20代の４割が童貞時代の漫画『目黒さんは初めてじゃない』が話題

なんと今、20代男性の約4割が童貞だという。日本の童貞率の高さは右肩上がり、その人数は過去最高ともいわれている。そんな彼らを世間はDTと呼び、DTが主人公の恋愛ドラマや漫画が、女子はもちろん、男子からも話題を呼んでいる。漫画アプリ「Palcy（パルシィ）」で人気連載中の『目黒さんは初めてじゃない』もそのひとつ。DT男子高生が非処女の女子高生に恋をする、ゲスさ皆無の超ピュアな純愛漫画だ。

ジワジワと巻き起こるDT旋風。日本の性事情、一体どうなっている？　

『目黒さんは初めてじゃない』６話分無料公開中です

漫画アプリ「Palcy（パルシィ）」で大注目のコミック『目黒さんは初めてじゃない』。

主人公の古賀くんは、彼女いない歴＝年齢＝DTの男子高校生。そして、恋のお相手は、美少女で学園のマドンナ、目黒さん。ストーリーは、意を決した古賀くんが彼女に告白し、奇跡的にOKをもらうところから始まるのだが、彼女の口から放たれた一言は、「いいですよ。けど私、処女じゃないですよ」だった。そう、これは、経験豊富な非処女・目黒さんと、DT男子古賀くんのピュアな関係を描いた恋愛ドラマなのだ。

恋愛コミックであること、また可愛らしい絵のタッチから、女性ファンがほとんどかと思いきや、男性読者がめちゃくちゃ多いそう。これは、少女漫画と同じカタルシスを持ちながら「非処女と童貞の恋愛AtoZ♡」を紐解く、男性のためのドリーム漫画だと担当編集は語る。

「漫画アプリ『Palcy（パルシィ）』でも、男子ランキング１位を獲得しています。１巻帯に『20代の4割が童貞ってマジ!?』と謳っている通り、世の中には童貞が増え続けているというデータがあります。この作品は、そんな彼らにとって、想像を遥かに超えるドリームが『これでもか！』というくらいつまっている恋愛漫画。これを読めば、童貞の方が恋愛をイチから学べ、実体験に活かせるかもしれません。実際に男性読者は多く、『尊い！』『ゆっくり関係を深めていってほしいな。幸せになれよ』『目黒さん可愛過ぎ。こんな彼女欲しい』という声も。一見ビッチでミステリアスなヒロイン役の目黒さん。実は、優しくてピュアで、スーパー可愛い一面もたまらないんです」（『目黒さんは初めてじゃない』担当編集S・男　以下同）

 

著者9℃さんが描く本作は、同人誌即売会である『コミティア』から生まれたそう。

「『コミティア』から、これまで多くの名作が世に出ています。作家さんが編集者を介さず自由に作った作品にこそ、ファンは熱狂する時代。その中で、『目黒さんは初めてじゃない』は、鋭くも温かい人物描写、柔らかい表現技法が十二分に発揮されながら、『18年間童貞であった主人公が、学園イチのビッチな非処女マドンナと、まさかまさか奇跡的に付き合えた！？』というエンタメかつドリームがぎゅぎゅっと詰まっていて、圧倒的なパワーがありました」

今や「DT」は、隠すことでも恥じることでもない。「真面目で誠実、むしろヤリ◯ンなんかよりもずっといい！」と、モテ男子の仲間入りを果たしているという。実際、Palcy（パルシィ）編集部にも、「古賀くんみたいにウブで純粋な子が好き」「古賀くんは決してイケメンとは言えないけど、一途で、誠実で、優しい最高の男子だよ」という声が、女性読者から多く届いているという。

「今30代以上の男性の大半は、『童貞は早く捨てないといけない！』という強迫概念の中で青春時代を過ごしたはず。でも、今は『童貞は、本当に好きだと思える運命の女性に捧げるもの』という概念を持つ若者が増えているんです。晩婚化と言われ、さらには夫婦３組のうち１組が離婚する今。結婚すること、恋愛することにメリットを感じない人も多い中、好きな女性には、誰よりも誠実で誰よりも優しい。そして、すべてを尽くす……そんなまっさらでピュアな童貞が、モテる時代なんです」

１巻帯のコピー『20代の4割が童貞ってマジ!?』の裏付けとなるデータを提供したのは、80年以上も前から国内でコンドームの製造を行う相模ゴム工業。この企画に協力した広報担当は、「20代男性の4割が童貞であること」という状況をどう捉えているのだろうか。

「いろんな影響が考えられますが、個人的には、SNSの発達により、失敗や失態などの情報拡散を恐れているといった影響もあるのではないかと感じています。少子高齢化、男性の草食化、セックスレスなど、コンドームの売れ行きにはさまざまな要因があるため、童貞率の増加と直接的な関係は言い切れません。ですが、2013年以降、微増に転じたものの、近年の売上数は低調だというのは事実です」（相模ゴム・広報）

DTがモテ男子の仲間入り。

「ぐいぐい引っ張っていって欲しい♡」という女子がいて、「俺について来いよ」的なオラオラ系男がもてはやされた時代に、一体誰がこの現状を想像をしただろう。ハラハラドキドキさせられるツンキャラ男よりも、真摯に愛してくれるDT。世界の平和を願うように、女性たちも心の安定を求めている。「刺激がなくて物足りなくない？」なんて考えは、とっくに時代遅れなのだ。

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