移籍金44億円 中島翔哉に世界のクラブが大金を積んだ理由
中田英寿の記録を超えた
「中島には5つほどのクラブから正式にオファーがありました。フランスの『パリ・サンジェルマン』を始め、プレミア、スペイン、ポルトガル、それぞれのリーグのトップレベルのクラブです。なかには、10億円超の移籍金を提示するクラブもあった。それだけ、中島の市場価値は高いということです」
そう語るのは、中島翔哉(24)が所属していた、ポルトガル『ポルティモネンセ』のクラブスタッフだ。
レジェンド・中田英寿の移籍金約32億円(ローマ→パルマ)を超え、アジア人最高額となる約44億円でのカタール『アル・ドゥハイル』への移籍を決めた中島。世界各国のトップクラブからオファーがあったとは驚きだが、前出のクラブスタッフは「当然だ」と言い切る。
「昨季は10ゴール12アシストの大活躍を果たし、今季も9月に月間MVPを受賞。中島は間違いなく、チームのエースでした。昨年のW杯で日本代表を外れた際には、チームの強化部門トップが自身のSNSで、西野朗前監督を『何もわかっていない』と批判したほどです。年齢も24歳と、まさにこれからピークを迎える。中島は掛け値なしに、世界中が注目する選手の一人です」
気になるのは、なぜ、中島は数あるオファーからカタールを選んだのか、ということだ。決め手になったのは意外にも、「カネ」ではなく、「犬」だったという。
「中島は2度、現地を自ら視察していますが、その際、『アル・ドゥハイル』は充実したクラブ施設を見せただけでなく、数百平米もある大豪邸まですでに用意していたんです。移籍が決まる前から家を用意するなんて、聞いたことがありません(笑)。愛妻家であり、2匹の小型犬を飼う愛犬家でもある中島は、その豪邸を見て、『犬が走り回っても大丈夫ですね!』と大興奮していました」(同前)
実際、中島は自身のブログで〈僕の奥さんとわんちゃんたちと不安なく幸せに楽しく暮らせる〉とカタール行きの理由を語っている。『アル・ドゥハイル』が提示した”環境”が、中島の心を捉えたことは間違いない。
とはいえ、サッカーファンとしては、不安は残るだろう。中島は代表の未来を担う期待の星だ。サッカー先進国の欧州クラブチームではなく、カタールに行って、ステップアップできるのか。
「’22年のW杯自国開催に向け、カタールは国を挙げてサッカーに力を入れています。スナイデルやシャビといったスター選手だけでなく、実績ある指導者も各国からオイルマネーで引き抜いている。国主導でアカデミーも作って若手を育成しており、その結果が先日のアジアカップ優勝に結びつきました。中島はそんなカタールの熱気に惹かれ、自身も成長できると感じたんでしょう」(スポーツライターの小宮良之氏)
急成長中のカタールで揉まれ、さらにスケールの大きい選手になれるか。

写真:AFP/アフロ(2枚目写真)