ニッポンの橋 見ると勇気が湧いてくる
インスタグラマーが集まるのは理由があった
青い水を湛える川や海。雄大な自然の上に
コンクリートや鉄で道が渡され、そこを列車や車、
ときには人がゆく――。自然と土木のコントラストを楽しもう。
鉄道マニア垂涎の奇観 奥嶽川橋梁(大分県)
「橋には、大きさ、形、色、材質などさまざまな要素からなる個性があります。しかも海、山、川、街中の道路などいろいろな場所を”渡す”ために建設されている。周囲の風景から際立つデザインの橋もあれば、調和する橋もある。橋と場所の個性が組み合わさって、二つとない景観が生み出されていることが魅力なんですね」
『土木写真部』出水享氏(長崎大学技術職員)は、こう語る。
雄大な自然のなかで空を貫く橋の景観は、絶景スポットになりやすい。写真の第一只見川橋梁は、現JR只見線の鉄橋として昭和16(1941)年に開通。以来、山深い絶景の橋として、写真家や鉄道ファンに密かに愛される橋だった。最近はSNSブームでインスタグラマーたちがプロ向け撮影ポイントまで足を運ぶように。2012年には地元・三島町が「只見川ビューポイント遊歩道」を整備。厳冬期も路線バスを運行して撮影者を運んでいる。
いまや「インスタ映え」は観光客誘致での重要な要素なのだ。