<h3><span class="strongInContent">人手不足の救世主！</span></h3>
<p>日本の農業従事者は年々減少しており、しかも平均年齢が高齢化している。農林水産省の直近のデータで平均年齢は68歳を超えてきており、後継者がなかなか見つからないことが背景にある。</p>
<p>サラリーマンなら、とっくに引退している年代が、農業では主力の戦力となる。そんな人手不足の深刻な農業現場に、作業省力化の救世主として期待されている新兵器がドローンだ。</p>
<figure id="attachment_322497" aria-describedby="caption-attachment-322497" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4faf4368"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/941536faef1a245a2f6e20cbd0dd69cf.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-322497" class="wp-caption-text">最近増加傾向のカラスへの対策として、有効な「テグス」。これまで人が田んぼに入ってテグスを張っていた（PHOTO：シーアイロボティクス提供・以下同）</figcaption></figure>
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<h3><span class="strongInContent">田んぼで鳥害を防ぐ「テグス張り」をドローンで…</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p>ドローンはすでに物資の運搬などで活躍しているが、農業現場でも種まきや農薬・肥料の散布などに使われ始めているという。</p>
<p>さらに今回実証実験が行われたのが、田んぼでカラスなどの鳥害を防ぐ効果があるとされているテグス張り。釣り糸として使われるナイロンなど合成繊維のテグスを田んぼに低く等間隔で張り巡らせる作業での成果が確認された。このドローンを開発しているのがシーアイロボティクス（大分市）だ。</p>
<p>シーアイロボティクスは今年６月に大分県臼杵（うすき）市の田んぼで、ドローンによる防鳥テグス張りの実証実験を実施した。田んぼの両端に高さ１メートル超の支柱を２メートル間隔で立て、そこにテグスを張る。</p>
<p>同社担当者は<span class="strongInContent">「これまで人が田んぼに入ってテグスを張っていた」</span>と話す。</p>
<h3><span class="strongInContent">テニスコート８面分を６分で…！</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p>実証実験は20アール（2000平方メートル／テニスコート８面分）の田んぼで実施。ドローン操縦者のほか、田んぼの両端の支柱が立つところに、それぞれ人を配置し、計３人で総延長800メートルのテグスを６分間で張り終えた。支柱のところにいる人が、ドローンが運んできたテグスをキャッチして支柱に設置していく。</p>
<p><span class="strongInContent">「人力だけなら、人がテグスを持って田んぼに入り、30～40分くらいかかる」（同社担当者　以下同）</span></p>
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<p>このドローンによるテグス張りでは、テグスがドローンのプロペラに巻き込まれないように、まずドローンからチェーンを吊り下げ、そのチェーンの下にテグスを取り付ける仕組みになっている。同社担当者は</p>
<p><span class="strongInContent">「いまは検証用のもので、商品用に精査していき、早ければ来年くらいにできれば」</span></p>
<p>と話し、需要調査も進めて’24年の販売を目指しているという。この実証実験に使ったドローンは１機で250万円くらいになるという。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="理想はすべてドローンでできるようにすること"></div>
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<h3><span class="strongInContent">「理想はすべてドローンでできるようにすること」</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p>田んぼに種を直播する水稲直播栽培では、出芽や苗立ち期にカラスやハト、スズメなどの鳥害があるとされる。鳥は飛び立つときに羽をテグスで傷めるのを嫌がるようだ。テグスを張ることで、防鳥の効果が期待されている。</p>
<p>シーアイロボティクスは水稲用に、種の直播、殺虫・殺菌剤、肥料を散布するドローンを開発しており、一部で使用され始めているという。</p>
<p><span class="strongInContent">「理想はすべてドローンでできるようにすることですが、まだオール・イン・ワンではできていません」</span></p>
<p>たとえば、種の直播は、人であれば一列にまけるが、ドローンでまくと、まばらで、むらが起こり、均一に種をまけないという。</p>
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<figure id="attachment_322498" aria-describedby="caption-attachment-322498" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4eb5d908"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/c09a5f742063e3ef30156c505503c4b2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-322498" class="wp-caption-text">テグスがドローンのプロペラに巻き込まれないように、まずドローンからチェーンを吊り下げ、そのチェーンの下にテグスを取り付ける</figcaption></figure>
<p>ドローンが田んぼで、種まきから農薬や肥料の散布、テグス張りまで助けてくれると、人手不足の農業現場は大いに助かる。</p>
<p>防鳥のテグス張りは、田んぼだけでなく、果樹園などにも展開できると、シーアイロボティクスでは期待している。同社はドローンの本体だけでなく、テグス張りなどの装置も自社で開発している。</p>
<p><span class="strongInContent">「装置をしっかりと開発できる業者は限られている」</span></p>
<p>と同社担当者は話す。</p>
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<div style="width: 1920px;" class="wp-video"><video class="wp-video-shortcode" id="video-322492-3" width="1920" height="1080" preload="metadata" controls="controls"><source type="video/mp4" src="https://wpmediacdn.friday.kodansha.co.jp/app/uploads/2023/07/20ae8e208fa96ce50d89e3b974dadd3f.mp4?_=3"></source><a href="https://wpmediacdn.friday.kodansha.co.jp/app/uploads/2023/07/20ae8e208fa96ce50d89e3b974dadd3f.mp4">https://wpmediacdn.friday.kodansha.co.jp/app/uploads/2023/07/20ae8e208fa96ce50d89e3b974dadd3f.mp4</a></video></div>
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<h3><span class="strongInContent">人手不足が深刻な林業現場でも期待…</span></h3>
<p>シーアイロボティクスはドローンを農業分野だけでなく、林業分野にも展開していきたいという。農業と同じように人手不足が深刻な林業現場では、樹木の種類や生育具合などを把握する山林調査が欠かせない。これまでは人が山の中に分け入り、主に目視で調査、確認してきた。一部では航空機からの空撮の写真も山林調査に活用されてきた。</p>
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<p>今後はドローンを使った空撮などが進めば、<wbr></wbr>人が分け入るのが難しかった山でも山林調査が手軽にできるように<wbr></wbr>なり、飛躍的に進展する可能性がある。</p>
<p>人手不足の分野で、ドローンの活躍が救世主になるのか、期待は高まる。</p>


浅井秀樹

日本の農業従事者は年々減少しており、高齢化している。サラリーマンなら、とっくに引退している年代が、農業では主力戦力となる。そんな人手不足の深刻な農業現場の救世主として期待されている新兵器がドローンだ。

「テニスコート8面分を6分で！」高齢化が進む農業現場の戦力に…ドローンが「防鳥テグス張り」に活躍

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