愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

奈々子

<figure id="attachment_323243" aria-describedby="caption-attachment-323243" style="width: 1724px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="368bc3dd"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/a4d9df276bace78cc4ce4375542de3bd.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-323243" class="wp-caption-text">『silent』の演技が好評だった目黒だが……</figcaption></figure>
ジャニーズとトライストーン。日本でも有数の、イケメンタレントを多く抱える有名芸能事務所だ。が、その所属タレントの売り出し戦略では、大きな明暗が出始めている。
この夏のゴールデン帯の連ドラでは、ジャニーズからは唯一『Snow Man』の目黒蓮（26）が主演を務めている。目黒といえば、昨冬演じたドラマ『silent』（フジテレビ系）の、耳の不自由な青年役が大絶賛されブレイク。先日発表された女性誌『ViVi』の’23年上半期国宝級イケメンランキングの王者にも輝くなど、今もっとも勢いのあるタレントだ。
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ところが……。
「主演を務めている金曜ドラマ『トリリオンゲーム』（TBS系）の役どころが、異常にハイテンションで……。『silent』での大ブレイクを見ても分かるように、目黒さんは本来、繊細で物静かなキャラクターが合うタイプ。何度も『Snow Man』を取材していますが、彼はメンバーたちがワイワイ騒いでいても、いつも一人静かに佇んでいる。ハイテンションとは程遠い人です。
それが今作で演じているのは、『ウェーイ！』を連発するぶっ飛びキャラ。『silent』で彼を知った人はもちろん、以前からのファンですら困惑してしまいます。この作品で勢いが失速してしまわなければいいのですが」（女性誌のエンタメ担当編集者）
<h2>あえて「前作と真逆のキャラ」</h2>
実はジャニーズ事務所は最近、この「前作と真逆のキャラ」という作品選びをよくおこなっている。前出の編集者は次のような不安を吐露する。
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「同じジャニーズのグループ『SixTONES』の松村北斗さん（28）の二の舞にならないかと……。彼はNHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』（’21年）で、爽やかすぎる好青年・稔さんを演じて大ブレイク。生真面目で、ちょっと昭和な雰囲気を持つ松村さんにピッタリの役でした。
ところが、次の配役が女性たちに色気と優しさを振りまくナンパな男。これにはファンからも、『こんなほっくん（松村のこと）を、求めていない』という声が多くあがりました。彼がその後勢いに乗り切れなかったのは、完全にこの役選びが原因だと思います」
対照的に、ブレイクしかけの俳優の役選びが上手いのが、トライストーンだという。
<div data-friday-nextpage-lead="赤楚の演技が安心して見られるワケ"></div>
<figure id="attachment_323244" aria-describedby="caption-attachment-323244" style="width: 5438px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="13f58085"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/7b328ce782a38f662f6c56c8e652aebc.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-323244" class="wp-caption-text">定着しつつある赤楚の配役イメージ</figcaption></figure>
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「今期、トライストーンからは赤楚衛二（29）が水曜ドラマ『こっち向いてよ向井くん』（日本テレビ系）で主演を務めています。視聴率はイマイチですが、TVerの登録数はすでに50万を超えており、赤楚演じる恋愛迷子男子・向井くんへの評判も上々です。
彼は、恋愛オクテな男子を演じた『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』（’20年。テレビ東京系）が好評を博し、“子犬系男子”としてブレイクしました。その後も主に年上俳優と共演し、かわいいイメージを維持した。そこから少しずつ熱い役なども演じるようになったため、観る人に違和感を与えず演技派へと転換を遂げることができたんです」（芸能記者）
では一体なぜ、二社の戦略はこうまでも対照的なものになったのか？　それは、ジャニーズ事務所のコンプレックスが関係しているのではないかと別の芸能記者は言う。
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「ジャニーズ俳優は、基本は皆アイドルグループに所属しており、アイドルとしての顔のほうが本来です。それだけに、俳優としての演技力は低いと言われることを嫌っている。同じキャラクターばかり演じていると『アイドル演技』と言われかねないので、『こんな役も演じられるんだぞ』と、ついつい真逆のキャラクターを選んでしまうのだと思います。
でも完全に時期尚早。違うキャラクターを演じたから演技派になれるのではなく、演技力がついてきたから幅広い役を演じられるようになるもの。いろいろ紛糾してはいますが、なんだかんだ逸材を多く抱えているジャニーズ。焦らず、丁寧にタレントたちの能力を育てあげてほしいと思います」
若手俳優が伸び続けられるかーー。芸能事務所としての手腕が問われている。

新井熊太郎　近藤裕介

ジャニーズの目黒蓮とスターダストの赤楚衛二ーー。２人のイケメン俳優の配役が対照的だ。前作とまったくキャラの違う目黒と踏襲する赤楚。今のところ赤楚に軍配が。俳優が勢いを失う分岐点とは。

ジャニーズへ不安…目黒蓮のハイテンションと赤楚衛二のオクテ配役で一目瞭然「俳優が波に乗る分岐点」

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