バブル世代の親の「捨てられない事情」とは? 帰省が狙い目! 「物に溢れた実家」が一気に片付く方法 | FRIDAYデジタル

バブル世代の親の「捨てられない事情」とは? 帰省が狙い目! 「物に溢れた実家」が一気に片付く方法

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うんざり…「実家が物で溢れてる!」

夏休みの帰省で実家に戻り、「物で溢れてる!」とうんざりしている人も多いのではないだろうか。ある不動産関連会社のインターネット調査(30代、40代)によると、「実家に物が多いと感じている人は76.0%」、「片付けたい、親に片付けてほしいと思っている人は71.8%」との結果が出た。この夏は「実家モノ多すぎ問題」に終止符を打つチャンスかも? 片付けのプロ、住まい方アドバイザーの近藤典子さんに解決策を聞く。

実家の物を片付けたいのに片付けない理由第一位は「親が乗り気ではない」
実家の物を片付けたいのに片付けない理由第一位は「親が乗り気ではない」

若い、忙しい、自己が確立している「バブル世代の親たち」

「今の60代は物のない時代を生きた親に育てられ、物を大切にすることが美徳と言われてきた人たち。女性は社会進出し、自分のお金で物を買う余裕があったし、それを上手に使う訓練もしてきました。良い物を身につけることで自分の価値観を高めていたところもあるため、それを処分するのは辛く、今の若い人のような潔さは持ちあわせていません。 

さらに、自分はいつまでも若いという気持ちが強く、実際アクティブに動けるから毎日が多忙で、片付けまで手が回らないんです。自分自身をしっかり持っていて、昔の人のように“もう歳だから子どもの言うことを聞こう”という考え方もしません」(近藤典子さん/以下同)

なかなかに手強いラスボス感。一体どう攻略すればいいのか。ここからは近藤さんに、そのポイントを説明してもらおう。

実家に物が多いと感じている人は76.0%(実家がある男女500人を対象とした「物が多い実家の片付けに関する意識調査」株式会社AlbaLinkの結果より・以下同)
実家に物が多いと感じている人は76.0%(実家がある男女500人を対象とした「物が多い実家の片付けに関する意識調査」株式会社AlbaLinkの結果より・以下同)

1_まずは自分の家を片付けて、その体験を話してみる 

「ゴミだと思っていた物が7千円で売れた」などの体験談を話したり、その工程を写真で見せてあげてください。親はいつまでたっても親。説得しようなんて思わないことです。がむしゃらに片付けろと言うのではなく、親の気持を尊重し、時には「この家具の位置、どう思う?」などと相談も交え、雑談からきっかけを作りましょう。

2_腑に落ちるまで、理論を説明する 

最初から捨てろとは言わず、「まずは一緒に頭の整理をしよう」と言ってみてください。例えばキッチンの食器が多すぎるなら「普段、来客って何人くらい?」と聞いてみます。5人であれば、「全部重ねていると出すのが大変だから、5セットだけ置いておこうか」というように、片付けたほうがよい理由を説明します。なぜそれをするのかがわかると、片付けが楽しくなります。

3_終活が嬉しい人なんていない 

私は終活という言葉が大嫌いです。なぜ終わりに向かって頑張らなくちゃいけないの? 誰だって一生現役でいたいはずです。だから一生現役でいようと思わせる話し方をしてあげましょう。「捨てなくていい、ひと部屋つぶしてもいいから、これから楽しく生活するために、まずは快適な空間を確保しよう」と。結果は同じだとしても、要は言い方次第です。

4_「不要品」と決めつけるのは子どものエゴ 

実家を片付けたい理由のひとつに「不要な物が多すぎる」というのがありますが、必要か必要でないかは親が決めることです。「こんなものはゴミでしかない」とか「死んだら持っていけないんだから」はタブーと心得ましょう。

親御さんが亡くなった後、「大事にしていたと思うと捨てられない」と、物を捨てることに罪悪感を感じる子どもは多いです。そうならないためには、親御さんが元気なうちにその気持ちを伝え、「本当に大切なものはどれ? 私の子どもにも受け継がせたいから教えて」と相談するのも心の整理につながります。 

「親が嫌がるし、気乗りしないようです」(42歳 女性)単にやる気が出ないというだけではなく、片付けに反対して怒りだしてしまう親御さんもいるとか
「親が嫌がるし、気乗りしないようです」(42歳 女性)単にやる気が出ないというだけではなく、片付けに反対して怒りだしてしまう親御さんもいるとか

5_結果がすぐ出る簡単な場所から始めよう 

若い人の片付けと60代では、方法が全く違います。年配の方の場合は結果がすぐに出る場所、例えば玄関から始めることをおすすめします。普通は後回しにしやすい玄関ですが、狭いスペースなので簡単にできるし、通るたびに「子どもが一緒にやってくれた。気持ちいいわ」と実感するので、親御さんも片付け作業に前向きになれます。

洗面所なども手頃だし、みんなが使う場所なので「私が泊まりにきた時に使いやすくしたいから」などの理由づけができます。そこから客間、もしくは自分たちの泊まる部屋、リビングへと進み、キッチンは物が多いので最後に。手をつけるときは食品から始めるとよいでしょう。

「晩さん会でも開くのかよ」の食器棚…
「晩さん会でも開くのかよ」の食器棚…

6_「持ち癖、買い癖、使い癖」を理解してもらおう 

クローゼットを整理するときは、捨てるのではなく、たたむ洋服とかける洋服に分けてください。

たたむ洋服は袖を通しやすく、普段着る機会が多いので、どれも捨てられないと感じてしまうから後回し。まずはかける服を観察します。すると似たような服、衝動買いした服など、その人の持ち癖、買い癖、使い癖が見えてきます。それが理解できていない状態で言われるままに捨ててしまうと、同じことを繰り返すので要注意。ここはじっくりと、自分の癖をわかってくれるまで捨てずに確認。食器や食品ストックなども同様です。

7_親子で楽しむひとときにしよう 

洗面所を片付けながら子ども時代のお風呂の思い出を話したり、「あのときは子育てでお掃除も大変だったから、今は私がやるわ」と言ってみたり。「これが売れたら何を食べにいく?」と想像してみたり。楽しい片付けは、親子のかけがえのない時間になります。 

きれいになれば親御さんも「お母さん頑張ったでしょ。みんな見て」という気持ちになるはず。すると、ほかの場所も片付けてみようという自主性が生まれます。子育てが逆転した気持ちで、小さなことでも褒めてあげてください。何よりも大切なのは、親への感謝の気持ちを忘れないこと。それが片付け成功の鍵といえます。

そして、どうしても難しかったら、プロに間に入ってもらうのもひとつの手です。ただし、人の気持ちに寄り添うよりも片付けを先行させる人だと逆効果になるので、見極めは慎重に。

近藤典子 住まい方アドバイザー。30年以上、住まいの悩みを解決してきた近藤流の暮らし提案が好評。メディアや講演会、企業との商品開発やオリジナル収納ユニットの商品化、間取り監修など幅広く活躍。’19年より(株)LIXILと収納商品「ヴィ―タス パネル」を発売。また、中国では大学で教えた経験や翻訳本が住宅業界で高く評価され、「全国工商聠家具装飾業商会」より「中国カスタマイズ住宅設計貢献賞」を受賞している。

  • 取材・文井出千昌

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