非人道兵器クラスター弾の応酬で攻撃激化…ロシア軍が標的にする「核施設」大爆発で現実味を帯びる悪夢 | FRIDAYデジタル

非人道兵器クラスター弾の応酬で攻撃激化…ロシア軍が標的にする「核施設」大爆発で現実味を帯びる悪夢

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民間軍事会社「ワグネル」の反旗などで窮地のプーチン大統領。追いつめられ核施設を攻撃する可能性も(PHOTO:ロイター/アフロ)
民間軍事会社「ワグネル」の反旗などで窮地のプーチン大統領。追いつめられ核施設を攻撃する可能性も(PHOTO:ロイター/アフロ)

ウクライナ、ロシア双方の攻撃が激化している。

米国が、非人道的兵器であるクラスター弾をウクライナに供与したのだ。7月20日に米国家安全保障会議の広報調査官は、ウクライナ軍が実際にクラスター弾を使用していると表明。ロシアのプーチン大統領は、国営テレビのインタビューで〈我が国にも同様の対応をする権利がある〉と反発した。

「クラスター弾は空中で爆発した親爆弾が、無数の子爆弾を拡散させ数百m四方を火の海にする残忍な兵器です。民間人が巻き込まれるケースが多く、あまりに無残な結果を招く……。約110ヵ国が加盟するオスロ条約では保有や使用を禁止しています。米国やロシア、ウクライナは非加盟です」(全国紙国際部記者)

実際に被害が出始めている。

7月22日、ドイツ公共放送『ドイチェ・ウェレ』は同局のカメラマンがウクライナ東部ドネツク州で取材中にロシア軍によるクラスター弾で負傷したと発表した。一方、ロシア国防省はウクライナのクラスター弾攻撃で従軍取材班の記者1人が死亡、3人がケガを負ったと表明。〈ウクライナにクラスター弾を供与した者は命の責任を負う〉と非難している。

両軍がエスカレート

ロシア情勢に詳しい、筑波大学名誉教授の中村逸郎氏が語る。

「ウクライナは6月から反転攻勢に出ましたが、なかなかうまくいっていません。ウクライナ軍の進撃を阻んでいる要因の一つが、ロシア軍の塹壕です。塹壕の破壊にはクラスター弾の使用は有効。広範囲に子爆弾が拡散することで、ピンポイントの点ではなく広範囲の面で攻撃できますから。

ただクラスター弾を使うことで、両軍の攻撃がエスカレートする危険性があります。どんどん前線に投入されることで被害が拡大。民間人にも多数の犠牲者が出ることが考えられるんです」

恐ろしいシナリオもある。ウクライナ南部にある欧州最大規模のザポリージャ原発に、ロシア軍がクラスター弾を使うという筋書きだ。中村氏が続ける。

「6月にロシア軍が近くにある大規模ダムを決壊させてから、ザポリージャ原発では原子炉の冷却に使う水が圧倒的に足りなくなっているそうです。6基ある原子炉のうち2基は、超高温の危険な状態が続いているとか。

放射性物質を拡散させ、ウクライナの主要産業である農業を壊滅させるためロシア軍がザポリージャ原発を攻撃する可能性があります。クラスター爆弾を使えば冷却のできない原子炉はひとたまりもない。大爆発を起こし、放射性物質がバラまかれるでしょう。実質上の核攻撃です。全世界1億人に甚大な被害を及ぼすと思われる、『第二のチェルノブイリの悪夢』が現実味を帯びているんです」

クラスター弾の応酬で、ウクライナとロシアの戦争はさらに危険な段階に入った。際限なき被害が出る攻撃の激化は避けられそうにない。

  • PHOTOロイター/アフロ

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