松坂大輔 ファンに引っ張られて痛み再発!? 右肩故障の「原点」
「まさか、ファンから腕をひっぱられケガをするとは……。興奮したファンが力を入れ過ぎたのかもしれませんが、あまり聞いたことがないトラブルです。松坂の肩も元々弱っていたのでしょう」
元阪神のエースで、野球評論家の藪恵壹(やぶけいいち)氏は驚きを隠せない。
2月11日、事件は起きた。昨年カムバック賞を受賞した中日の松坂大輔(38)が、キャンプ中にファンから右腕を引かれ肩に違和感を覚えたというのだ。松坂は’15年8月に右肩を手術。食事の際にも冷やさないようにサポーターを巻き、注意を払っていた箇所だ。故障の「原点」は10年以上前にさかのぼる。『文芸春秋』(’18年5月号)で松坂をインタビューした、ジャーナリストの石田雄太氏が語る。
「松坂が最初に肩を痛めたのはメジャーに移籍して2年目、レッドソックス時代の’08年です。ブルペンに向かう階段で、足を滑らせてしまった。とっさに手すりにつかまった際、肩の関節がズレたようなイヤな感覚があったそうです。本人も『これはヤバい』と直感したとか。その日からずっと、痛みは抜けていません。しかし入れ替わりの激しいメジャーで先発ローテーションを守るため、フォームを変えながら痛みをガマンしていました。ついに痛みに耐えられなくなり手術に踏みきったというのが真相です」
今回のファンとのトラブルで、手術した右肩の痛みが再発する可能性も否定できない。前出の藪氏が話す。
「松坂はもともとスロー調整でしたが、これまでキャンプ中に一度もブルペンに入っていませんでした。なんらかの不調を感じていたのかもしれません。そこに重なったのが、今回のトラブルです。最悪、痛みが再発し選手生命を脅かすケガにつながってもおかしくない。症状が軽かったとしても、回復するまでに最低2ヵ月はかかります。焦らずじっくりとリハビリに専念すべきでしょう」
今年39歳になる怪物は、再び試練のシーズンを迎えようとしている。