名門・武闘派&経済派ヤクザとして名を馳せた「宅見組」事務所跡地の購入者が明かす″ドロ沼の舞台裏″
大阪・ミナミの繁華街のド真ん中、いわく付きのビルがついに解体された!
大阪随一の歓楽街・ミナミの一等地に建つ二代目宅見組本部。この名門組織の事務所売却が決まったのは今年4月のことだった。
「地上4階建て、延べ床面積は約320㎡に及ぶ事務所の売却費用は3億3000万円。相場価格で5億円は下らないとされる物件だけに長く不動産ブローカーの注目を集めていました」(不動産関係者)
ところが売却を巡り、今なお関係者の間で″舌戦″が繰り広げられているという。仲介役を担った実業家の久木原日出男氏は憤(いきどお)りをあらわにする。
「本部を買いたいと執拗に手を挙げていたのがK氏という人物。彼は不動産事業を行う傍(かたわ)ら、裏社会でも名が知られており、コンプライアンス上の理由から売却を拒否しました。最終的に、民間企業の代表のA氏に売却を決めましたが、蓋を開けるとA氏の購入資金の大半をK氏が貸していたことが判明。今年6月、K氏を問い質(ただ)すと『ワシの下僕のA氏を使った!』と開き直り。後の調査ではK氏が過去に息子の会社を使って宅見組関係者の自宅の売却をしていたこともわかったため確認するとK氏もこれを認めました」
事務所の購入者であるA氏に疑惑をぶつけると、K氏からの資金提供をすんなりと認めたうえで、こう答えた。
「すでに出資金は返していて、Kさんの手は離れて私がやっている」
その一方で、K氏との取り決めについてはこうも漏らした。
「『(K氏から)苦労した分、少しはくれよ』『高値で売れたらちょっとは俺にくれよ』と。私も『わかりました』と言った」
現在はK氏の関与はなくなったと断言するA氏。物件は解体工事が終わり次第、売りに出す予定だという。
「本部は更地にしたらすぐに転売するつもり。地元の不動産屋からは一坪500万円で打診があったけど安すぎたので断りました。お金は出してるわけだから利益は追求するし、私も儲けないかん。別に誰かを排除しているわけでもない。府警もコンプラを注視しとるから、もちろん守ります。8月10日ごろには工事も終わるから、そこから1〜2ヵ月で売却する。一番高いカネを払うほうに売る。解体が終わってから、それから『ヨーイドン』します」(A氏)
武闘派に加え、経済ヤクザとしても名を馳せた宅見組。その遺産が新たなマネーゲームを生み出そうとしている。

『FRIDAY』2023年8月18・25日号より