「全面擁護してしまうと…」西武・山川穂高は不起訴もいまだ会見ナシ…球団が“山川より守りたいもの” | FRIDAYデジタル

「全面擁護してしまうと…」西武・山川穂高は不起訴もいまだ会見ナシ…球団が“山川より守りたいもの”

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女性への強制性交容疑では不起訴処分となった埼玉西武ライオンズの山川穂高。だが、女性の今後の出方によっては民事裁判に持ち込まれる可能性も残されている(撮影:坂口 靖子)
女性への強制性交容疑では不起訴処分となった埼玉西武ライオンズの山川穂高。だが、女性の今後の出方によっては民事裁判に持ち込まれる可能性も残されている(撮影:坂口 靖子)

知人女性への強制性交の疑いで5月に書類送検されていた西武・山川穂高内野手(31)に対して東京地検は8月29日、嫌疑不十分で不起訴処分とした。

5月11日、「文春オンライン」によって判明した今回の事件。山川は昨年11月、東京・港区のホテルで、当時20代の知人女性に対して性的暴行をしたとされる。手荒く扱われた女性は出血し、山川に対して処罰感情を持ったため被害届を提出した。

一方、山川は女性と男女の関係にあったことは認めたものの、報じられている「無理矢理」という部分は強く否定。事件報道翌日の5月12日、西武は「総合的に判断してコンディション調整」というあいまいな理由により以降はリハビリ班の三軍扱いとして、山川はファーム施設で汗を流す日々が続いていた。

7月のオーナー会議で、西武の後藤高志オーナー(74)は「(山川への)対応は検察の判断が出てから」と明かしており、山川の処遇を具体的に考えられる段階に入った。チームは8月31日時点で最下位に沈んでおり、現場とファンは山川にいち早く実戦に復帰してもらい、一軍で試合ができる感覚を取り戻してほしい、と思うのが本音だろう。しかし、球団の動きはことのほか鈍い。不起訴処分の報道があった8月29日、西武の球団関係者はこう明かした。

「私たちも報道で知ったので、事実を確認しているところです。今後の見通しについても(球団幹部から)今のところ何も言われていません」

としたうえで、

「不起訴になったから『すぐに実戦復帰』というわけにはいかないと思います。今回の件でファンの方の期待を裏切って、スポンサーさんにも相当迷惑をかけてしまっている。女性に傷をつけて『書類送検された』ということを球団としては重く見ているんです」

パ・リーグの遊軍記者はこう明かす。

「5月に事件が報道された直後、山川は球団に女性と何があったのかについて説明したわけですが、その内容は報道されている女性の言い分とかなり食い違っていたそうです。山川自身は三軍での調整を余儀なくされていた時期に、すぐにでも公の場で説明したかったようです。

今回、山川が不起訴になり、釈明できる状況になりましたので、会見が開かれてもおかしくはないのですが……。不起訴の決定が出る前に、(山川が)釈明会見が開ける状況になった場合、その会見を開くのかどうかを聞いたとき、球団が会見を開くことに対して必ずしも前向きではなかったんです。山川のことを球団は全面的に守るわけではないんだな、ということがそこでわかりました」

西武球団が、周囲が考える以上に慎重になっているのはなぜか。山川は不起訴になったものの、被害女性との間で示談はまだ成立しておらず、女性側が今後、検察審査会に不起訴処分に対する不服を申し立てたり、損害賠償を求める民事裁判を起こされる可能性が残されているからだろう。

「検察審査会に不服を申し立てた場合、その結論が出るのは数週間とかいうレベルではなく、やはり数ヵ月という単位になってくるでしょう」(都内の法律事務所に勤務する弁護士)

前出の担当記者はこう続ける。

「女性が今後、どういう行動を起こされるかによっては、まだ今回の一件が完全に終結したことにはなりませんし、長い目で見ていかないといけない。今、この状況で西武球団が山川を全面的に擁護する立場をとった後に、再び起訴される可能性だって、全くのゼロではないんです。

西武ライオンズは西武鉄道、プリンスホテルといったお客様へのイメージや清潔感を大切にする『株式会社 西武ホールディングス』に属するグループ会社のひとつです。もし検察審査会を経て起訴された場合、ホールディングス全体のイメージダウンは計り知れない、と球団は考えているでしょう。そのイメージダウンは、現在チームが最下位に沈んでいること以上に痛いはずです」

’07年、西武はそれまでのスカウト活動中にアマチュア選手に対して不適切な金銭供与を行っていたことが発覚して、その年の高校生ドラフト上位2選手の指名権を剥奪され、制裁金(3000万円)も払った。ドラフト会議がはじまって以来、初めてという不名誉なことだったため、以来、コンプライアンス違反に対して敏感に対処してきた。山川を手塩にかけてホームラン王にまで育てた球団としては、女性との示談が成立していれば、全力で守りたいだろう。ただ、もっと“大きなもの”を守るために、山川と少し距離を置かざるを得ないのかもしれない。いずれにせよ、山川が女性に対して起こしてしまったことの代償は、あまりにも大きい。

  • PHOTO坂口 靖子

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