「エッフェル姉さん」松川るい議員 地元大阪〝吊し上げ〟会議は直前中止も自民党内でも「四面楚歌」
2泊4日で政治家としてのキャリアに大きな傷がついてしまったようだ――。
自民党女性局38名を引き連れてフランス研修に出発した松川るい参院議員。ところが「研修」とは名ばかりで視察時間はわずか6時間。挙句、パリ・エッフェル塔で華麗にポージングを決めた写真をSNSにアップし、国民から大ブーイングを受けた。
当初、松川氏は謝罪しつつも
「非常に真面目な内容ある研修であった」
と強調していたが、旗色が悪くなるやトーンダウン。ネット上では
「エッフェル姉さん」
とまで呼ばれる始末だ。
ついには地元・大阪からも〝退場勧告〟が突きつけられる事態に……。
今月7日、大阪の自民党・枚方市支部が、定例役員会の決議に基づき、茂木敏充幹事長に松川氏の参院選挙区支部長の更迭を申し入れたのだ。文書には
「フランス投稿には呆れるところです」
「大阪府連の執行部のこの様な軽率な行為の積み重ねが、今日の大阪府連の結果となっていると推測します」
と厳しい文言が書かれている。
大阪府の自民党は〝維新旋風〟により、4月の統一地方選で大敗を喫した。府知事と大阪市長のダブル選では独自候補を立てられず、維新に対抗する政治団体が擁立する候補を自主支援した。
次期衆院選に向けて、府内8小選挙区の新たな支部長が公募で選ばれた経緯がある。
「ようは次期衆院選を念頭に、『松川さんが選挙区支部長では無理』と突き付けたカタチ」(永田町関係者)
さらに、地元議員の元には10日に「役員連絡会」、17日に「総務委員連絡協議会」を開催するという案内状が突然届いたという。議題はどちらも「フランス視察について」。10日の役員連絡会の案内状には
「今回はマスコミ完全クローズ」
と書かれていた。松川氏は役員連絡会のメンバーなので、無視を決め込むわけにはいかない。
「マスコミ完全クローズの中で、松川氏を吊るし上げ、彼女自身の口から選挙区部長を『辞めます』と言い出す流れにしたかったのでしょう」(スポーツ紙記者)
顔面蒼白の松川氏が泣きついたのが、〝ボス〟の茂木幹事長だった。大阪府連会長の谷川とむ氏に会議の中止を命じ、結果的に9日、各議員に
「中止になりました」
と連絡が入ったという。
「更迭を求めていた大阪府連の大半のメンバーは怒り心頭ですよ。会議は中止になりましたが、松川さんが四面楚歌状態であることは変わりません。中止を求めた茂木幹事長への批判も上がっています」(同・スポーツ紙記者)
それにしてもフランス研修を謳歌した「エッフェル姉さん」にとっては天国から地獄だろう。目先、衆院への鞍替えも検討していたようだが、とても戦える状態ではない。前出の永田町関係者によれば、
「ゆくゆくは大臣に……という野心を持っていたようだが、ミソをつけた。あの〝エッフェル写真〟さえなければ、状況は違った。
ほかの女性局メンバーからも恨まれているし、自民党議員からも『議員辞職すべきだ!』といった声も聞こえてくる。ただ、そう言っている人は松川議員のせいで〝海外研修〟が目をつけられたことへの腹いせもある。議員の〝海外研修〟なんて半分観光みたいなものですからね」
いまも炎上中の松川氏だが、フランス研修……いや、フランス「観光」に対する国民への詳細説明はなされていない。このまま騒動の風化を狙っているようだが、逃げ切りは許されない――。
PHOTO:上森清二/共同通信イメージズ