「才能があれば月100万円くらいは余裕です」…「歌舞伎町」で若者の「キャッチ」が激増している訳 | FRIDAYデジタル

「才能があれば月100万円くらいは余裕です」…「歌舞伎町」で若者の「キャッチ」が激増している訳

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写真はイメージです/フォトライブラリー
写真はイメージです/フォトライブラリー

「どこ行く予定ですか? よかったら紹介しますよ」

繁華街を歩いているとき、こんな風に客引きやキャッチから声をかけられた覚えがある人は多いのではないだろうか。日本で有数の繁華街である歌舞伎町のキャッチに、ここ何年かで大きな変化が起きている。

その変化は、道からあふれてしまうほどキャッチが増えたことだ。

その原因は新型コロナウイルスの流行。コロナ禍で数年に渡って客足が遠ざかってしまったのだ。かつての歌舞伎町であれば、集客に力を入れなくとも、ある程度の客が来店していた。

しかし、コロナウイルスの影響で、何もしなくても店に来てくれる客たちは歌舞伎町から離れてしまった。

歌舞伎町の代名詞でもある店名やホスト、キャバ嬢の写真をはり付けた宣伝トラックは、費用がかかる割に集客効果が低いが、店のプライドがかかっているためやめられない。そのため、金のかからない出来高払いのキャッチや客引きを頼るしかなくなっているのだ。

「ある意味歌舞伎町らしいね。文化だと思うよ」

歌舞伎町でキャッチをしている男性から話を聞くと、歌舞伎町のキャッチの現状について、次のように語ってくれた

「(キャッチは)はじめる人も多いけど、辞める人も多い。体感では8割くらいは稼げなくてすぐ辞めてくね。稼げるキャッチもまとまった金が手に入ったら、メンズエステ店なんかで独立する人が多いし、入れ替わりが激しいよ」

多くの若者が大金を稼げると聞いて歌舞伎町でキャッチを始めるのだが、「どれだけ立ち止まってくれるのか?」「どれだけ客を引けるのか?」が収入に直結するため、単純作業なようで、センスが問われる仕事なのだという。

「(俺は)多い月で200万円くらい稼げたかな。最近は、入店時の最初のオーダーの料金がそのままキャッチに支払われるシステムでやっている店が多いから、1人店に送るだけで数万円くらいは稼げる。副業でキャッチをやってるけど、よっぽどこっちのほうが稼げるよ」

このように、1人店に案内すればそれなりの金額がキャッチに支払われるシステムになっているため、技術があればかなり儲かるようになっている。

そんなバブル状態にあるキャッチや客引きたちに目を付けたのがヤクザだ。ドラマや、漫画のように組ごとにそれぞれ縄張りがあるのだという。

「この通りだけで客引きをするようには言われてるね。ケツ持ちによって、担当している通りが違ってて、仕事をする場所は決められてる。それと、人が声を掛けている最中の割り込みは禁止みたいなキャッチ同士のルールもあるかな」

多くのキャッチはルールを守って仕事をするため、トラブルになることは少ないが、まれにトラブルが起きても、多くは話し合いで片付けられるという。

その理由は、暴力沙汰を起こしてこの場所で商売ができなくなってしまうと、今後の食い扶持がなくなってしまうから。

「ルールを守らない悪質なキャッチの場合はケツ持ちが出てくる。ケツ持ちはヤクザ。ここでキャッチは何をしてもいいけど、ケツ持ちが決めたルールだけは守らないといけない。守ってさえいればトラブルは、ケツ持ちが勝手に解決してくれるから」

歌舞伎町でヤクザの影が薄くなったといっても、キャッチを含め裏稼業の人たちの中では健在らしい。

ケツ持ちに毎月5万円を払うことでこの場所で客引きをする権利が与えられる。毎月5万円を収めることで、キャッチ達のトラブルを含め、ここで起きる事件を解決してくれるのだ。

ルールを敷いて、そのルールから逸脱した人のトラブルを解決するのがヤクザなのだ。どうやら暴力団と夜の店の構図は昔から変わっていないのかもしれない。

実際に声をかけているキャッチの様子
実際に声をかけているキャッチの様子

 

実際に声をかけているキャッチの様子
実際に声をかけているキャッチの様子

 

記事に出てきたキャッチの売上表
記事に出てきたキャッチの売上表
  • 取材・文白紙 緑

白紙 緑

フリーライター

歌舞伎町の問題に切り込むフリーライター

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