制作費一話1億円も視聴率は10%前半…賛否飛び交う『VIVANT』序盤戦の「ホントの業界内評価」
7月期ドラマの大本命と目された話題作が、いよいよ本領を発揮し始めてきた。
堺雅人(49)が主演を務める日曜劇場『VIVANT』(TBS系)の第3話が放送され、世帯平均視聴率が13.8%(数字は関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した。『半沢直樹』シリーズ、『下町ロケット』シリーズなどを手掛けた福澤克雄氏が演出・原作を手掛けたオリジナルストーリーに加え、阿部寛(59)、役所広司(67)、二階堂ふみ(28)、林遣都(32)、竜星涼(30)といった主演級の豪華キャストが共演するとあって放送開始前から話題と期待を一身に集めていた。キー局関係者が語る。
「キャスト・スタッフとも豪華な上、モンゴルロケを敢行するなど、TBSが局の威信をかける超大作で、今年度最大のプライオリティに据えています。番組制作費一話1億円といわれるように、それだけ上層部はじめとした関係者の期待はもちろん高く、ヒットは当然というほどの強気の姿勢です」
番組制作予算が苦しいといわれる昨今。いくら期待が高いとはいえ、それだけ強気な姿勢を貫く背景にどのような裏事情があるのか。大手広告代理店関係者が語る。
「TBSはこれまで不動産経営など多角的経営を早々に採り入れていましたが、ここにきてさらに力を入れています。半導体製造装置の開発・製造・販売を手掛ける東京エレクトロンの株式保有で懐が潤っているといいますし、本作に高額な予算を投じてもDVD販売など二次利用での収入が十分に見込めるため、これだけの予算を投じたのも納得です」
そんな前評判の高さを受け、放送を開始した同作。だが初回視聴率11.5%、第2話11.9%と周囲の予想に反するかのような結果に、早くも不調や伸び悩みといったネガティブな言葉が巻き起こった。前出キー局関係者がこの結果を解説する。
「ドラマのストーリーや役柄などの詳細を放送開始前から一切明かさないという大胆な方法に挑んだ今作。あえて視聴者の関心を煽らない異例ともいうべき手法です。その上での初回放送は3連休中日の不利があったにもかかわらず、一定の視聴率を記録。実際、その後は着実に右肩上がりで数字を上げています。ですから悲観する必要はまったくなく、むしろ今後は伸びしろしかないと考えます」
たしかに第3話は前回から1.9%と大幅に数字を伸ばし、番組最高視聴率を更新。ヒット確実な裏付けはまだ他にもあると、テレビ誌ライターが語る。
「『TVer』や『TBS FREE』といった無料配信の初回総再生数は、同局ドラマの歴代最高値となる約400万再生(ビデオリサーチ算出)を叩き出しました。ドラマはまだ序盤で今後再生数の変動はもちろんあるでしょうが、視聴率が右肩上がりの現状を考えれば今後の再生数も引き続き期待できますし、不安は皆無といえるでしょう」
『VIVANT』への期待は膨らむばかり、今後の展開がさらに注目される。
- PHOTO:結束武郎