今季中復帰でＦＡ権取得も…強制性交疑惑で不起訴の西武・山川「絶望的だった意中球団への超大型契約」

性的暴行疑惑で、実戦から３ヵ月以上遠ざかっている西武の山川穂高（31）が不起訴処分となった。

知人女性への強制性交の疑いで書類送検された山川に対し、東京地検が８月29日に嫌疑不十分と判断したのだ。警視庁麻布署は、被害女性から強制わいせつ致傷の容疑で被害届を受理。しかし「致傷」については、正当な因果関係が認められないとし容疑から外されている。

「不起訴となり、焦点は山川の復帰がいつになるかになりました。７月のオーナー会議で西武の後藤高志オーナーは『（山川への対応は）検察の判断が出てから』と強調していましたから。今季中の復帰も可能性としてはありえる。選手会もプレイヤーとしての寿命を考え、山川の早期復帰を要望しています。

ただハードルが高いのは確かです。西武は他の球団以上にコンプライアンスに厳格。不起訴になったとはいえ、妻子ある身でありながら山川が不貞行為を働いたのは間違いありません。山川はあと17日で国内ＦＡ権を取得できます。厳しい処分を受けるかもしれない西武を出ることを含め、本人は早くＦＡ権を取るために早期の復帰を望んでいるでしょう」（球団関係者）

山川が不起訴となった女性への暴行疑惑とは、どんなトラブルだったのだろう。『ＦＲＩＤＡＹデジタル』が今年５月13日に配信した記事を再録し、あらためて騒動を振り返り、ご破算になったといわれる「大型契約移籍」についても触れたい（内容は一部修正しています）ーー。

食い違う山川と女性の主張

山川に、とんでもないスキャンダルが浮上した。

５月11日に『文春オンライン（以下、文春）』が、20代の女性Ａさんへの強制わいせつ疑惑を報じたのだ。『文春』によると、昨年、山川とＡさんは東京都港区内の高級焼肉店で食事した後ホテルのような個室を併設するバーへ移動。そこで山川はＡさんの服を無理矢理に脱がせ、陰部を触るなどの性的暴行を加えたという。Ａさんは下半身にケガをして出血。数日後に警察へ相談し、被害届が受理されたとされる。

『文春』の直撃に対し、山川は〈絶対に無理矢理ではない〉と強制わいせつを否定。〈無理矢理押し倒された〉としていて、Ａさんの主張と食い違っていた。

「山川は’17年に大学時代に知り合った元ソフトボール選手の女性と結婚し、幼い娘さんもいます。不倫行為を働き、家族を裏切ったのは間違いありません。山川は日本が優勝したＷＢＣ『侍ジャパン』メンバーにも選ばれ、ホームランを打つと『どすこいポーズ』でファンを盛り上げる愛されキャラとして有名でした。しかし今回のスキャンダルで、イメージは相当悪くなったでしょう」（同前）

山川は昨季までに218本塁打を記録している、球界を代表するスラッガーだ。昨オフには西武から複数年契約を提示されたというが単年を選択。今年中に取得する見込みのＦＡ権を考慮しての決断だったとされる。

「山川は上昇志向の強い選手です。西武は’08年以降、日本一から遠ざかっています。ＦＡ権を利用して、常に優勝を狙えるチームに移籍したいという願いがあるのかもしれません」（同前）

意中の球団とされるのが、’10年以降７度の日本一になっているソフトバンクだ。

「山川にとって大きいのが、ソフトバンクがＤｅＮＡから嶺井博希を獲得したことです。山川と嶺井は同じ沖縄県出身で同級生。日米大学野球などでともにプレーし、仲の良さは有名です。山川は嶺井を『世界で一番イイやつ』と話し、頻繁に食事に行っているくらいですよ。親友といえる間柄なんです」（スポーツ紙担当記者）

ソフトバンクには、山川が自主トレをともにする砂川リチャードや同じ沖縄県出身の東浜巨など交流のある選手が多い。山川にとって、居心地の良いチームであることは間違いないだろう。昨オフにソフトバンクが日本ハムの近藤健介を推定７年総額50億円で獲得したことを考えると、超大型契約で移籍することも噂された。しかし……。

「噂が本当だったとしても、今回のスキャンダルでソフトバンクへ大型契約での移籍は絶望的になったと思われます。問題を起こした選手を、大金を払って獲得すればファンからの猛反発は必至。実現したとしても、日ハムで暴力事件を起こし巨人へ加入した中田翔のような無償トレードではないでしょうか」（同前）

不起訴となり西武は山川へ対しどんな判断を下すのか。結果は近日中に明らかになるだろう。