1万5000円)で売ることに同意し、7月1日午後9時半ごろにカー・サービスを使って宅配したとされる。その後、彼女は2日午前2時にメールで

「大丈夫?」

と尋ねたが返事はなかったという。

フェンタニルは密売人自身が死ぬ可能性を知っていた〝殺人麻薬〟だったとみられる。

マークスは、ロドリゲスさんの死後も密売を続け、50錠の鎮痛剤を覆面警官に1000ドル(約13万8600円)で売り逮捕されたという。警官がマークスを逮捕した際、156錠の錠剤と1500ドル(約20万8000円)の現金を所持していたという。

ソフィアは3件の麻薬販売容疑でマンハッタン連邦裁判所に出廷し、保釈金なしで拘留された。マークスはそれぞれの罪状で最高20年、合計60年の禁固刑に処される可能性があるという。

ロドリゲスさんが過剰摂取して死亡したフェンタニルは、鎮痛剤として医療の麻酔などに使用される、非常に強力な合成オピオイドだという。米国ではヘロイン、コカインなどと混合されて娯楽用麻薬として違法に使用されている。

オピオイドはケシから採取され、鎮痛、陶酔作用があり、使用量を間違えると昏睡、呼吸抑制を引き起こすといわれる。オキシコドンはオピオイド系の鎮痛剤の一種で半合成麻薬。手術やがんの疼痛のような強い痛みの管理に使用される。

現地の検察当局は

「マークスの偽造薬物のうち少なくとも1錠は10代の若者(ロドリゲスさん)が購入し服用したが、その後過剰摂取の疑いで死亡した。マークスはその錠剤が人を殺す可能性があることを知りながら、とにかく売り続けたのですから、今回の逮捕は極めて重要で捜査は継続中です」

と述べたという。

また、ニューヨーク市警は先月、フェンタニルは現在ニューヨークで密売されている麻薬の

「おそらく98%に混入している」

「フェンタニルは今やあらゆるものに含まれている。それが過剰摂取による死亡が多い理由です」

と記者団に語った。

いずれにしても、ロドリゲスさんの死を無駄にしないためにも、徹底した摘発など麻薬撲滅のための対策が望まれている。また、このような〝殺人麻薬〟が、日本でも流行らないことを祈るばかりだ――。

  • 阪本良(ライター、元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長)

    Webマガジン『PlusαToday』を始め、映画、ハリウッド情報などの記事を執筆。日本映画ペンクラブ会員

  • PHOTOAP/アフロ

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