民放キー局の温度差でわかった!…ジャニーズ依存度から分析「性加害問題」で露呈の「意外すぎる事実」
’24年パリ五輪の予選を兼ねて9月から日本で開かれる『ワールドカップバレー2023』。同大会でスペシャルサポーターを務めることが内定していた関西ジャニーズJr.の『Aぇ! group』の起用が取りやめになったことを、複数のメディアが報じた。
「バレー人気が低迷した’90年代、視聴率と集客アップを狙って、試合を中継するフジテレビ側がジャニーズのグループを起用するようになりました。『Aぇ! group』の起用もその流れに沿ったもので、スペシャルサポーター就任とデビューを同時発表して、盛り上げる予定だったそうです。
ところが、英BBCで故・ジャニー喜多川氏の性加害問題が放送されたことで、大会参加国からジャニーズタレントの起用にクレームがついたといいます」(スポーツ紙記者)
これまで静観してきたテレビ局も、BBCが取り上げ、日本外国特派員協会で被害タレントが実名告白するに至り、報道番組で扱うようになった。意外にも、『24時間テレビ』のメインパーソナリティーにジャニーズタレントを起用し続けてきた日本テレビが、ジャニー喜多川氏の性加害問題を最も長く時間を割いて報じているという。
「募金額を増やすため、’03年から熱心なファンを多く抱えるジャニーズのタレントが毎年、起用されています。日テレの番組と最も縁が深いのが『嵐』ですが、彼らが活動休止したことも、性加害問題を扱うようになった一因でしょうね。最も積極的に扱っているのは『ミヤネ屋』ですが、『ミヤネ屋』は系列局の読売テレビが制作しているから踏み込みやすいのでしょう」(制作会社ディレクター)
地上波テレビで最も早く今回の性加害問題を取り扱ったのはNHK。民放で最も早かったのはTBSだった。
「NHKもTBSも、他局と比べてジャニーズ依存度が低い。”報道のTBS”と呼ばれるように、報道部が強く、”忖度”が働きづらいのです」(TBS関係者)
逆にジャニーズ依存度が最も高いと言われているのが、テレビ朝日だ。
「性加害報道に割いた時間も一番少ない。かつてテレ朝にはジャニーズの稽古場があり、そこが性加害の現場になった可能性も否めないから、積極的に報じにくいのかもしれません。テレ朝の『ミュージックステーション』から、ジャニーズのライバルになりえる男性アイドルグループが”排除”されてきた歴史もありますからね。この”忖度”には視聴者も気づいているでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
テレ朝はジャニーズJr.による番組『#裸の少年』を’01年から放送しているほか、夏のイベント『SUMMER STATION』応援サポーターにデビュー前のグループを起用するなど、若手ジャニーズの売り出しにも協力している。
「’21年には藤島ジュリー景子社長(57)が代表取締役会長を務める『ジェイ・ストーム』と共同制作で、ジャニーズが主演する『オシドラサタデー』というドラマ枠も新設しています。ジュリー氏のお気に入りと報じられた『なにわ男子』の冠番組も放送中です」(キー局プロデューサー)
関係を強化するのも戦略ではある。視聴者がどう判断するか、だが。
『FRIDAY』2023年8月18・25日合併号より
PHOTO:近藤裕介