<figure id="attachment_327975" aria-describedby="caption-attachment-327975" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7c73543e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/dd678b76363fe3031597fc9f17157efd.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-327975" class="wp-caption-text">意外にもピーポくんキーホルダーが気に入った様子</figcaption></figure>
<p>記者がピーポくんのキーホルダーをプレゼントすると、皇治（34）は<span class="strongInContent">「こないだキャッシュで買うた5400万円のロールスロイスのキーにつけるわ！」</span>と白い歯を見せた。彼が代表取締役社長として運送業を始めたと聞いて、交通安全のお守りがわりにプレゼントしたのだが――。</p>
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<p><span class="strongInContent">「ロールスやなくて『ノコノコ運送』（神戸市中央区）のことを聞きに来たん！？　フライデーらしくないな(笑)。まあでも、せっかくやから教えたるわ。『ノコノコ運送』は初月で月商1000万円を達成した優良企業やさかいな」</span></p>
<p>設立は今年４月。７月から営業開始したが、新型コロナウイルスが蔓延した2020年ごろから構想をあたためていたという。</p>
<p><span class="strongInContent">「コロナで格闘技も含め、何もかも自粛になって……この日本のピンチにガンガン動いとる業種って何やろう、なくならない仕事って何やろうとジッと観察しとったんよ。おそらく人間の３大欲求に関するものやろうなと予想はしとったんやけど、それは『食』。食のデリバリーやった。ただ、すでにウーバーイーツが独占状態でこれから参入するのは難しい。</span><span class="strongInContent">次に注目したんが、ステイホームで大忙しの運送業。物流いうんかな？　食べ物のデリバリーで成り上がるんは難しいけど、食品の運送ならトラックも人手も足らんと聞いとったから『イケる！』と食品の運送に特化した会社を作ることを思いついたんよ。『ノコノコ運送』は10トントラックが６台、４トントラックを４台持っとるけど、すべて冷凍庫を搭載しとるよ」</span></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>皇治のスポンサーに運送業者の山口運送があり、山口達弘専務とは兄弟のように親しい仲だったのでさっそく相談すると<span class="strongInContent">「面白い！」</span>と好感触。協力を仰ぎながら、会社を設立することに決めた。昨年秋ごろのことだ。ちなみに「ノコノコ運送」という屋号は皇治が考えたという。YouTubeやＳＮＳで皇治が<span class="strongInContent">「一緒に成り上がろう！」</span>とドライバーを募集すると、たちまち60名が手を挙げたという。</p>
<figure id="attachment_328009" aria-describedby="caption-attachment-328009" style="width: 1559px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2c5b7e51"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/bfdcd4e0e63989c9d688813972f94501.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-328009" class="wp-caption-text">大活躍中のノコノコ運送のトラック。皇治いわく「道路で出くわしたらエエことありまっせ」</figcaption></figure>
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<p>――いろいろダサいですね。</p>
<p><span class="strongInContent">「やかましわ(笑)。まあ、『ノコノコ運送』というネーミングはみんなに反対されたけどな。ただ、〇〇エクスプレスだとインパクト弱くて覚えてもらえんやろ？　ドライバーの書類選考も面接も全部自分でやった。条件は二つだけ。『ドライバー経験者』と『無借金』。元クロネコヤマトの凄腕のドライバーも来てくれて、おかげさまで福岡から東京まで忙しくお仕事やらせてもろうてますわ」</span></p>
<p>ひっかかったのが「無借金」という条件だ。実際、応募者からも<span class="strongInContent">「なぜ、借金があったらダメなんですか？」</span>と質問されたという。そして、その答えに“格闘ファンタジスタ”皇治の原点があった。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="「家族旅行にいったことない」皇治の極貧子供時代"></div>
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<div><span class="strongInContent">「借金いうても、住宅ローンとか自動車ローンならエエんよ。ちょっと服とか買うためにガマンできず借金する奴おるでしょ？　そこでラクをする奴はナンボ仕事ができても俺は一緒にやれへんのです。子供のころ、うちは親父が借金しまくって車をバンバン買うたり破天荒で……オカンが泣いてるの見て育った。</span><span class="strongInContent">家族で旅行にいった記憶もない。そんな親父に『誰がメシ食わしたってると思うとるんや』と言われるんが嫌で嫌で、中学校の昼ご飯は給食やのうて弁当やってんけど、一切親には弁当作ってもらわんかったからね。まあ、今は親父には感謝しとるけどね、反面教師としていいところも悪いところも全部見せてもろうたから」</span></div>
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<figure id="attachment_328010" aria-describedby="caption-attachment-328010" style="width: 3024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d04fc0cd"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/ecfe04da61661934e3736cdbf0d5db01.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-328010" class="wp-caption-text">自慢のロールスロイス。前に乗っていたゲレンデヴァーゲンやランボルギーニも高く売れたんだとか</figcaption></figure>
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<p>父の借金をキッカケに、皇治は15歳のころから毎日「どうやって稼ぐか？」を考えて生きてきた。「ノコノコ運送」はまさにそんな日々から生み出された。格闘技、タレント、アパレル、焼き肉バー、ジム、イベントプロデュースと数多ある皇治の副業のなかで、すでに３番目の稼ぎを誇っているという。</p>
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<p><span class="strongInContent">「稼ぎ頭はもちろん、格闘技。おかげさまで30社もスポンサーがついてくれとる。ファイトマネーと合わせて年間、数億円は稼いどるよ。その次がタレント業やけど、ハッキリいうて芸能で食うつもりはない。地上波のバラエティに出るのは顔を売って、信用を得るため。</span><span class="strongInContent">顔が売れれば、アパレルとかジムが儲かり、銀行も融資してくれるようになるからね。だから、テレビ出演のオファーがきたときにギャラの額を聞いたことはない。唯一チェックするのは企画内容。何が来てもほとんど断らへんけど“女子にＤＶをするドッキリ企画”だけは断ったわ」</span></p>
<p>いまとなっては稼ぎ頭だが、皇治少年にとって格闘技は成り上がるための唯一の手段だった。15歳の貧乏な皇治少年が持っていたのは、父に習った日本拳法と空手だけ。この武器でいかに稼ぐか？　考え抜いた末に出した結論は「スポンサー探し」だった。</p>
<p><span class="strongInContent">「リュックを背負って、町の企業を回って『今度、〇〇〇〇の大会出ます。チケット買ってください』『費用を援助してください』と営業するわけ。ただ、いまの俺からは想像つかんと思うけど、当時は口下手で、人前で話すのもカラオケ歌うのすら苦手で。そんな、どこの馬の骨ともわからんガキをスポンサードする企業なんてあるわけない。</span><span class="strongInContent">そこで思いついたんが、校長先生を味方につけるという作戦。俺が通っとった中学は不良マンガ顔負けの荒れた学校で、卒業式前日に３年の命令で２年が窓ガラスを全部割るっちゅうのが伝統やった(笑)。で、当の３年生は卒業式にぜんぜん来ない。俺は１年の時点でシメにきた番長を返り討ちにして学校をシメとったから、この悪しき伝統をストップさせた。で、３年になったら学ランをキチッと着て、率先して卒業式に出た。おかげで３年は全員出席。その代わり、取り引きやないけど、校長先生に俺の飛び込み営業についてきてもらったんよ。そのうち、市長さんも紹介してくれた。もう、信用が全然違う。あれはホンマ助かった」</span></p>
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<p>スポンサーへの営業を重ねる中で話術が磨かれていき、皇治の名を世間に知らしめた「試合前会見での対戦相手いじり芸」誕生に繋がるのだから、人生何が幸いするかわからない。</p>
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<figure id="attachment_328071" aria-describedby="caption-attachment-328071" style="width: 3024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="bf6277e5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/cfef8f1296099c2f257c510fb35bd101.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-328071" class="wp-caption-text">愛車の車内。キーには本当にピーポくんキーホルダーがついていた</figcaption></figure>
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<div data-friday-nextpage-lead="格闘家が稼げる職業になれない理由"></div>
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<p>メジャー団体の世界王者にでもならない限り、格闘家＝貧乏というイメージが日本では定着している。他のスポーツと比べて選手寿命が短く、危険度も高いのにファイトマネーは安い。王者が自らチケットを手売りしたり、練習時間を削ってアルバイトしている姿も散見される。</p>
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<p><span class="strongInContent">「俺みたいに“億稼いどるけど、チャラチャラしとる奴”は真の格闘家やない、って言われがちやね。でも、その考え方が貧乏を引き寄せるんよ」</span>と皇治は鼻息が荒い。</p>
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<figure id="attachment_328096" aria-describedby="caption-attachment-328096" style="width: 3024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6e9468a6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/08/3e647ce6136031a93ad4651b260b0800.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-328096" class="wp-caption-text">東京のオフィスにて。スニーカーなど趣味の逸品がずらり</figcaption></figure>
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<p><span class="strongInContent">「アンチがつきそうなこと、人が避けること、人がイヤがることにこそ、チャンスがある。たとえば『格闘家なのにチャラチャラしている』ことで俺は叩かれとるけど、知名度は上がっとる。ストイックな選手との対決が盛り上がるし、他のチャラい選手に的にかけられたりして対戦ストーリーが生まれる。需要が高まるわけよ。そこに気づいてない選手が多い。</span><span class="strongInContent">ファイトマネーにしたって、プールする選手がほとんど。大事に節約しながら使ったって減っていく一方なのに。経済がわかっている人は、たとえば3000万円持っていたら、高級腕時計を買う。なぜなら高級腕時計は高値で転売できるから。さっき、ロールスロイスを5400万円で買ったと言うたけど、すぐに6000万円ぐらいに値上がりすると思う。これ、富豪とかおカネ持ちの人と話すとわかってもらえるんやけどね。本当にいいものはほしがる人がおるから必ず値上がりする。使わないとカネって増えへん。それを理解できれば稼げる格闘家が増えると思う」</span></p>
<p>すでに34歳、負けも込んできて並みの格闘家ならば「潔い引き際を」などと考え始めるところだが、皇治にそんな気はサラサラない。</p>
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<p><span class="strongInContent">「引退なんてわざわざ自分で線引きするようなモンでもない。だいいち、俺が引退してもうたら、ただのヤンチャなオッサンでしょ？(笑)。ビジネスがしづらくなるわ。格闘家という名刺でノシあがってきたんやから、これからも使わせてもらう。もちろん、最低限のレベルは必要。多いときは週に５～６回、東京と大阪を往復しとるけど、その間、ジムでのトレーニングを欠かしたことはない。トップレベルで戦えんようになったら、そのときは身を引くわ。</span><span class="strongInContent">15歳のときに誓った青年実業家になるっちゅう目標はかなえた。もう青年やないけどね。ただ、人生の満足度はナンボやと聞かれたら……30％かな。いまはね、ソフトバンク創始者の孫正義さんに『皇治くんという面白い男がいるらしいね？』と言わせることが目標。そうそう、今度、沖縄で『モテてしゃーない♪レンタカー』を開業すんねん。インバウンドの復活で沖縄は全然レンタカーが足らんらしくて。車はラグジュアリーカーのみ。車内には俺が使ってるのと同じ香水を置いてやな……」</span></p>
<p>しばらく、「稼ぐ格闘家」に引退のときは訪れそうにない。</p>
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年収は数億円！　「格闘家は貧乏」というイメージを一新した皇治は今年起業したばかりの運送業で成功しているという。タレントとしても成功している彼のカネに対する嗅覚は中学時代に原点があった

経営方針の原点は極貧少年時代に…「儲けてしゃーない」格闘家・皇治が運送業会社の社長になっていた！

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