史上最悪の殺人猛暑が襲来中…【灼熱の中国】衝撃的すぎる「暑さ対策」に学ぶ
北京では35℃を超える日数が23年ぶりに過去最多を更新 人々が涼を求めて、知恵を絞った結果……
市民プールには大勢の人が押し寄せ大混雑、冷房の効いた部屋で涼もうと図書館前には朝から長蛇の列――。今夏、中国に襲来中の殺人猛暑は史上最悪だ。
人、人、人……水面が人間で覆われる!
「首都・北京では最高気温が35℃を超える猛暑日が29日となり(7月25日現在)、23年ぶりに過去最多を更新しました。新疆ウイグル自治区トルファン盆地では、観測史上最高の52℃超え。ネット上で同地は、『巨大なサウナ』と呼ばれているんです」(全国紙中国駐在記者)
灼熱の中国では知恵を絞り、暑さ対策がたてられている。市民に涼んでもらおうと当局は防空壕を開放し、人々は麻雀を池の中に足を浸(ひた)し楽しんでいるのだ。中国人ジャーナリストの周来友氏が語る。
「防空壕は米ソの冷戦時代に、核戦争を案じた指導者の毛沢東が全国各地に作ることを命じました。現在は放置されているので、利用しない手はないでしょう。中国ではプールに大勢の人々が集まる光景が有名ですが、地方では各市に一つぐらいしかない。数が少ないため、プールに人が集中してしまうんです」
一見、珍妙に見える光景だが日本も学べる点がありそうだ。周氏が続ける。
「涼しい地下鉄構内で寝転がる姿などを滑稽(こっけい)に思うかもしれませんが、公共機関でも涼を求めて利用する図太さが中国にはあります。命の危険を感じる暑さなのですから、見かけなど関係ない。手段を選んでいる場合ではないでしょう」
衝撃の光景の裏には、厳しい気候の中で生きる人々のしたたかさがある。
『FRIDAY』2023年8月11日号より
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