「ナイフに指紋がついちゃった」木原官房副長官・妻の”元夫怪死事件”警視庁元刑事が明かした”疑念” | FRIDAYデジタル

「ナイフに指紋がついちゃった」木原官房副長官・妻の”元夫怪死事件”警視庁元刑事が明かした”疑念”

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
会見する元捜査1課刑事の佐藤誠氏
会見する元捜査1課刑事の佐藤誠氏

「断言します。あれは事件なんです」

7月28日に行われた会見で事件を担当した元捜査一課刑事の佐藤誠氏はそう明言した。

文京区・大塚で発生した不審死事件が異例と言える展開を見せている。

一連の疑惑は’06年4月10日に安田種雄さん(享年28歳)が大塚の自宅で血まみれの状態で亡くなったことから端を発する。

「事件当時、種雄さんは玄関先で血まみれのまま倒れているのを発見されています。遺体は頭上から喉元にかけてナイフで刺したと見られ、当初は覚醒剤の乱用による自殺として処理されましたが、その後となる’18年、事件に疑問を抱いた捜査一課が事件の再捜査を開始。ところが同年12月、理由も釈然としないまま突如として捜査は縮小。遺族に対して報告もないまま現在に至っています」(全国紙社会部記者)

しかし、事件からおよそ17年という月日が経った今年7月、週刊文春が三度、不審死の疑惑を追及。当時の種雄さんの奥さんであり、現在は木原誠二官房副長官(53)の妻であるX子さんが事件の重要参考人として警視庁の事情聴取や家宅捜索を受けていたと報道し、埋もれていたはずの事件は再び白日の下へと引きずり出されることとなった。

「文春の一報を受け、種雄さんの遺族は7月17日付けで警視庁へ事件の再捜査を求める上申書を提出。一方、露木康浩警察庁長官は種雄さんの死について『適切に捜査、調査が行われた結果。証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしている』とコメント。警視庁としてはあくまでも種雄さんの死は自殺であるという見立てを崩していません」(同前)

’18年の再捜査の際、X子さんの取り調べに当たった人物こそ佐藤氏だった。

元担当刑事でありながら当時の捜査に対して実名で異議を申し立てる。類を見ない告発劇を決めた理由を佐藤氏はこう説明する。

「ちょうど警察庁長官の会見がありまして、この事件を『事件性がない』と言っているのでカチンときた。被害者に対して火に油を注ぐようなことを言っている。被害者が可哀そうだな、と。これは正義感とかそういう話ではないんです。『嘘を言っている』とカチンときただけの話です。最終的にはどうせやるなら全部を話すしか手がないんだろうなと思った。それがここにいる理由です」

会見で佐藤氏は種雄さんの死を自殺と結論付ける根拠がないと主張。警視庁の見解についてもこう反論した。

「(事件の)証拠品であるとか供述であるとかすべて私の所に集中するので、それをずっと吟味していました。正式な発表では『適正な捜査を元に自殺だった』と。結局、そんな証拠品は存在しないんです。断言します。あれは事件なんです。自殺と認定する証拠がない。これは『事件性あり』です。あれを見て『事件性なし』なんていう刑事はいないです」

さらに自殺に使われたナイフの柄に巻かれていたという両面テープの存在、X子さんが「ナイフに指紋がついちゃった」と話したという事件関係者の供述に違和感を持ったとも語る。

「X子さんの指紋がついたって家にあるものなんだから全然不思議ではないんです。それが種雄くんのナイフだったとしても触る可能性はある。それをわざわざ『指紋がついちゃった』。ちょっとおかしくないですか」

しかし、何よりも不可解だったのは唐突とも思える捜査の終了だった。

「(捜査の)終わり方が異常だった。普通の終わり方ではない。今まで殺し(殺人事件の捜査)は100件近くはやってますけど、こんな終わり方はない。この場合だと自殺か(犯人を)捕まえるかのどっちかしかない。もし灰色だったら終わらない。ただ終わり方がね、被害者に対してその説明が全くない。殺人事件は刑事が挨拶して始まります。最後の締めとして『こういう理由で終わります』と言わなければいけない。ただ終わり方が異常。自然消滅したような。要は被害者に対して締めがないわけです。警視庁が『自殺と適正な捜査で認定した』と言うのであればその時に言わなければいけない。それをやってないからこういうことになる。それを今さら言われたって納得するわけないじゃないですか」(佐藤氏)

事件の報道を受け、木原氏は『週刊文春の私と私の家族に関連した記事は事実無根』と反論。7月28日には代理人弁護士が「深刻な人権侵害が生じている」として日弁連に人権救済を申し立てている。8月1日には、立憲民主党の公開質問状に対して「文春を刑事告訴した」と回答していたことも明らかになった。

余波はそれだけにとどまらない。佐藤氏の会見を受け、警視庁の国府田剛捜査1課長は「証拠上、事件性は認められず死因は自殺と考えて矛盾はないと確認した」と改めて強調。

職務上知り得た秘密を話す地方公務員法違反に抵触する可能性について会見で問われた佐藤氏はこう言葉を返した。

「ここまで来たら(気持ちは)変わらないです。しょうがない。(地方公務員法に)触れることは分かってました。でもここはいくしかない。突っ込むしか」

遺族、そして元担当刑事までもが声を挙げた不審死事件。事件から17年、かたく閉ざされた扉が少しずつ開こうとしている―。

  • PHOTO蓮尾真司

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事