1日で着信666回に700万渡すも…不倫女性殺害の元高校教師「極限まで追いつめられて」絶望的犯行
公判で明らかになったのは、絶望的な2人の不倫関係だった。北海道帯広市内の高校に勤務していた片桐朱璃被告(36)と、過去に同僚だった宮田麻子さん(当時47)の交際である。
片桐被告は関係継続も解消も不可能と「極限まで追い詰められ」、昨年5月30日に帯広市内の駐車場に停めた車の中で宮田さんの首をシートベルトで絞め殺害する。1審の公判が行われていた釧路地裁は殺害は宮田さんの同意があったとし、承諾殺人罪を適用し懲役6年6ヵ月の判決。検察側は判決を不服とし、8月14日に控訴したのだ。修復不能となった2人の関係を振り返ろう。
「弁護側の主張などで明らかになったのは、ともに結婚し子どももいた2人の絶望的な状況です。’18年ごろから交際を始めたものの、翌年には片桐被告が関係解消を望み始めます。弁護側によると宮田さんは要求を拒否し、片桐被告は別れるために約700万円を支払うも多い時には1日に666回の着信があったとか。
宮田さんからは『あたなたの家の前にいる』『離婚しないなら赤ちゃんと奥さんを殺す』などとも言われたそうです。精神的に追い詰められた片桐被告が犯行直前に『もう死ぬしかない』と話すと、宮田さんはうなずいたとされます。検察側は懲役13年を求刑していましたが、弁護側の主張などから裁判所は殺人罪ではなく承諾殺人罪を適用したようです」(全国紙司法担当記者)
『FRIDAYデジタル』は’22年6月9日配信の記事で、事件について詳しく報じている。再録し2人の複雑な関係と背景を振り返りたい(内容は一部修正しています)ーー。
「穴を掘って埋めた」
「釧路に行ってくるね」
夫や子供にそう言い残して女性は車で外出した。しかし女性が発見されたのは、釧路ではなく東へ約150km離れた帯広。地中から衣服を着た遺体となって見つかったーー。
北海道北見市に住む宮田さんが、自宅を出たのは昨年5月29日お昼前のことだ。同日の夜までは家族とSNSでやり取りしていたが、翌30日になると連絡がつかなくなる。心配した夫は北海道道警に通報した。
「妻が帰ってきません。行方がわからなくなりました」
31日には行方不明届を提出。警察が夫から話を聞くと、捜査線上にある男性が浮上する。
「片桐被告です。警察が6月1日に任意で事情聴取すると、片桐被告は宮田さんと会っていたことを認めこう供述しました。『首を絞めて殺害した。遺体は車で運びスコップで穴を掘って埋めた』と。
片桐被告立会いのもと、警察が帯広市内の雑木林を捜索すると地中から宮田さんの遺体を発見。首には絞められたような痕がありました。死因は窒息です。警察は片桐被告を死体遺棄の疑いで逮捕しました」(全国紙社会部記者)
かつて片桐被告と宮田さんは同僚だった。’16年4月から’22年3月までの6年間、北海道内の別の高校に勤務していたのだ。
「2人とも、生徒や保護者からのウケはとても良かったようです。長い期間休む生徒がいたら、親身になって相談に乗ってね。決して声を荒らげることもない。温厚で教育熱心な教師でした。当時から宮田さんと片桐被告の親密さは評判だったようです」(同前)
お互いパートナーがいながら仲を深めていった2人。殺人事件という最悪の結果で、関係にピリオドが打たれることになった。


PHOTO:共同通信社